かなしみが声を殺して わたしを待ち構えている
あ。というのは、東京事変の曲「絶体絶命」の歌詞なのですけれど。
いや、わたし、椎名林檎さんとか、東京事変の曲を、いちばん熱心にきいていたのがおそらく10年くらい前とかになるので、ひさしぶりにちゃんと腰を据えて曲をきいて、「ああ~、なんか、すっごい、整うなあ...」と思いました。精神が整うな、と。
単純に「一番熱心に聞いていたころを懐かしむ気持ち」というのもあるけれど、それだけじゃないな。なんだろうこれ。
あらためて今しみじみと歌詞と曲をみつめてみると、明るい曲調に対して、悲しさややるせなさや喪失感などが迫りくる歌詞の対比が素晴らしいなあと。
生活とマイナスの感情を両立させなくてはならない、大人ならではのつらさ、というのでしょうかね。「絶体絶命」なんて特にそうだなって。
このような詞が、ひたすら明るい曲に乗っけられてしかも繰り返されるという。その絶望感のつよさたるや。すごいなあ。
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心理学用語で、中年期特有の心理的危機、また中高年が陥る鬱病や不安障害のことを「中年の危機」ってよぶらしいけれど。
なんか「中年」って言葉をつかっちゃうと、ちょっと違和感ある人もいるのかもしれないけど
ってwikipediaにもかいてあるし、まあそれでいうと、青年期を過ぎてからのこころの不安、みたいなものは、全部この「中年の危機」に集約されるってことでいいんじゃないのかなー?って(いや、心理学的にはどうなのか、とか詳しいことは知らないですが。とりあえずわたしの中ではそうなってます。笑)。
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いまのわたしが椎名林檎さんとか、東京事変の曲をきいてすごくしっくりくるというか、「整う」のは、そういう大人特有の不安を、「いいよ~不安定でも全然いいよー!それがふつうでしょ?大人ってそういうもんでしょ?」ってナチュラルに肯定して貰ってるような安心感が得られる、からなのかなあ。なんて。
乗り切っていきたいなあ。乗り切っていきましょうね。おたがいね。