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旅立ち

ほぼ半年、更新できていなかった。

息子は、4月から中学生になる。
嫌だと言いながら制服合わせにも行ってきた。

まだまだできないことはある。
2ヶ月前は、まだ葛藤があって死にたいとも言っていた。
でも、年明けから別室登校で2週間毎日登校中。

「学校に行きなさい」とも「勉強しなさい」とも言っていない。

4ヶ月前から始めた食器洗いのお手伝いは、毎日続けてくれている。
本人の葛藤を受け止めた上で、人生を決めるの自分だよ、将来どうなりたいか、どういう自分でいたいかを考えたらええんよ、という話は何度かした。

「勉強がみんなに追いついて、みんなと授業が受けられるようになりたい」
というのが彼の答え。なら頑張らないとね。
でも親が「勉強しなさいよ」では子どもはやらない。
最初は、自宅で算数を少しずつやり始めた。
5年生はすっぽり抜けていたが、内容を見てみると6年生の算数は5年生の応用。
なら早く追いつくために6年生から始めようと、教えながら一緒にやった。

精神医学の分野で世界で初めて、脳のスキャンデータを診療に使ったDrダニエル・エイメンさんは言っている。
「子育てには境界が必要。許容ばかりの親の子供は、精神的に不安定になる」
脳の健康が精神的、心理的健康につながるという。
彼がスキャンした脳の画像では、アルコール依存や精神不安定の脳はボコボコに穴が空いている。
睡眠と食事は一番大事で、その次が運動、笑い、大切な人と何もない時間だそう。
親子の絆を深めるには、1日20分、何もせずただ一緒にいる時間を作るのが良いのだという。

1年ほど前から、夜にはボードゲームをしたり会話を楽しむ時間を作った。それも効果があったのかもしれない。

それでも不安定な日々は続いた。
ある日、必要なのは見守りではなく、覚悟なのではないか。
私はそう思った。
父親が近くにいれば権威として子どもの行動の抑制になるのだろう。
私は甘かったのか。あるいは子供が傷つくことを恐れていうべきことを言えていなかったのだろうか。

一度、息子が「死にたい」と言ったときに、私は悲しくていたたまれず近くの海へ行った。
そこから息子に電話をかけて、「もう一度死にたいと言ってみな。ママは海に飛び込むよ。それぐらい大事に思ってるから」
息子は焦って死なないで、お願いだから帰ってきてと言ってくれた。

これはかなり強硬な手段でおすすめは絶対にしないけれど、少なくとも私の覚悟は息子の心に届いたのではないだろうか。

不安障害があっても精神科も療育も通わなかった息子。
治しても治しても昼夜逆転する生活。
それが自ら生活リズムを立て直そうとする姿勢が見え始めた。
睡眠は自律神経のバランスに重要だと何度も伝え、理解したようで、今では精神的にもすごく安定している。
まだ人への不安はあるけれど、前向きに変化しているのがすごくわかる。

もちろん、学校へ行っていることにぬか喜びはしない。
「居場所」という意味では、学校が柔軟な対応をしてくれて色々な先生と関われるようにしてくれている。
午後の数時間だけでも、ただ外へ出て、人と話して、楽しい時間を過ごせる。
フリースクールに行かなくても、学校で個別指導で勉強を教えていただいている。
こんなにありがたいことはない。
勉強も少しずつ時間が増えてきて、自信にもつながっているようだ。

中学生になったら・・という話題にも、不安はありつつも向き合えている。

もう何も望まない。ただ、今の環境に感謝して、日々1つ1つできることをしていくだけ。それでいいのだ。

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