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Covid19 緊急事態の終了に思うこと(イタリア)

2020年3月8日に私の住む町でロックダウンが始まってから2年が過ぎようとしている。

当時イタリアでは政府による緊急事態宣言が出され、市民の健康と医療システムを守るために市民の生活は強制力と罰則のある法令によって制限されることになった。

その法令が発布から2年経ち、この3月一杯で効力を失う(状況により3ヶ月の延長ができる)。これは緊急事態に合わせて時の政府の権限で発令された時限立法だったからだ。

法の効力は切れるが、新型コロナウイルスの感染は収束したわけではない。本日の感染者数は、入院患者こそ少ないものの7万人を超えている。油断のできる数字ではない。

それでも規制を延長しないことにしたのには、感染対策ができてきたこともあるだろうが、人権を制限する強力な法であることも関係があると思う。民主的な法治国家では国家権力が暴走しないような仕組みが設けられている。ヨーロッパでは社会秩序のために市民の生活や行動を制限することに対する反発は大きい。

そして社会の雰囲気としても、もうパンデミックの生活を終わらせようという空気がある。

この2年間で人々の生活は大きく変わった。ファションの国であるイタリアで、今や革靴を履く人などほとんど見かけなくなった。スニーカーを履き、ジャージ姿で出かけても良いということになった。

また人々は健康に気をつけるようになった。以前はジョギングをする人など見かけなかった。公園を走っていると人々にからかわれたものだ。それが今では当たり前のことになった。

車による移動が普通のイタリアでは中心街でも街乗り自転車に乗る人はとても少なかったが、自転車購入の補助金が出たこともありその空気も変わってきた。
持続可能な社会に向けての動きや補助金も後押しをしている。
古い建物のエネルギー効率を良くするための改修工事もあちこちで行われている。

私はといえは、ポケモンGOばかりしていた。タイプ相性を覚えてバトルを少しずつやるようになった。また複数の新しい外国語を学びはじめた。それからイタリア語で歴史の本を読んだ。

世界に広かったパンデミックの嵐を見ながら、こんなことが実際に起こったことに驚いたが、それでも受け入れた。そしてその生活に慣れた。

しかしパンデミックの出口が戦争というのは期待していなかった。

2月24日から何が起こっているのだろうと考えるがうまくまとまらない。過去のものだと思っていた戦争が今身近にある。私たちはこの何十年をかけて一体何を学んできたのだろうか。



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