ななぴょん

自称天才ねこ。

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【8mile】宿題じゃない感想文。

2002公開、アメリカ映画。 ビートが支配するシェルターを、メッセージでぶち壊せ。 世界中で周知されているが、それでも言わずにいられない。ジミー役・エミネムのラップがすごい。徐々に自信をつけ、最後に何もかも脱ぎ捨て爆発させる。その抑揚が、演技はもちろんラップにすべて込められている。特にラストは圧巻だ。宿敵パパ・ドクの沈黙にも頷ける。 自然と笑みがこぼれるシーンがある。母親にもらった車の修理をしながら、カーステレオの音楽に合わせてジミーがフリースタイルを披露する。過激なワード

    • 映画【グリーンブック】宿題じゃない感想文。

      2018年公開 アメリカ映画。 無知は差別、未知は友情のはじまり。 舞台は1962年のアメリカ。主人公・イタリア系アメリカ人のトニーがとんでもない人物。人間性を疑うというか、友人にするのは難しい。しかしここ一番の肝の座り方はさすがで、真っ先に頼りたいタイプだ。なぜか憎めない彼は、日本ならジャイアンと言ったところか。 トニーは仕事で黒人ピアニストのドクと旅をするわけだが、その先々にはやはりトラブルが待ち受けていた。主に黒人への差別だ。これがやたら生々しかった。彼らへの陰湿な行

      • 映画【ウォールフラワー】宿題じゃない感想文

        2012年公開、小説原作のアメリカ映画。 偏見に満ちた、パンクで平等な思春期。 監督は先日鑑賞した【ディア・エヴァン・ハンセン】のスティーヴン・チョボスキー。 主人公・チャーリーへの扱いは、いじめというより初めから“そういうもの”と定められているようだった。スクールカーストの優等生は見下し、嘲笑う。とても嫌な気分になった。自身の価値を勘違いする輩はフィクションはもちろん、アメリカにも日本にもいる。しかしこの映画では、劣等生の価値観こそ間違いなのだと突きつける。 生い立ち、

        • 映画【ディア・エヴァン・ハンセン】宿題じゃない感想文

          2021年公開、アメリカのミュージカルを映画化した作品。”隣人が奏でるミュージカル” 冒頭のタイトル回収も束の間、流れるようにミュージカルに突入する。制作側としては当然のことなのかもしれないが、出演者の歌唱力、表現力は圧巻の出来だった。 一般的なミュージカル映画よりすんなり没入できるのがこの作品の魅力だ。通常の会話に織り交ぜて、感情の起伏を可視化するように歌い上げる。決して大袈裟に見えず、より登場人物の思いや葛藤が伝わってきた。反響や環境音があえて残されているのもその一因と