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泣きながら帰る

今年、最後の逢瀬

予定の始まりから
逆算すると
カレが指定した
待ち合わせの時間は早く

ちょっと時間を
持て余すかもと思ったけど。

そんな時間も
愛おしいと思えるはずと

それだけカレが
ワタシに早く会いたいんだと解釈して

結果、
その合間はのんびりおしゃべり
2人の一年を総括したり
思い出を色々話して
さらに
直接的な表現はなくとも
カレのワタシへの気持ちも感じられた

これまで付き合った男性は
過去をあまり振り返ったり
思い出話をしても
記憶があやふやだったり

でもカレは
今年のワタシとの
たくさんの思い出を話してくれた

別れたあとの車内からLINEで
来年も
2人の時間を大切にしたいと
カレが伝えてくれ
ワタシも同意の言葉を返した

その余韻で最寄り駅から
自宅までのわずかな距離では
気持ちを切り替えられず
人通りがなかったのをいいことに
号泣してしまう

カレへの思いがあふれ
嗚咽を漏らしながら
ハンカチで顔を覆いながら泣く

でも
これまでもこれからも
カレの前では泣かないし
カレの愛情を
試すようなことをしたり
言ったりはしない

恋なら駆け引きや
時には気持ちを
押しつけるようなこともするのかな。

恋じゃない
不倫なんて恋じゃない

一年かかった
自分の感情がなんなのか
ワタシの気持ちは愛
愛なら見返りを求めない
愛なら不倫とか、関係にも惑わされない
そう答えが出ると落ち着き
静かに涙も止まった
最後の逢瀬の帰り道


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