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⑦ フランス国家資格

フランスで舞台衣装家をしています、megumi です。

舞台衣装家をどのように志し、渡仏し、どんな舞台を手掛けて来たか。

思い出しつつゆっくりと綴っています。

前回までのあらすじ

フランスの国家試験を受ける為に必要だった研修に、リヨンのオペラ座で製作されたオペラ 3人姉妹を選んでデザイナーの山口小夜子さんと出会い、貴重な体験をさせて頂きました。

受験準備


さて、そんな訳でリヨンオペラ座の衣装を引っ提げて、国家資格試験に乗り込みました。

それまで、2年間でやって来た制作品のほぼ全てを並べて、UV20の発表をします。

私が通っていたのは今はない衣装学校。
正直なところレベルはイマイチだったので、さっさと見切りをつけて2年生になると他の国立劇場にもあちこち研修に入らせてもらっていました。

企業研修に入るには所属の学校が出してくれる書類が必要で、もうその為と資格試験の受験表を手にする為だけに学費を払っていた感じ。笑

試験前数ヶ月は、研修先で知り合った受験経験者達から話を聞きまくって準備。

卒論の書き方とか発表の仕方とか、学校は教えてくれなかったのでいかに個性をアピールするかに重点を置く事に。

私の場合は、2年間授業で作って来た作品を見直し、良くない所は作り直したり。

オペラ座で古典の衣装を見てきたお陰で、"学生の作品"と"舞台で使う衣装"が別物(わかりやすく言うと、高校野球とプロ野球くらい違う)だと分かっていたのも強みとなりました。

試験前2ヶ月は、更に睡眠時間は減って行って、一日せいぜい2時間くらいしか寝られてなかったかな…

とうとう試験当日

審査員は、文部省から選ばれて来た、パリオペラの主任や色んな学校の先生達。

仕上がった衣装を展示して、作品、デザイン画、パターン(型紙)、制作過程のアナリゼをします。

ここでもアナリゼ!!

でも、今回は2年間の集大成。
何ヶ月もかけて準備して、スピーチも何度となく練習して、レポートに至っては今見ても完璧な仕上がり。

審査員の方々にも褒められ、合格を確信出来たのでした。

そして国家資格取得

合否はひと月後位に手紙で知らされ、その後ディプロムが届きました。
勿論、ディプロムは何十年経った今でも、私のアトリエに飾られています。

実はこのディプロム、10年ごとの滞在許可証更新時にも毎回"フランス語レベルの証明"として大いに役立っておりますw

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