バイバイの意味
5歳の息子と話をしていると、こんなことを聞かれた。
「友達とはバイバイって言うのに、先生にはさようならって言うのはなんで?」
相手が5歳児なので、なんと説明して良いか少し考えたが、ひとまずここは
「バイバイは仲良し同士でしか使えなくて、さようならは大人にでも子供にでも、誰にでも使えるんだよ。」
とだけ言っておいた。
もっと深い意味は、彼自身が大人になるにつれ理解してゆくだろう。
この問いで、僕はあることに気がつく。
「そういえば、バイバイって意味わからんな」と。
もちろん英語であることは知っているし、それが「さようなら」という意味であることもわかる。
しかし、その原義というか、英語圏での意味を知らないのだ。
日本語の「さようなら」は「左様ならば、これにて」の略である。それそのものが別れを意味していない。「それじゃ」という、感嘆句のようなものだ。
「バイバイ」は、英語の「good bye」をもっとくだけた形に、言ってしまえば子供っぽく言ったものだ。
「bye」を調べると、やはり「さよなら」としか出てこない。
じゃあ「good」ってなんやねん。「良いさよなら〜」というのは違和感しかない。
そこで語源を調べると、かなり有名なネタらしい。知らなかった。
「Good byeは、God be with you(あなたが神と共にあらんことを)」という祝福の意味の言葉で、それが徐々に略されて現在の形になった。」
マジかよ。まずGoodがGodだったのか。全然違うじゃないか。
そしてbe with youが byeになる...略されてすぎだが、頻繁に使う言葉だから確かに短い方が良いので、然るべき略され方なのだろう。
と言うことは「バイバイ」というのは、Godを除いた「be with you」という意味を持つ。
これはなんとも素敵である。
「あなたとは今ここでさよならするけど、ずっと私はあなたと共にある」というメッセージだったのだ。主語が曖昧だがまあそう解釈して良いだろう。
今後、友人や家族に「バイバイ」と言う時は
「私はあなたと共にいるよ」という思いを込めてほしい。
どうだろう。
気軽だと思っていた「バイバイ」が急に重くなり、むしろ「さようなら」の方が気軽に感じられるかもしれない。いっそ、尊敬する人や上司にこそ「バイバイ」を用いるべきである。怒られても責任は取れないけど。
と言うわけで、今回はここまで。
バイバイ(私はあなたと共に)
おわり
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