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義理人情と長寿、どちらを選ぶ?
先日、アンチエイジングの講座で興味深い話を聞きました。
ある権威ある医学博士が、長生きするための秘訣として「風邪をひくな」「転ぶな」「義理を欠く」という3つのことを挙げたのです。
「風邪をひくな」「転ぶな」という点は、健康に気をつけ、怪我をしないようにするという意味で理解できます。しかし、「義理を欠く」という言葉に、私は強い違和感を感じました。
確かに、健康で長生きすることは素晴らしいことです。しかし、そのためには人間関係を犠牲にし、義理人情をないがしろにしても良いのでしょうか。私は、たとえ短命であっても、義理人情を大切にし、清く正しく生きることが、より重要だと考えます。
「武士は食わねど高楊枝」という言葉があるように、日本には昔から、貧しくても誇りを失わないという精神が根付いています。私は、この精神こそが、私たち日本人の大切な財産だと考えています。
現代社会は、個人主義が強まり、自分さえよければ良いという考え方が蔓延しているように感じます。しかし、人間は社会的な動物であり、互いに助け合い、支え合うことで生きています。義理人情を大切にすることは、単に道徳的な問題だけでなく、心の健康にもつながるはずです。
もちろん、義理人情を大切にすることは、必ずしも楽なことではありません。時には、自分の利益を犠牲にしなければならないこともあるでしょう。しかし、その結果として得られる心の平穏や、人間関係の深さは、何ものにも代えがたいものです。
私は、この医学博士の言葉に反して、義理人情を大切にし、感謝の気持ちを忘れずに生きていきたいと考えています。たとえそれが、長寿には繋がらないとしても。
長寿と道徳、どちらが大切かという問いは、古今東西、多くの人々を悩ませてきたテーマです。私は、健康な体はもちろん大切ですが、それ以上に、人間として大切なものを失わずに生きていきたいと考えています。長生きより、義理人情を大切にし、感謝の気持ちを忘れずに、自分らしく生きていくことが、私にとっての幸せだと信じています。