<one by one>課題解決に向かって! 振替業務自動化ツールの作成
こんにちは!
私はとある流通業で衣料品を扱っており、その企業の仕入部門と販売部門である店舗をつなぐ部署に在籍しています。
この夏から業務の改善を目指して「デジタル」を学び始めて早くも約3カ月が過ぎました。気が付けば季節はもう秋ですね。
1.「デジタル」の学びで組織の課題と向き合う
①デジタルを学ぶきっかけ
そもそも私がデジタルを学ぼうと思ったきっかけは、自部署では、ITやAIを活用したいと思っているは人は少なく、そういう私自身も【的確な情報】をとりだして伝えるというスキルを持ち合わせず、コツコツ努力するだけ。それを何とかしたいとの思いからでした。
②新組織の課題は「振替業務」
9月某日 私の部署に衝撃が走りました。組織の機構改革です。
今までの【働き方】から【真逆の働き方】を求められることになりました。
この機構改革を受けて、メンバーにヒアリングし「新組織」の課題を考えました。その結果、最も大きな課題として直面したのは「振替業務」の効率化でした。
↓ 自部署の「デジタルの課題」へのヒアリングとそのアプローチ
2.「振替業務自動化ツール」を作成する!
①振替とは?
「振替」とは、商品を不振店舗から好調店舗に移動することでチャンスロスを無くし、店舗間格差を是正して売上と荒利益を最大化することです。特に衣料品は季節の変わり目の振替が重要で、そのタイミングが荒利益を左右します。
元々振替起案には①煩雑な商品データの処理 ②経験則に依存した属人化という2つの課題があります。これらが原因で振替業務には自部署で年間約960時間を費やしています。私自身、処理できる範囲が限られ店舗間格差を解消できず非常に悔しく思っていました。
さらに今回の機構改革よって衣料品全体を一元管理することになり、担当範囲が広くなり経験則が通用しないという課題に直面しました。メンバーからのヒアリングでもこれまでの専門外の商品の『振替起案をどうするか』の声を聞きました。
②課題解決策は【振替自動起案ツール】
その解決策として、誰でも使える『振替自動起案ツール』を作ることにしました。振替対象を簡単に一元比較し、自動で起案できるシステムがあれば、担当者が誰であれスムーズに運用できます。
3.試行錯誤とフィードバック
①最初の試作
来年1月の秋冬物振替に向けてツールの完成を目指し作成を開始しました。
まずは、振替対象を一元比較できるようにし、次に対象店舗・数量の起案を自動化します。今回の使用ツールは部署のメンバーが使い慣れている「Excel」を活用します。
最初に衣料品の5つのグループの店舗実績比較の試作品をつくりました。データが29MBと重いためエクセル関数が動かずグループは別々のファイルです。
部長が試されましたが「集計方法がわからない。使う人のためにもっと分かりやすくしないといけない」とのご指摘です。
部署の「チームサイト」にも投稿しましたが使用は「ゼロ」<泣>でした。
②パワークエリとパワーピポットでの改善
そこでエクセルの「パワークエリ」と「パワービポット」を使用して1週間分の実績データベースと衣料品合計の実績比較表を作成。これにより、シート1枚で店舗比較が可能になりデータ加工時間も不要です。データ更新も自動化しました。
次に自動振替起案シートの作成です。「商品を売り切るまでにどれくらいかかるか」を指標とし、振出店舗と受入店舗を仕分け、最適な振替数量をVBAマクロで自動計算します。VBAは「ChatGPT」に聞いて作成しましたが、非常に悩みつつ試行錯誤の結果、最もシンプルな計算方法を採用しました。
③メンバーのフィードバックと試用
出来たシートのフィードバックを部署のメンバーに聞きました。
衣料品のグループ別実績を一元化したことはおおむね好評でしたが、デジタルに詳しいIさんからは集計方法の見直しと1週間ではデータ精度が低いとのご指摘です。
メンバーからのフィードバックを踏まえ最終的にできたツールを実際に使用してみました。
店舗の 実績を比較して在庫効率を均一化するための振替起案の「計算ボタン」を押すと振出・受入店舗と最適な数量が自動で出力されます。
この起案をもとに商品を移動すれば在庫効率の店舗間格差が是正されます。
完成版を部署のメンバーに実際に試してもらった結果、『簡単な振替起案には使える』とのこと。また店頭ですぐ使えるので『振替起案のハードルが下がった』との声を頂きました。
4.<one by one>課題解決に向かって!
①ツール導入の結果
このツールの導入で、起案にかかる時間は25%短縮しましたが、それより大きな結果は、誰でもが簡単に振替起案が出来るということで業務の属人化の解消への第一歩となりました。
来週このツールを部署の昼礼で全員に共有してフィードバックをもらう予定です。今後は同僚のIさんが作成した単品別の振替ツールと組み合わせることで、実務に対応可能なレベルまでブラッシュアップしたいと考えています。
②<one by one>一歩ずつ進む!
今回の振替自動化への取り組みは、起案の精度も低くまだまだ始まったばかりです。しかし、これまでの「デジタル」の学びで得た、チーム全体を巻きこんでフィードバックをもらう大切さ活かし、「Excel」だけでなく他のデジタルツールや生成AIも使用して、さらに精度を高めていきたいと考えます。
そして部署全体でチームとして、他の業務にもデジタルの改善を波及していきたいと思います。
めざす実際の実務への対応は、まだまだ高い山がありゴールは遥か向こうの頂きです。<one by one>一歩ずつ小さなことから進み「デジタル」の学びを継続して、いつかは高い山の山頂に立てるよう頑張って精進します!!!
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回のツール制作に関わって頂いた全ての皆さまに感謝申し上げます。