MBA生とFemtechについて話したら、職場での理解不足を解決する必要があるという結論になった
グロービス経営大学院で定期的に開催している「Femtech部屋」。
第12回目は、海外のFemtech製品や動きについて紹介。
参加者全員が社会人でもあり「Femtechで職場での理解不足を解決できないか」という議論になった。
海外のFemtech商品を紹介しながら、MBA生と議論した内容を紹介する。
世界のFemtechに関連する動き
卵子凍結する女性が増加(アメリカ)
2014年にfacebook(現Meta)が卵子凍結を従業員の福利厚生制度として導入。アメリカでは卵子凍結の福利厚生が、転職時の企業選びに影響。
2021年アメリカでは、フォーチュン500のうち、約17%の企業が福利厚生に卵子凍結を導入。
(※フォーチュン500:米国フォーチュン誌が毎年発表する全米上位500社)
そして、アメリカの成人女性の約68%が「卵子凍結の福利厚生が転職の際の企業選びにも影響する」と回答しているデータも出ている。
女性個人の観点だと、アメリカでは新型コロナの影響により、卵子凍結する女性が急増。パートナー探しができないことや、出社が減り頻繁な来院が可能となったことも原因のひとつのよう。
大学生と話しをしたときに「今日、一緒に帰ろうよ」のような胸躍るキャンパスライフがなくて寂しいと言っていたが、新型コロナの影響における「パートナー探しができない」のは、世界中の深刻な課題である。
更年期症状が社会問題に発展(イギリス)
イギリスでは、更年期症状で病院受診するまで2年半かかったDianeDanzebrink氏の活動が発展。
「#MakeMenopauseMatter(更年期を社会の問題に)」は16万人の賛同を集めた。医師に対する教育や、職場での支援制度の整備を国に求め、検討がはじまっている。
日本でも、更年期女性向けのオンライン相談サービスを展開しているTRULYが「更年期の未来会議2030」を開催。
個人的にとても応援している企業なので、ぜひ活動が広まってほしい。
乳がんや子育てに関する海外Femtech製品
EVA(メキシコ)
19歳の男子学生Cantuの母親は、乳房に見つかったしこりは悪性ではないと言われたが、半年後に別の検査でがんだとわかり切断。その経験から、乳がんをセルフチェックで早期発見できるブラを開発。
ユーザーは週に1時間ブラを着用。アラートが検出された場合、医師に電話するためのアドバイス等が送信。ウェアラブルの温感センサーで乳腺マップ・熱パターンをAI解析している。
「ブラを週1回、1時間着用する」というユーザーに負担の少ない点が素晴らしい。
Elvie Pump(イギリス)
昨年、大型資金調達を実施したElvieのハンズフリー自動搾乳機。
国連で働いていたCEOで創業者のTania bolerが、2013年に骨盤底筋を鍛えるためのトレーニングデバイス「Elvie Trainer」で起業。2018年にハンズフリーの自動搾乳機「Elvie Pump」を販売開始。
従来の搾乳機のようにチューブやワイヤーなど煩わしい部品がないため、洗浄の手間が省けるのが魅力的。アプリと連動して、最後の搾乳履歴なども管理できる。
産後・子育てのテクノロジー化は、2022年注目すべき課題と感じているので、今後も頻繁にチェックしていきたい。
実際に参加した方の感想
今回参加していただいたMBA生は現役生が多く、医療従事者の方もいた。金銭面での国や企業のフォローはもちろんだが、職場での理解を深める動きが重要という意見を多くいただいた。
Femtechイベント案内
①Femtech総まとめ:世界&日本の重要ニュースと動向
2月9日(水)19:00~、世界&日本の重要ニュースと動向で筆者が登壇。
アクセラレータープログラム参加や、GlobisでのFemtechコミュニティ立ち上げで気づいた点を、これからFemtech事業を展開しようとされている方に向けてお話しができたらと思っている。
②データ取得・解析・活用を加速させるマッチングイベント
Femtech業界におけるデータ取得・解説・活用は、今年、最も重要なキーファクターになると感じている。
2月28日(月)19:00~、オンラインとオフラインのハイブリットで開催。データサイエンティスト・研究者の方は必見なので、ぜひ!
当日はCIC Tokyoの素敵な会場に伺う予定。みなさんとお会いできたらうれしいです。