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【更年期⑨通信】2022年10月の更年期ビジネスに役立つ情報まとめ。米国Gennev、Joyluxの買収など

10月は世界メノポーズデー(10/18)があり、更年期に関する調査や企業の動きが多かったが、2022年10月の更年期に関する情報をまとめてお伝えする。

①男性更年期は女性よりタブー?メンズウェルネスに関する意識・行動調査

「更年期」は女性以上に男性もオープンにしづらい環境にある。上記では、30代~60代の男性に対して調査を実施。
筆者は「更年期」という言葉の認知度は高いが、中身まで知られていないと感じている。
市場がさらに成長するためには、ヘルスケアに関する周知や教育が求められており、「更年期」ではない別の表現で伝えていくことが必要。

②更年期後の女性向け医薬品発売

小林製薬は、更年期を終えた女性向けの生来由来の医薬品「命の母 アクティブ」を発売。
TVCMの効果もあり、「命の母」の認知度は高いが、「命の母」を服用していた層を同じブランドで取り込む戦略はさすがである。

③「性差」に配慮した医療。更年期女性の診断をアプリが支援

更年期症状は「症状のデパート」とも言われ、さまざまな症状が重なることも多い。初診時の問診から正確な判断へと導く支援デバイスの必要性を痛感し開発されたのが「女性診療支援アプリWaiSE(ワイズ)」。

女性患者5,000人以上、延べ6万件の診療データを診断アルゴリズムに盛り込み、どんな症状を訴えて来院し、最終的にどんな診断に至ったかなど、リアルデータがアプリに組み込まれている。
アプリは現在、特許申請中。実用化に向けて共同開発のパートナーを募集している。

④「#みんなの更年期」社会でどんな変化が始まっている?

日本航空では今年5月から、更年期のオンライン診療サービスを試験的に福利厚生として取り入れ、薬の処方や宅配の費用を会社で負担。
大塚製薬では今年度、体調不良による仕事への影響など、全女性社員の対象にアンケートを実施。
日本企業でも、徐々に更年期に対する意識が高まりつつある。

⑤世界メノポーズデーに考える。更年期に関する意識調査

更年期症状と見られる不調が出た際に、どのようなことで対策したかの質問に対し、最も多い対処法は「ストレスをためないように気を付けた」29.5%。
婦人科を受診した方は3割弱となっており、医療機関の受診をどのように促すかが一つの課題解決策ではないだろうか。

⑥更年期の不調、会社が支えます

ポーラ・オルビスホールディングスは女性社員が全体の75%。
すでに月経トラブルをサポートするサービスを福利厚生として導入しているが、さらに更年期世代向けのサービスの導入を検討。
福利厚生としての更年期サービスが、少しずつ広がってきている。

⑦職場での更年期障害: 健康専門家自身の経験から企業が学べること

2025年までに世界で11億人の女性が更年期障害を経験するにもかかわらず、産婦人科研修医で更年期障害のトレーニングを受けているのは、5人に1人もいない。
更年期障害の経済的影響は、世界で年間1,500億ドルを超えると推定される中、企業と従業員に対する、更年期の教育やコミュニティが重要であると指摘している。

⑧Unified Women's Healthcare がGennevを買収

米国最大級の女性ヘルスケア企業Unified Women's Healthcareが、更年期のオンライン診療を手がける米Gennevを買収。今後もこのような水平統合が、米国を中心に進むと推測。

⑨JoyluxがMammy Mattersを買収

米国で女性の骨盤底筋を鍛える機器を販売しているJoyluxが、Mommy Mattersを買収。更年期だけでなく、産後ケアにも事業を広げていく。

⑩更年期障害のテレヘルスMidi Healthが1,400万ドルを資金調達

更年期障害のテレヘルス事業を展開するMidi Healthが資金調達。今回の資金調達で、全米に事業を拡大するとのこと。

⑪更年期に関する11人の女性科学者、革新者、起業家

40~59歳の女性は、米国では最もうつ病の発生率が高いとのこと。さらに、女性はアルツハイマーを発症する可能性が5分の1に対し、男性は11人に1人となっている。
さらに英国は、50歳以上の女性の2人に1人が骨粗鬆症で骨折するとも言われており、更年期の最中にいかに体のケアをしていくかが問われている。

早い段階で、更年期症状・更年期障害に気づけるような言葉選びが、企業側には求められる。

⑫Lisa Healthの更年期に関する調査結果

米国の労働力の25%を占めているのが、更年期世代の女性。更年期障害の年間コストは、医療費の増加と生産性の低下が数十億ドルとも言われる。
女性の60%以上が、更年期障害の症状が仕事のパフォーマンスに大きな影響を与えていると答えており、企業としてどうサポートしていくのかがひとつの課題。

⑬自宅検査キットMiraの更年期に関する調査結果

ホルモン検査キットを提供している米Miraが、更年期に関する調査結果を発表。5人に2人が、更年期障害がキャリアに大きな影響を与えると主張しているにもかかわらず、75%は職場で更年期障害について共有していない。

「更年期障害は恥ずかしい」「周りに知られたくない」「できればこっそり治したい」というようなスティグマがあると感じている。

⑭Elektra HealthがEmblemHealthと提携。従業員向け更年期サポートプログラムを提供

プレ更年期・更年期向けの医療カウンセリングやコミュニティサービスを提供する米Elektra Healthが、ニューヨークなどで300万人以上にサービスを提供しているEmblemHealthと提携。