ステルス主婦の反撃

スーパーの棚を見つめる主婦A子は
何かがおかしいと感じていた
お菓子やパンの袋が明らかに軽く、
ソーセージのパックも以前よりスカスカしている

「ふっ…だんごがセンターポジションから外されているわ…」

それは、世間で言われる、ステルス値上げによるものだった

彼女は決して騙されない。
だからこそ、A子は「ステルス主婦」としての
活動を始めることにした

「これ以上、静かに中身を減らされては困るのよ」

彼女は小声でつぶやいた

A子は、台所で何かを企んでいる
その対抗策とは、家計の「ステルス節約」

気づかれないように
少しずつ家族の生活習慣を変え
出費を削る

まず、彼女は料理に手を加えた
夕食のハンバーグのタマネギを増量

見た目はいつも通りだが、
実は肉の単価もひっそり減らしていた
「おいしいね!」と家族が言うたびにA子は微笑む

「ふふ、気づいてないわね…」

次に、彼女は掃除にもステルス技を使う
家族が見ていない間に、洗剤の量を少しずつ減らして使うのだ
それでも、家の中はピカピカ

「掃除、最近調子がいいね」と夫が言うと、
A子は「うん、そうね」と答える

そして極めつけは、電気代対策
家族がリビングで過ごす時間に合わせて
照明を微妙に暗くする

少しずつ変えていくことで、誰も気づかない

「最近、目が慣れてきたのか、夜でもあまりまぶしく感じないね」

と夫が言った。A子は内心ほくそ笑む

家族が気づかない間に、A子は毎月の生活費を着実に削減していく
彼女こそが「ステルス主婦」
家族の笑顔を守りながら、
世間のステルス値上げにひそかに立ち向かう戦士だった

「誰にも気づかれない、この戦いこそが私の誇り…」

A子はそうつぶやき、今日も家計を守り続ける



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?