五十肩について

もう2月も10日過ぎてしまいました。
少しずつ日の出が早くなってきている感じがします。

関東地方の天気ですが、
今日10日(月)も、平地は大体晴れ、最高気温は10℃前後の予報です。
空気が乾いて、火災が発生しやすい状況が続くので気を付けましょう。
次第に寒さは和らいでいくようです。

今日は五十肩のお話。
Frozen shoulder
Mayo Clinic より

五十肩は癒着性関節包炎とも呼ばれ、肩関節の硬直と痛みを伴います。兆候と症状は通常、ゆっくりと始まり、その後悪化します。時間が経つにつれて、通常は 1 ~ 3 年以内に症状は改善します。
肩を長時間動かさなければ、五十肩を発症するリスクが高まります。これは、手術を受けた後や腕を骨折した後に起こる可能性があります。
五十肩の治療には、関節可動域訓練が含まれます。治療には、関節にコルチコステロイドや麻酔薬を注射することもあります。まれに、関節包を緩めてより自由に動けるようにするために、関節鏡手術が必要になることもあります。同じ肩に五十肩が再発することはまれです。しかし、人によっては、通常 5 年以内に反対の肩に再発することがあります。

診断基準としては、以下のものがあります。

①明らかな原因がない
②肩関節の自動・他動可動域制限
③腱板断裂や石灰沈着性腱板炎などの肩関節内病変を有しない
この3条件を満たす症例が「凍結肩」と診断されます。
IInternational Society of Arthroscopy, Knee Surgery, Orthopedic Sport Medicineの凍結肩診断基準

(日経メディカル 凍結肩)

五十肩は通常、3 段階でゆっくりと進行します。
炎症期(Freezing phase)。肩を動かすと痛みが生じ、肩を動かす能力が制限されます。この段階は 2 ~ 9 か月続きます。
拘縮期(Frozen phase)。この段階では痛みが軽減される可能性があります。ただし、肩は硬くなり、使いにくくなります。この段階は 4 ~ 12 か月続きます。
回復期(Thawing phase)。肩の可動性が改善し始めます。この段階は 5 ~ 24 か月続きます。

肩関節は結合組織のカプセル(滑液包)で包まれています。肩関節周囲でこのカプセルが厚くなり、固くなり、動きが制限されると、五十肩が発生します。なぜ一部の人にこのような症状が起こるのかは不明です。しかし、手術後や腕の骨折後など、肩を長時間動かさなかった後に起こる可能性が高くなります。

調べた範囲では、
日本では急性期・慢性期・回復期となっています。
それぞれに発症時期もだいぶ違います。

・急性期(炎症が強く痛みがある)は発症〜3カ月。痛みが強くなるにつれて腕が動く範囲も狭くなっていきます。
・慢性期は発症3〜6カ月で、痛みはそれほど強くありませんが、肩や腕を動かさないでいると次第に拘縮して動きにくくなってきます。
・回復期は発症6カ月以降で、痛みも薄れ徐々に腕も動くようになっていきます。
(M3.com薬剤師 五十肩)


リスク要因
年齢と性別
40 歳以上の人、特に女性は五十肩になる可能性が高くなります。
動けない、または運動能力が低下する
肩の動きが制限される人は、五十肩を発症するリスクが高くなります。動きが制限される原因は、次のような多くの要因が考えられます: 
 腱板損傷、腕の骨折、脳卒中、手術後
全身性疾患
特定の病気にかかっている人は、五十肩を発症する可能性が高くなります。リスクを高める可能性のある病気には、次のようなものがあります。
 糖尿病、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、心血管疾患
 パーキンソン病

糖尿病や心疾患など内臓疾患があると関節液が分泌されにくくなるそうです。五十肩の男性患者では、糖尿病を合併している人が約3割で、
糖尿病の家族歴がある人まで含めると4割近くが重症化し、
心臓、肝臓、肺に異常がある人も重症化しやすいそうです。
(M3.com薬剤師 五十肩)

診断
五十肩は通常、兆候と症状だけで診断できます。しかし、X 線、超音波、MRI などの画像検査によって、他の問題を除外することができます。

治療
五十肩の治療のほとんどは、肩の痛みを抑え、肩の可動域をできるだけ広く保つことに重点を置いています。
内服薬
アスピリンやイブプロフェンなどの鎮痛剤は、五十肩に伴う痛みや炎症を軽減するのに役立ちます。
・理学療法
理学療法士は、肩の動きを取り戻すための可動域訓練を教えてくれます。できるだけ多くの動きを取り戻すには、これらの訓練を継続して行うことが必要です。

治療の基本はリハビリテーションとヒアルロン酸の注射です。
急性期の強い痛みにはステロイド注射で炎症を抑える治療方法がありますが、繰り返すと化膿性関節炎になる可能性も。(短期には疼痛軽減効果はあるものの長期的効果は不明)

リハビリは以下のような運動があります。


Frozen shoulder. Mayo Clinicより

外科手術およびその他の処置
五十肩のほとんどは、12 ~ 18 か月以内に自然に治ります。症状が重度または持続する場合は、以下の治療法もあります。
ステロイド注射。肩関節にコルチコステロイドを注射すると、特に五十肩が始まった直後に投与すると、痛みを軽減し、肩の可動性を改善するのに役立つ可能性があります。
Hydrodilatation。滅菌水を関節包に注入すると、組織が伸びて関節が動きやすくなります。ステロイド注射と組み合わせることもあります。
マニュピレーション。この処置には全身麻酔と呼ばれる薬剤が使用されるため、患者は意識を失い、痛みも感じません。その後、肩関節をさまざまな方向に動かして、固くなった組織を緩めます。
手術。五十肩の手術はまれです。しかし、他に方法がない場合は、手術で肩関節内部の瘢痕組織を取り除くことができます。この手術では通常、関節内部の小さなカメラで誘導された小さな器具で小さな切開を行います (関節鏡検査)。

炎症期にはステロイドの関節内注射、
消炎鎮痛薬の内服、理学療法で治癒する症例もあるとのこと。

拘縮期の症例に保存治療を行うと、平均1年半を要し運動時痛や可動域制限も残存するので、マニピュレーションや鏡視下手術を選択するそうです。

Hydrodilatationは、
ググってもあまりでてこないので、詳細不明です。

マニュピレーションは、
全身麻酔下もしくは神経ブロック下に行う
肩関節を徒手的に動かし、肥厚した関節包を断裂させる手技だそうです。

私は、
幸い五十肩は経験したことがないのですが、
背部痛(僧帽筋の痛み)があります。
次回の話題にします。


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