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日本で更年期障害に悩む女性向けサービスが限られているように見える理由
フェムテックの活動をしている中で、更年期障害に悩む女性たちと出会い、課題の根深さを知ったことで、更年期障害についてリサーチや事業立案している。しかし、日本で更年期障害に悩む女性向けサービスが限られていると感じる。
「日本は医療費が安い」などフェムテック全体ではなく、更年期障害のサービスがなぜ海外ほど生まれないのかを考察する。
【理由①】起業家や新規事業担当者が若い
CHANGE by ONE JAPANやグロービスのフェムテックコミュニティで、フェムテック事業の壁打ち相手をしているが、起業・新規事業担当者が20代~30代が中心。
フェムテックの課題だと、生理や妊活・不妊治療など身近な課題には目が行くものの、40代後半からの更年期障害について知らない。もしくは知っていても、ヒアリングしにくいので深堀りできない。
海外の起業家で「母親が更年期障害だったので、更年期障害のサービスで起業した」というのは聞いたことがある。しかし、日本ではあまり聞かない。たぶん、母親が子供たちに言わないので、子供たちも気づかないと推測。
さらに20代~30代が、40代後半以降の女性たちにヒアリングして、課題を深堀りするのは、非常に勇気がいること。起業にせよ、新規事業にせよ、仮説→ヒアリングでぶつける→仮説→ヒアリングを繰り返す中で、課題を深堀りし、シャープにしていくハードル高いのが、一番の大きな理由と感じる。
【理由②】「更年期障害」という言葉が重い
<アラフォー娘(Megumi)と、母のLINE>
・Megumi:ちょっと聞きたいんだけど、お母さんて更年期障害になった経験ある?
・母:え?更年期障害になったの?なんかあったのかい?
(久々に連絡してきて更年期障害って、お母さん心配だよ)
・Megumi:違う違う。更年期障害について調べてて
・母:ビックリさせないでよー。・・・(以下続く)
上記は、更年期障害についてヒアリングしたいと、母親に連絡したときのやりとりだが、母親の驚きぶりに、私がビックリした。
母親は更年期障害の経験がないため、友人たちから聞いた「更年期障害」の知識がほとんどである。
同性の親子であっても、「更年期障害」というのは、衝撃的な言葉なのかもしれない。
さらにオンライン会議の場面でも、「更年期障害」の言葉を発した瞬間に、静まり返り、言葉のタブーを感じた。
<オンライン会議での会話>
・Aさん:最近、Megumiは何についてリサーチしてるの?
・Megumi:更年期障害について、リサーチしてます。
・一同:(長い沈黙)
・Megumi:あ、えーと。女性のヘルスケアの観点で・・・。
更年期障害の事業を考えはじめた当初、いろんなコミュニティに「悩んだことがある方、ヒアリングさせてほしい」と呼びかけたが、誰からも連絡が来なかった。
その後、ある男性から「自分の妻も更年期障害だが、更年期障害は本人も自覚がない。更年期障害という言葉を使わずに呼びかけないとダメ」と教えていただいた。結局、別のアプローチ方法で呼びかけて、ヒアリングを実施した。
「更年期障害」のマイナスイメージが強いが、それ以外に表現する言葉もないこと。言ってはいけない、触れてはいけないので、ヒアリングもなかなかできずに課題を深堀りできないと推測。
【理由③】気づかないでほしい、言いたくない
ヒアリングをしている中で、「更年期=生理が終わる=女性として終わりを迎える」というイメージを抱いている方が多いと感じる。日本は特に年齢を重ねることにマイナスイメージがあることも関係するかもしれない。
<更年期世代の女性たちからのヒアリングによる考察>
・更年期障害の症状を知らないので、身体の変化に気づかない(ふり)
・更年期障害の兆候があっても、「更年期ではない」と信じたい。
自分の身体の変化に見て見ぬふり
・更年期障害の真っ最中は辛いので言いたくない。
しかし、同じ症状の方がいると話が盛り上がるので、情報はほしい
デリケートな問題なので、ヒアリングしにくいというのがある。
「更年期障害の課題を解決したい」という想いよりも、「触れてはいけない」想いが強く、なかなか解決策が生まれないのではないかと感じる。
【解決策】更年期障害に悩む女性の課題解決のために
「更年期障害の女性が、話しをしやすい環境」を整えること。「話してもいい」と思える環境をつくることが、更年期障害に悩む女性の課題解決のために重要だと考えている。
このあたりは、更年期障害の課題を解決するサービスを増やしていくために、今後も考えを深めていきたいので、興味のある方はぜひDMください。
(twitter→ @megumik22)
【参考】更年期障害の海外サービス
海外ではテクノロジーや医療を駆使した更年期障害のサービスが生まれているので、テック系の米国・欧州のサービスを紹介する。
個人的には少子高齢化が日本よりも深刻な国、例えばシンガポールなどは、非常に注目しているので今後もリサーチしていきたい。
①GRACE(英)
ホットフラッシュ対応ウェアラブル端末
②JOYLUX(米)
骨盤底筋を引き締め、失禁や性機能障害の改善
③Bone Health Technologies(米)
NASAのテクノロジーを使用。骨粗鬆症を予防
④KINDRA(米)
ホルモンを使わないローションやサプリメント
⑤Elitone(米)
自宅で失禁を治療するデバイス