癇癪を起こす子とそのママに話しかけてみた
初めまして!元保育士のめぐみです。
今日は私が以前経験したことを書いていこうと思います。
題名にもある通り、癇癪を起こしたお子さんとそのママのお話です。
全力で泣く子
これは去年の話です。
仕事終わりに近くのスーパーに買い物をしに行きました。
店内に入る前から「ぎゃーーーー!!!」と
どこからか子どもが泣く声が聞こえます。
職業柄、「これはうちの園の子か?いや、似ているけど違う声だな。」
と耳を澄ませながらどこでその子が泣いているのか探すと
レジを過ぎ買った荷物を袋に詰める台のある場所でした。
ママの足の間で、床の上で寝転がり全力で泣いて何かを伝えています。
ママは背中に小さい赤ちゃん、足の間にいる子の他にその子のお兄ちゃんもいました。
子ども三人を連れての買い物。
大変さは容易に想像できます。
助けない大人
あまりに大きな声で泣く子ども。
スーパーに買い物に来た人は何事か!?と思い
一度はその光景を見たはずです。
でも誰も声をかけません。
どういう気持ちで見ているのかわかりませんが、
皆目を向けるだけでした。
私も、その時は買い物もあったので、
「大変だな」と思うだけですぐに目当てのものを探し始めました。
予定のものをカゴに入れ、セルフレジに並ぶと、
まだ大きな泣き声が聞こえます。
最初に見かけた時から約10分。全身全霊で泣くその子も、
ずっと声をかけるママも、疲れた様子でした。
保育士をしている以上見過ごせない!
急いで会計を済ませていると、
スーパーに買い物に来ていた近所のおばあちゃんが
自分の会計を済ませたものの中からイチゴを取り出し、
「一生懸命泣いて〜!これ食べて機嫌直しな!」
とプレゼント。
ママは少し笑顔を見せ「ありがとうございます」と。
その子は変わらず泣いていました。
私が見た限り、声をかけたのはこのおばあちゃんだけ。
大変な状況と見てわかるのに、助けようとする大人がこんなにも少ないのかと少し悲しい気持ちになりました。
何ができるかわからないけど
私が袋詰めをしているタイミングでその家族は店外へ。
気持ち急ぎ気味で買ったものを袋に詰めて、私も店外へ出ました。
するとやはりまだ泣いているその子。
自転車で来たようで、なかなか乗らないその子にママも困った様子でした。
「私が声をかけて何ができるだろうか」
「人見知りだったら余計泣かせてしまうかも」
「ママも放っておいてほしいかな」
一瞬色々なことを考えましたが、
とりあえず声をかけてみよう!そう思い、
「こんにちは!大変ですね、何かお手伝いできることありますか?」
と声をかけました。
ママはすこし驚いた表情でしたが、
こんなに泣く姿を初めて見たこと、
初めてで自分もどうしたらいいか困っていたことを話してくれました。
話を聞きながら泣いている子にも
「いっぱい泣いて疲れたね」
「何かしたいことあったの?」
「おばあちゃんがイチゴくれたね」
と気持ちが落ち着くように意識して、穏やかに話しかけました。
保育士の経験もフルに活かします。
どうやれば気持ちが落ち着くのか、切り替わるのか、
手遊び?歌?とんとん?眠いかな?
色々な可能性を一気に頭で想像し、片っ端からやってみました。
急に色々話しかけても怖いかも。と思い、
ママと雑談したり、どこにも行かないで待っているお利口なお兄ちゃんに声をかけたり、おんぶされている赤ちゃんに声をかけたりし、
落ち着くのを待ちました。
おそらく20分〜30分ほどそうしていたと思います。
泣きながらも歌に興味を示す様子があり、
もしかしたら…と思いママに聞きました。
「映像は見せないので、YouTubeで音楽を流してもいいですか?」
ママにも了承を得て、アンパンマンの童謡メドレーを流してみました。
ママも一緒に優しい声で歌ってくれて、
その子も知っている歌だったのか少しずつ耳を傾けてくれました。
そうしている間に徐々に落ち着き、呼吸も整いました。
ママが優しく抱きしめてくれていたのもあり、安心したのか、
少し眠そうな様子のその子。
無事自転車に乗せることができました。
ママは「音楽を聞いてこんなに落ち着くとは思わなかった」とのこと。
時間はかかってしまいましたが、涙目でお礼を言ってくれるママの姿を見て、やってよかったと心から思いました。
子どもをどうにかできなくてもいい。親に寄り添おう。
その日は病院受診があり、
泣いていた子はいつもの時間にお昼寝ができなかったそう。
眠さとイライラとで癇癪を起こしたのかもしれません。
保育士をしていても、子どもを泣き止ませることは簡単にいかないこともあります。
今回は音楽が聞こえて落ち着く様子が見られましたが、
別の日、別の子では全く効果がないこともあります。
泣いた理由によってもその対応は様々です。
毎回試行錯誤です。大変です。骨が折れます。
どこかで泣いている子、癇癪を起こして床に寝そべっている子、
そんな子を見て、困っている親を見ても
「自分が行ってもどうにもならない」
「何もできることはない」
「子どもは苦手」
と見るだけでいる人。
あなたの視線が一番辛い。
気持ちは寄り添って同情し憐れんでいたとしても、
その目線の解釈は「迷惑」と思ってしまう。
だからこそ、寄り添う気持ちは言葉にしよう。
齟齬がないよう言葉にしよう。
なんてことない、ちょっとした会話でいいんです。
「ママ大変ですね」
「泣くのが子どもだから、周りは気にしないでね」
「子どもって全力で泣くよね!うちの子もそうだった!」
そんな雑談で「迷惑じゃないよ」って伝えてほしい。
ちなみに、「迷惑だな」と思ったら、
親じゃなくて子どもに話しかけるといい(経験談)
子どもは泣いている時、
親の注目を集めたくてその手段を取ることがありますが、
その意図とは反して親以外の知らない大人からの注目があるとぴた!っと泣き止むこともあるんです〜
「泣いてるの〜どうしたの?」と。
それだけで「あ。なんかはずかし!!」と
親に抱っこを求める子もいます。全員ではないです。
終わりに
以上、私の経験談でした!
あのママの涙目、いまだに忘れられません。
大変だったんだろうな…
今の時代、制度的にも世論的にも
子育てしにくさが否めない!!
「賛」か「否」ではなく、
どうすればみんなが生きやすいかを話し合えればいいのに。
今回でいえば「困っている親子に話しかける」。
その人の考えで賛否両論あると思います。
話しかけてほしくない人もいるかもしれません。
でも私は「話しかけてほしくない人」に合わせる必要もないと思っています。
人それぞれなら、話しかけてみないとわからない。
いろんな人がいるから、
私はこれからも行動していこうと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました!!
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