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無駄なプライド

 母はとてもプライドの高い人だった。こういう人は周りに迷惑をかけることが多い。自分のプライドのせいで自分しか見えないし、おまけに自分の考えをみんなに押し付けるから、合わせるのも大変で全く困る。そして不思議な事に何故かこういう人が私の周りに虫がわくように出てくる。

 中学時代からそんな子が現れ始めた。その子は私にもプライドの高い、ではなく、お高くとまった人になるのが良いと押し迫ってきた。私はまだナイーブ(うぶという意味で) だったから、それもカッコいいかもしれないと、ぎこちない形で真似してみた。でも私にとっては窮屈だった。
 高校の時も、ウィーンに移ってからも決まってそんな女性達が寄ってきた。ずっと何故だろうと自分に問いていた。私はそんなにして頑張っている彼女達のことがあまり理解出来ないし…… でも繰り返してやってくるには訳がありそうだし…。

 私は今までそんな女性達に私の愛の力で変えてあげようとしていた。

 愛の結晶が、人や物の関係の全てを変えると信じるから。

 なのに、このプライドさん達は頑固でいつまでもsurrenderできないでいる。
 窮屈なシステム( 自分が作っている、もしくはこの世の中が作っているシステム) の中で生きているから、とても苦しそう。脱出すれば良いのに、プライドが許さない。エゴが邪魔をする。

 母も含め、そういった女性達が私の愛の感覚に興味を持ち、近寄ってくる。出入り口は見えているのに、どうやって跨いだら良いのか分からないのだろう。でも私はただ見守るだけにした。

 愛を感じる方に動き、相手が喜ぶようにする。一旦自分を置いて、周りを見回せるようになれば、いろいろ見えてくると思う。それが自分への愛だから。

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