周囲によって自分は変わる。気づけば私はスリザリン寮に入っていた

学生時代の私は無敵だった。スターをとったマリオの状態が永遠に続いているような感じだ。

小学生〜高校生までは友達の多さが自慢であり、自分のおもしろさに誇りを持っていた。みんなにイジられまくりながら、クラスの中心に常にいて笑いを取っていた自負がある。

周囲からの私の印象は、「明るくてうるさくてクラスの中心にいる顔が長いモアイ」という感じだったのではないだろうか。

しかし、私の人生は大学生活で急転した。友達がまったくできずに便所飯をするくらい地に落ちてしまったのだ。コミュニケーション能力を大学のトイレに流してしまった。

人生のボーナスタイムが終了して完全に自信がなくなり、ブルーアイズだった私はバーバリアン2号くらいの攻撃力しかなくなってしまった。他人と距離を詰める方法がわからなくなってしまったのである。

もちろん大人になってから友達ができることはあったが、周囲からの認知は「明るくてうるさくてクラスの中心にいる顔が長いモアイ」とはまったく異なるものになってしまった。

そういった自分の見られ方が変わったと実感する出来事が少し前にあった。

大人になってから出来た友人たちと会う機会があり、「漫画やゲームで言えば〇〇さんはどのキャラ?」というキャラ当てはめゲームをすることになった。それぞれの性格や見え方がわかるおもしろいゲームだった。

学生時代にスーパースターだった私の印象は、大人になってから以下のように変貌していた。

  • ハリー・ポッターで言えば、スリザリン

    • スリザリンは嫌なやつがいるイメージの寮

    • 公式にも、「狡猾」と書かれている

  • ポケモンで言えば、ジメレオン / インテレオン

    • ジト目で嫌なことを言いそうな見た目

    • 2chに悪口書いてそうな雰囲気

  • NARUTOの里で言えば、音忍か霧隠れ

    • スカしてるキャラがいるイメージの里

学生時代の私であれば、ハリーが所属しているグリフィンドールであり、主役のピカチュウであり、ナルトがいる火影の里であった。主役のポジションと言えば私だ。

それがいまや、狡猾なスリザリンのスカし男という印象に変わってしまった。

このキャラ当てはめゲームに参加していた友人のRに至っては、しきりに私に向かって「スリザリンは狡猾だから性格が悪い」「マルフォイの横にいるザコ」とニタニタしながら言ってきた。ゲームを利用して、普段言えない悪口を言いたいだけではないのだろうか?狡猾すぎる、こいつこそスリザリンにぴったりなのでは?

とにもかくにも、私の印象は180度変わってしまった。周囲にいる人や自分の年齢、社会での立ち位置などによって、印象はこうも簡単に変わるものだなと実感した。これがペルソナというやつか。

しかし、私の場合は今と昔で印象が変貌しすぎな気もする。振り幅が大きすぎる。

学生時代の私はイジられキャラであり、「うるせぇよ!」「違うだろ!」「それじゃねぇよ!」の大声ツッコミ3本柱のみで爆笑をさらってきた。それが今や、狡猾なイジりにくいスカし野郎である。

私は自分自身がどんな人間なのかわからなくなっきた。私は一体みんなにとってどんな存在なんだろうか。私が思っている私は、私の表面をすくっているだけに過ぎないのかもしれない。

ということで、本当の自分自身を今一度見つめ直すために、学生時代の知人数人にLINEで「学生時代の俺ってどんな印象だった?」とストレートに聞いてみることにした。

すると、続々とこんな意見が返ってきた。

  • 明るい印象はあったけど根は陰キャ

  • 自分のポジションを守るために必死な感じだった

  • クラスの中心には確かにいたけど、主役は他の人だったよね。腰ぎんちゃく

  • 昔も今もスリザリンじゃね?

なんということだろうか。私は昔から主役じゃなかったのだ。最強モンスターが最弱モンスターに変貌してしまったかのような感覚で私は生きてきたが、周りからすればバーバリアン1号が2号に変わっただけの些細な変化だったのだ。

なんてことはなかった。私は勘違い野郎だったのだ。昔からスリザリン寮のマルフォイの横にいるザコだったのである。

ただ、ここであることに気付いた。

周囲からの印象が昔から変わっていないのであれば、昔と今での私の違いはただ1つだ。自分自身を主役だと勘違いしているかどうかという点だけなのである。

つまり、勘違いをして自信と誇りを持つということが、コミュニケーションにおいては大事なのではないだろうか。勘違いをすることで、ガンガンとコミュニケーションを取りにいける。そういった勘違い力の高い人こそ主役になりえるのである。今こそもう一度、勘違い力を発揮してブルーアイズホワイトドラゴンに生まれ変わるべきなのだ。

私は決意した。これから狡猾なスリザリン寮の生徒であり、ジメレオンであり、音忍であることに自信と誇りを持って生きていきたいと思う。昔から周囲の見え方が変わらないのであれば、自信を持って狡猾にスカした主役として生きていきたい。

さて、これからの人生で私が自信と誇りをもって生きていくためにも、まずは私を馬鹿にしたやつを見返していきたい。手始めにまずは「お前はスリザリンだ」とニタニタしながら言ってきた友人Rを様々な狡猾な方法を使って不幸に陥れてやろうと思う。


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