回避型愛着スタイルや回避依存症と間違われやすいこと【恋愛/復縁/恋人】
最近初めてお話しをお聞きするご相談者様から『私の相手は回避依存症だと思う』という趣旨の申し出(?)を受ける事が多いです。
以前から色々な場所でお伝えしていますが、まず何をもって「回避」と仰っているかが仰っているご本人もあまり分かっていない事が多い様で、お話しを進めて分析を行うと多くの場合最初の申し出通りではない事が多いです。
なので今日は
・回避型愛着スタイル
・回避性パーソナリティ障害
・回避依存症
それぞれの違いと、それに間違いやすいパターンについていくつかお話ししていきたいと思います。
何度も色々な場所で申し上げておりますが、そもそも私は医師ではないので何かを断言する事は出来ませんし、そもそも医師であっても判断するのが難しい内容を含みますので、あくまでも私の知識と様々な人とお話ししていった中で見えてきた事などを参考として書いています。
その点をご留意ください。
①回避型愛着スタイルと回避性パーソナリティ障害と回避依存症の違い1-概要-
まず、本気で詳細を説明しようとすると凄く複雑なので、端折って出来るだけシンプルに説明します。
まず、アメリカ精神医学会によって出版された精神障害の診断と統計マニュアル、通称DSMに掲載があるのは回避型愛着スタイルと回避性パーソナリティ障害のみです。ただこれも、そのままが載っているというわけではないので1つずつ概要を説明していきます。
⑴回避型愛着スタイル
まずそもそも「愛着ってなに?」と思った方は下記noteとその中にあるリンクを全てお読みになる事が必要です。
この中に記載がある『不安定型愛着スタイル』且つ、障害と呼べるレベルのものがDSMに掲載されています。
その基準の1つが幼少期の身体的ないしは精神的な虐待の有無です。
私が普段皆さんにお話ししている「愛着スタイル」というのはあくまでも愛着の種類、傾向の話しであって、実際に「愛着障害」と言われる程のレベルの方は医師ではない私の基準ではあるものの、私の相談にはほぼいらっしゃいません。
⑵回避性パーソナリティ障害
DSMに掲載されている「パーソナリティ障害」の10種のうちの1つです。
パーソナリティ障害は後天的に形成されるもので、主に対人関係に支障をきたすものであり、物事のとらえ方が独特である事や感情のアップダウンや衝動を抑えにくい事が特徴です。
⑶回避依存症
恋愛依存症を数種類に分けたうちの1種で、造語。
DSMに記載されている様なものではなく、恋愛って人によってこのパターンがあるよね、という基準で設けられたもの。
1975年に「Love and Addiction」という書籍が出版されてから出てきた言葉が「恋愛依存症」という言葉だと言われている様です。
人間全員が述べられている数種に必ず該当するわけではない点が要注意です。
以上がそれぞれの概要ですが、この3つは少しずつ重なり部分があり、それぞれの解釈が異なります。
◆対象の広さ
⑵回避性パーソナリティ障害>⑴回避型愛着スタイル>⑶回避依存症
◆内容の重さ
⑴回避型愛着スタイル=回避性パーソナリティ障害>回避依存症
②で違いの詳細について書いていきます。
②回避型愛着スタイルと回避性パーソナリティ障害と回避依存症の違い2-詳細-
3つの中で最も曖昧なのが「回避依存症」という言葉です。
そもそも恋愛依存症の数種という見解はいくつもあります。
良く出てくるのは「共依存」「回避依存」「セックス依存」などです。
それぞれ全てが恋愛という名の下に起こる事なのであれば、その言動を起こす対象となる相手は必ず恋愛相手である、その言動を起こすのは恋愛が関係するタイミングという事になります。
(そういえばロマンス依存症という言葉も拝見した事がありますが、ちょっと乱暴ですが詳細を拝見する限り共依存の方とほぼ同一人物と申し上げて過言ではないと感じました。)
今回は「回避」がテーマなのでそこに沿って書いていきましょう。
回避依存症の記事などを拝見すると、回避依存症の中にもいくつか種類がある様ですが、共通する点としては恋愛相手と一般的な心を通い合わせる恋愛、精神的な繋がりや絆を構築していく恋愛が出来ない、だと解釈しています。
回避型愛着スタイルの場合は、回避行動をとる対象は必ず愛着対象です。
愛着対象は恋愛相手とは限りませんので、そういう意味では回避依存症よりも範囲が広くなります。
回避型愛着スタイルは「どんな人間にも興味がなく合理的に接する」「どうせ自分は受け入れてもらえないと思うから回避する」の2種類が主に存在すると私は何度かnoteにも書いてきています。
愛着スタイルの傾向は必ずどなたにもある事を考えると、前者の「どんな人間にも興味がなく合理的に接する」という場合は「それって愛着を誰にも持てないのでは?」と思いやすいのですが、その度合いこそそれ程強くないとはいえ、回避型愛着スタイルの人も誰かを好きになる事自体はあるのです。
以上の事を考慮すると、回避依存症の特徴は実際に相手を好きでなくとも恋愛関係になりうる相手や恋愛に向かって進んでいる途中の相手に対して起こす可能性のある言動であり、回避型愛着スタイルとして考える場合、回避行動は少なくとも愛着を持った人に対する言動であると言えるので、そこが異なります。
回避性パーソナリティ障害はもっとその範囲が広いです。
対象は人だけではなく社会に対して、と考える事も出来ると解釈しています。
自分が恥をかく、批判される、無能だと思われる、拒絶される、という事を恐れるためそういった状況を回避します。
他者より劣っているという感情が強いため、人との接触自体を避ける、人との接触を伴う状況も避ける、という特徴があります。
なのでそもそも人と接する機会を自ら減らしているため恋愛関係になりにくく、恋愛市場にいる事も多くないですが、恋愛をしないわけでも出来ないわけでもありません。
こういった違いが少しずつあり、重なりもあり、分かりにくくなっていると個人的には推察しています。
③好きな人(愛着対象)への回避行動と間違われやすい言動
②までで回避依存症や回避型愛着スタイル、回避性パーソナリティ障害について簡単に違いをお話ししてきましたが、ここで今回の本題に戻ります。
②で簡単に書いた内容以外の理由で回避行動をとってしまう人というのは男女問わずいらっしゃいますが、ではどういう場合があるのか代表的な事を2つだけ書いて行こうと思います。
私は普段ご相談者様とお相手の個人分析をする際に、愛着スタイルだけではなく脳タイプを考慮します。
その脳タイプの中でも、左脳優位の人、左脳のクセがある人の場合、回避行動だと思われやすい言動をしやすくなります。
⑴合理的
左脳優位の人や左脳のクセがある人の場合、大変合理的である事が多いです。大変合理的なので、例えばLINEなどでも必要最低限の連絡しか取り合わない事が多いです。
この、全然連絡が取れない感じが回避行動と勘違いされやすいのは、あるあるです。
⑵共感が苦手
合理的である事の延長線上にある特徴ですが、相手に共感する事が苦手な事が多いです。そのため、例えば『〇〇で△△な事があるんだって、だから今度〇〇に行きたい!』と伝えたとしても、それが自分にとってあまりポジティブな事じゃなかったら、「そうなんだ」で終わってしまい、一緒にその場所に行くなどという事はしません。
自分にとって興味関心が高い場所には行くはずなので、これまで一緒に出掛けてたのにある場所に誘ったら来てくれなかった、という場合は回避行動と勘違いされやすいです。ですが、本当にただ興味が無かっただけ、という可能性もあるのです。
でもそれって好きだったらするんじゃない?と思った人はネット記事や恋愛インフルエンサーみたいな人に踊らされすぎです。
どんな人でも、ある程度の条件下では興味がない場所にも行きますが、一部の人はどんなに相手の事を好きでも興味がない場所には行きません。
その言動に対して『動機は何なのか』『これまでの言動はどうなのか』『誰に対しての言動なのか』を見極めないと真意を探るのは難しくなってきます。
②で書きましたが、そこに「愛着対象にしている言動なのか」なども関係してきますから、起きた出来事だけで判断する事は浅はかなのです。
「デートに誘って断られた」場合、
・回避依存症という前提の場合
→誰が、という事ではなく誰であってもある程度近い距離になったら離れていくのでデートも断られた。
・回避型愛着スタイルの場合で自分が愛着対象である確証がある前提の場合
→どうせ受け入れてもらえないという気持ちから、好意があったとしても回避行動を取るので断られた。
・回避性パーソナリティ障害が前提の場合
→回避依存症と同じく、誰が、という事ではなく誰であっても人とのコミュニケーション、接点をなくそうとするのでデートを断られた。もしくは、仮に恋愛関係になりそうであっても回避型愛着スタイルの場合と同様、回避行動を取る様になるためデートを断られた。
・その他(上記のいずれであっても、それ以外であっても)
→デートする気がそもそも無く、興味がないから断られた。
という事になります。
だけどこれをご自身で見極めるのって大変難しいと思います。
が、私が普段どこを重要視しているかをお伝えするとすれば、『理由なき回避行動か、理由が考えられるか』です。
デートを断られてしまった場合に、それまでの関係の中で相手が不快に思う点、恋愛対象から外してしまう可能性が高い点があったのか、それをその相手はどの程度重視するタイプなのか、それを考慮します。
どれだけ考えても、どれだけの情報を提供してもらっても理由が見当たらない場合は、回避行動を取っているか、環境要因かのいずれかの可能性が高くなります。(環境要因→事故や引っ越し、転職、多忙、別の人との恋愛、などなど)
逆に、理由は見当たらないけど恋愛感情が分かる言動が他にある場合も回避行動を疑います。でもそれは「誘ってくれた」「LINEくれた」ぐらいの簡単な言動だけで判断するようなものではないと思っています。
嫌いじゃなくてもただの友達でも誘ったりLINEしたりはしますからね。
そんなわけで、『回避』と言っても皆さんが思っている様な回避行動というのはそう簡単に起らない事が多いのです。
あれです、左脳優位でめちゃくちゃ合理的で共感とかしないタイプの不安型愛着スタイルの人、とか結構いますからね。あんまり表情や言動に出ない事が多いので気づきにくいと思いますけど。
④まとめ
今日は、“回避”についてnoteを書いていきました。
比較的時間の余裕がないと最近はnoteを書くことも出来なくなってきているのですが、今回は全然暇じゃないけど書きました(だって今日休み)
それぐらい、最近回避疑惑のお相手を持つ方のご相談が激増中…。
だけど、このnoteを読んで相談をやめて欲しいという事ではなく、ご自身のジャッジが甘い可能性が高いから、自分でジャッジして「回避だ!」と思い込んでその後の言動を選択してしまうと大きく誤った行動をしてしまう可能性が高いのでそれを阻止する(?)ために書きました。
実はここには書ききれなかった事もあって。
これを書き始めるときりがないのですが、例えば世の中には「アロマンティック」という方々がいらっしゃいます。
アロマンティックの人は他者に恋愛感情を持つ事が出来ないと言われています。
そのような方が誰かと近しい関係になって、もしかして恋愛出来るかも、という期待を持って仲良くしていったのに恋愛感情をいつまでたっても持てず、結局相手から去ってしまったという話しもお聞きした事があります。
数としては多くないと思いますが、そういう可能性すらあるので判断が大変難しいのです。
いつも書いていますが、そもそも私がやっている事もおかしいのです。
1000人いたら人は千差万別ですので、1人1人異なるのに「〇愛着スタイル」だ「左脳優位」だ「右脳優位」だ言ってるのは浅はかな事だと思っています。
しかし、出来る範囲の中では細分化していると思っていますし、道筋を作らないとご相談者様の悩みは増えるだけだと思っているので、結果を出すためにこの様なラベリングをしています。
最後ちょっと脱線しましたが、お相手の言動が回避行動なのか、それとも別の理由なのか、それを知ったうえで現状を良くしていくには何をすれば良いのか、本気の覚悟を持って進めて行きたい人は是非直接ご相談ください。
相談には受付条件がありますので、「商品詳細」「note」「プロフィール」「スケジュールとその条件」など、きちんとお読みになって理解した方だけご依頼ください。
※上記内容はnoteには無いのでココナラブログでご覧ください
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