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【文章の基本】二重否定の効果と注意点

文章を読んでいると、「二重否定」と呼ばれる表現に出くわすことがあります。

「二重否定」とは、否定を否定することで結果的に肯定するという表現方法です。

少しややこしく感じるかもしれませんが、この表現には独特のニュアンスを伝える力があります。

この記事では、二重否定の意味と効果をお伝えします。さらに、注意点として「伝わる文章」を書く観点で「二重表現を使うのはありかどうか」もお伝えします。


Part1. 二重否定とは?

先ほどもお伝えしたように、二重否定とは、否定を否定することで、結果的に肯定する表現方法です。

言い換えると「否定語を2回使うと、肯定の意味を持つ表現」とも言えます。

「マイナスとマイナスをかけるとプラス」になりますよね?二重否定に対してはそんなイメージを持っていただければと思います。

たとえばこんな感じ。

私でも、できないわけではない。

「できない」というマイナスと「わけではない」というマイナスがかけ合わさって「できる」になる、というわけです。

なお、この例文の場合は「私でも、できる。」という意味になります。

Part2. 二重否定の効果

二重否定が特に有効なのは、肯定しつつも、その肯定が100%ではない場合です。

というのも、この表現は絶妙なニュアンスを伝えるときに使えるからです。

次の例文をご覧ください。

私はセロリを食べられないわけではない。

この例文は、「私はセロリを食べられる」という意味を持ちながらも、「でも、好きではない」という微妙なニュアンスを含んでいます。

ただし、このニュアンスは読み手の解釈に依存するため、誤解を招く可能性もあります。

ニュアンスを確実に伝えたいなら、「私はセロリを食べられるけれど、好きではない」と明確に書くほうが良いです。

Part3. 「伝わる文章」で二重表現はあり?

Part2では、二重否定が持つ効果についてお話ししました。

ここでは「伝わる文章を書く」という観点から、二重表現の是非をお伝えします。

結論から言います。

「伝わる文章」を書く際には、二重表現を使わないほうが良いです。

理由は超シンプル。

誤解を招く可能性があるから

先ほどの例文をもう一度ご覧ください。

私でも、できないわけではない。

この例文をパッと見たとき、「できる?できない?どっち??」となりませんか?

少なくとも

私でも、できる。

この例文のほうが、「できる」ってわかりますよね?

このように、二重否定を使うと、読み手が「結局どういう意味なのか?」と迷ってしまうことが多いです。

シンプルに「私はできる」と言った方が、誤解もなく、伝わりやすいです。

また、二重否定を避けることで、文章はスッキリとします。そのため、「読みやすさ」という点において、読み手にストレスを与えることが少なくなります。

誤読や混乱を防ぎ、伝えたい内容を確実に届けることができるのも、二重表現を使っていない文章のほうです。

以上のことから、「伝わる文章」を書くうえでは、二重表現を避けたほうが良いです。

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

二重否定には、絶妙なニュアンスを表現できる利点があります。しかしながら、その一方で「読み手の誤解や混乱を招くリスク」があります。

以上のことから、二重否定は、その効果とリスクを十分に理解したうえで使うことをおすすめします。

なお、「伝わる文章を書く」という観点から考えると、二重表現を使うかわりに、明確な表現を使うほうが良いです。

というのも、「伝わる文章」において、「書き手の伝えたいことが、読み手に伝わる」は大前提だからです。

文章を作成する際は、読み手の立場に立って、もっとも伝わりやすい表現を選びましょう。

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