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奥野克巳氏の講演「ひっくり返す人類学」を聞いて
奥野克巳『ひっくり返す人類学』刊行記念イベント@カストリ書房
2024年9月7日(土) 18:30 By 『ひっくり返す人類学』刊行記念イベント
【出演】著者:奥野 克巳 (人類学者)、司会:加藤 志異 (妖怪絵本作家)
奥野克巳氏の講演会「ひっくり返す人類学」に参加し、ペナン族の文化に触れる貴重な機会を得た。人類学者の視点から語られるペナン族の生活は、私たちの常識を大きく揺るがすものであった。
特に印象に残ったのは、ペナン族の「共有」と「感謝」の文化である。
彼らは、私有の概念を持たず、すべてのものをコミュニティで共有する。また、自然に対して深い敬意を持ち、感謝の気持ちを言葉ではなく、行動で示す。これは、現代社会において失われつつある大切な価値観だと感じた。
講演の中で、ペナン族の社会には「ありがとう」や「ごめんなさい」という言葉がないという話があった。しかし、彼らは言葉に頼らずとも、目を見て、表情で、そして行動で感謝の気持ちを伝えている。この事実から、私たちは言葉に頼りすぎることなく、心の通い合いを大切にすることの重要性を学ぶことができる。
また、ペナン族の社会には、貧富の差がなく、全員が平等に暮らしているという点も興味深かった。彼らは、お金を持つことを良しとせず、皆で分かち合い、持続可能な生活を送っている。現代社会が抱える様々な問題、例えば貧富の格差や環境問題などは、このような彼らの生き方から学ぶべき点が多いのではないだろうか。
しかし、講演の後半では、ペナン族の社会が外部からの影響を受け、変化しつつあるという現実も突きつけられた。電気やWi-Fiの導入により、彼らの生活は大きく変わり、資本主義の波に飲み込まれつつある。この現状を目の当たりにし、私は強い危機感を覚えた。
せっかくのシェアリングエコノミー社会が、このまま資本主義に飲み込まれてしまうのだろうか。私は、お金が無くても暮らしていける社会が理想だと心から思う。
今回の講演会で得た学びを活かし、一人ひとりが自分の生活を見つめ直し、より良い社会を築くために何ができるのか、深く考える必要があると感じた。
【講演会で得られた学び】
共有の大切さ: 物質だけでなく、知識や経験も共有することの重要性
感謝の心: 自然や人への感謝の気持ちを忘れずに生きる
シンプルな生き方: 物質的な豊かさよりも、心の豊かさを大切にする
多様性: 異なる文化を尊重し、お互いを認め合う
持続可能性: 未来の世代のために、環境に配慮した生活を送る
この講演会は、私にとって大きな転機となった。今後は、ペナン族の文化を参考に、より持続可能で、そして心の豊かな社会の実現に向けて貢献していきたい。