バッハやモーツアルトは、フリーメーソンであり、バラ十字神秘思想にも深く関わっていた。一方、ベートーヴェンはフリーメーソンの記録はないが、バラ十字神秘思想やフリーメーソンの影響が見受けられる。
ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱」の終楽章に歌われる「歓喜の歌」は、詩人シーラによって書かれた「歓喜の歌」が原曲である。この詩は、バラ十字神秘思想の影響を強く受けているといわれている。
詩の冒頭では、喜びが「あなた(創造主)のバラの足跡についていく」と歌われている。これは、バラ十字神秘思想の中心概念である「キリストの薔薇」を表していると考えられる。キリストの薔薇とは、キリストの愛と慈悲を表すシンボルで、人間の心の中にある神の光を象徴するものである。
また、詩の中盤では、「歓喜よ、神々の麗しき霊感よ」と歌われている。これは、バラ十字神秘思想において重要な役割を果たす「霊感」を表していると考えられる。霊感とは、神から与えられた啓示や知恵のことであり、人間をより高次の存在へと導くものである。
そして、詩の最後には、「すべての民は兄弟となる」と歌われている。これは、バラ十字神秘思想の理想である「世界兄弟愛」を表していると考えられる。世界兄弟愛とは、人種や国籍、宗教などの違いを超えて、すべての人々が兄弟姉妹として生きていくことを意味する。
以上のことから、ベートーヴェンの「歓喜の歌」は、バラ十字神秘思想の影響を強く受けた作品であると言える。この詩は、人間の心の中にある神の光を信じ、すべての人々が兄弟姉妹として生きていくという理想を歌っている。
結論
ベートーヴェンの「歓喜の歌」は、バラ十字神秘思想の中心概念である「キリストの薔薇」や「霊感」、「世界兄弟愛」を表現した作品である。この詩は、人間の心の中にある神の光を信じ、すべての人々が兄弟姉妹として生きていくという理想を歌い、現代においても多くの人々を感動させ続けている。
Beethoven Symphony No. 9 - Mvt. 4 - Barenboim/West-Eastern Divan Orchestra