基本給が29年ぶりの増加率!だけど……〜金利のある世界②〜
私のnoteを読んでくださっている、みなさん。
金利のある世界へ片足を突っ込んでいるみなさん。
突然ですが、
あなたの給料、上がっていますか?
もう少し細かく申し上げると、
あなたの基本給は、上がっていますか?
良い機会ですので、ここで一度、
あなたの基本給を確認してみてください。
確認しましたか?
ではここで、平均どのぐらい上がっているのでしょうか。
見てみましょう。
◆基本給、どのぐらい上がった?
Q.今年4月の基本給、去年4月に比べて何%上がりましたか?
A.
/
2.3%上昇
\
しました。
ソースはこちら。
情報を整理してみましょう。
これ、
伸び率が1994年10月以来の高水準ということは…
なんと
/
29年6ヶ月ぶり!!
\
20歳~60歳、約40年働くのが平均だとしたら、
「29年6ヶ月ぶり」の基本給の伸びって、
60%以上の人たちにとっては、
「こんなに基本給が上がったの初めて♡」
っていう環境だってことです。
実際に、給与UPを実感している方々も多いのではないでしょうか。
2024年の春季労使交渉は、賃上げ率が5%台、2023年よりさらに高い水準を記録しました。
4月の基本給は、早期に妥結した企業の賃上げのみが反映されていると思われるので、夏以降には本格的に「基本給あげ」が寄与されることでしょう。
こんなに基本給あげて大丈夫なの?
企業は大丈夫なの?
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
今のところ、その心配は杞憂といえるでしょう。
というのも、企業の業績も好調で、賃上げ余力は大きいと言われています。
日経新聞によりますと、全産業(金融・保険業を除く)の経常利益は27兆4279億円。
この数字、前年同期比なんと+15.1%なのです!!
いや、経常利益が15%も増えるなんて、すごすぎでしょう。
この数字も、5四半期連続のプラスで、1~3月期としては過去最高額でした。
ちなみに。
あなたの給与は、基本給だけではないですよね。
基本給に、色んな手当がついていますよね。
それらを合計した数字、いくらだったでしょうか。
平均では、
基本給に各種手当などを加えた現金給与総額(名目賃金)は、29万6884円でした。
伸び率は、3月と比べて1.1ポイント拡大しています。
せっかくなので、内訳も見てみましょう。
◆現金給与総額(名目賃金)の詳細
ー合計 29万6884円
ー正社員ら一般労働者 37万8039円(+2%)
ーパートタイム労働者 10万8358円(+2%)
◆業種別で、現金給与総額の伸び率
・建設業 +5.7%
・金融/保険業 +5.3%
・製造業 +2.6%
金融/保険業の伸び率が高いのは納得がいく数字です。
金利のある世界に突入したことにより、
銀行にとっては、完全なるゲームチェンジが行われましたから。
最後に、気になるポイントもう1点を解説します。
「給与上がったけど、労働時間はどうなったの?」ってことです。
給与が上がったけれど、それは労働時間が増えて残業代が増えただけだったから、ということか、そうでないのかって話です。
数字を見てみてみましょう。
◆総実労働時間
ー合計 141.9時間(▲0.7%)
ー正社員ら一般労働者 167.8時間(▲0.6%)
ーパートタイム労働者 81.6時間(▲1.2%)
労働時間は減っていますね!
労働時間は減っているのに、給与は上がっています!
正社員ら一般労働者の平均をまとめると、
ということになります。
純粋に、
手当込み給与÷総労働時間で平均時給を計算すると……
/
2,664円
\
になりました。
なので、2,664円×総労働時間を計算してみて、
その金額よりもあなたがたくさんもらっていれば、平均より多く、
その金額よりも少なければ、平均より少ない、という計算になりますね。
でね。
ここからが本題なんです。
(いつもながら、前置きが長すぎる!前置きだけで1,500字ぐらいいってる!)
基本給29年ぶり増加率って、すごいことじゃないですか。
めちゃくちゃ嬉しいことじゃないですか。
22歳ぐらいから働き始めるとしたら、
今50歳ぐらいの人までは、
「基本給がこんなに上がったの初めて♡」っていう状況なんですよ。
キュンキュンしちゃう♡
でもね、あなたの生活、その分潤っていますか?
給与が上がった分、生活が潤いましたか?
給与が上がったのに、思ったより生活変わってないなー
むしろ生活大変になってるなー
いや、確かに給与は上がっているはずなのにー
そう思っている方が多いのではないでしょうか。
そう、基本給が上がっても。
例え、それが29年ぶりの増加率でも。
それを超えるインフレ!!!!
物価の上昇!!!!
なので、
実質は、給与が上がっても、生活が潤っていないのです。
だって、物価も上がっているから。
なんなら、給与の伸び率以上に、物価が上がっているから。
例えるならば、
今までは
100円だった給料で、100円のモノが買えていた世界。
で、
給料が102円に上がってハッピー♡
基本給も上がってて、こんなに上がったの29年ぶり♡
だけど…モノの値段も103円になっちゃった。
となると、今までの給料で買えていたモノが買えないよ…
という世界になっているのです。
事実、
実質賃金は、▲0.7%です。
3月は、▲2.1%だったので、そこからは改善したものの、依然マイナスが続いている状況です。
だって、消費者物価指数は+2.9%ですからね!
(持家の家賃換算分を除く)
物価が2.9%上がっているのに、給与(手当込現金給与総額)が2%しか増えていないなら、実質はマイナスなんですわ……
そして、実質賃金は、なんと過去最長の25ヶ月連続マイナスでした。
インフレ(物価上昇)に賃金上昇が追い付かない状況が続いています。
2年以上。
ま、インフレと賃金上昇、このバランスが難しいんですけどねー。
で、いくら給料が上がっても、それ以上にインフレだったら、実質賃金下がっちゃうじゃないですか。
これを阻止する方法は2つ。
実質賃金をもっと上げるか、
インフレを抑えるか。
実質賃金を上げるかどうかは企業によるところが大きいですが、
インフレを操作するのは、誰でしょうか。
そう、日銀です!!!
日銀の金融政策の目的は「物価の安定を図ること」ですから。
(ここ大事です、テストに出るよ!)
では、インフレが進んでいて実質賃金がマイナスという状況(6月5日速報)の中、
日銀はどんな対策を打ったの?
って気になりますよね。
実はね、6月14日、日銀はある政策転換をしたんです。
大転換です。
どんな政策転換かって?
次回へ続きます(たぶん)。
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(3,000字ぐらい)
▼2023年は、どのぐらい給与が上がった?
▼金利のある世界①
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