見出し画像

おとなの恋

 恋をした。毎日が楽しかった。薔薇色の世界とは良く言ったものだ。

 それなのにいきなりストップした。このまましおれたまま人生が終わるのか… 私が芸術家だから気持ちにこんなにムラができるのか。それとも恋する乙女はみんなこんな感じなのか。久しぶりにウキウキしたのに。ドキドキするまではいかなかったけど、心が軽やかになって自分が綺麗になるのを見るのも嬉しかった。姿勢を良くしてからもそうだけど、このなんとも言えないホルモンのせいか?キラキラしてきた自分にもうっとりした。何を着ようか、何を話そうか、体の隅々まで綺麗に磨く。それなのに終わってしまった。
 
悲しい。
 
人は幸せな時はメロディーが耳に入る、そして悲しい時は歌詞が聞こえる。

「軽く楽しめば良いのに、ついつい重く取ってしまう。答えが直ぐに欲しいと思ってしまう。」ここが如何やら問題なんだと言うのも分かってる。人から恋の相談をされる時はいつもそうアドバイスするのに、自分の事になると不器用になる。こんな時の為に友人にあげたアドバイスをメモっておけば良かった。まさか、自分がこの立場になるなんて。

そこで学んだ事。

ひたすら感謝をする、そのままを受け入れる、素直になる、あとは流れにまかせる。
 
これに限る。そして少しだけの運があればきっと良い方向に向かうだろう。

 返事は来た。

 さぁこれからどうしよう。早速返信するのか、少し待つのか。落ち着け、深呼吸を百回してからお返事しよう。

 とにかく大人になってからの恋だもの、それなりの演出もして素敵なストーリーにしようではないか。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集