コロナ後遺症と睡眠時無呼吸症候群

最近、暑いですねしか書いてない気がしますが、
今日、明日も34℃の予報です。

昨日は、河野大臣が、今後マイナンバーカードを新しくするので、
読み取り機が新しく必要になるかもという報道を見て、
ずっこけてしまいました。
まだ導入待ちのとこ一杯あるのに。

あと、量子コンピュータで・・とか言ってましたけど、
うちの近所の電気屋では、まだ売ってませんでした。


気分をとりなおして、
コロナ後遺症の話です。
Cleveland Clinicから、
Sleep Disturbance Severity and Correlates in Post‑acute
Sequelae of COVID‑19 (PASC).

J Gen Intern Med 38(8):2015-7
 

急性COVID-19後症候群(PASC)は
SARS-CoV-2感染の急性期発症後4週間を過ぎても、衰弱した症状が長引くという世界的な公衆衛生上の危機である。
PASCにおける睡眠障害の有病率は34-50%と報告されている。
しかし、関連する危険因子を特定した研究はわずかであり、基本的に睡眠の質に関するもので、症状や重症度に関したものではない。 

コロナ後遺症(PASC)と、
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の関連についての論文です。

PASC1患者は、2021年2月から2022年4月の間にクリニックを受診した患者を前向きに検討した。患者報告アウトカム情報システム(Patient-Reported Outcomes測定情報システム(PROMIS)を用い、睡眠障害と判定された18歳以上の患者を対象とした。感染前の睡眠検査が可能であった群において、無呼吸低呼吸指数(AHI)および低酸素測定が抽出された。

詳細すぎるので割愛しますが、
18歳以上で睡眠障害と判定された人を対象にした前向き試験で、
一部の人はコロナ感染前に睡眠障害と診断されていました。

1,660例中962例がPROMISにて睡眠障害とされた。565人(58.7%)が正常から軽度の睡眠障害、397人(41.3%)が中等度から重度の睡眠障害であった。今回の新しい知見ではPASCにおける中等度、重度の睡眠障害の有病率は41.3%と高く、黒人人種、COVID-19による入院、不安の重症度、
および中等度から重度の疲労と関連していた。
不安の重症度と中等度から重度の疲労の間には有意な相互作用はみられなかった。

結果も少々割愛しますが、
約58%で睡眠障害があり、
そのうち41.3%が中~重度の睡眠障害であったようです。
ただ、もともとのSASの有病率がわからないので何とも言えません
黒人の方は若いころはスマートなんですけど、
中年以降一気に肥満化する気がします(偏見ですけど?)。
統計学的検討で、入院歴や重症、不安や疲労症状とも
関連があったようなので、
SASが以前からあろうがなかろうが、
一度検査するのはいいのかも?


PASCの生理学的経路における精神障害と睡眠障害の相互作用について調査するためには、さらなる研究が必要である。先行睡眠時無呼吸および低酸素症の客観的な睡眠検査指標と睡眠障害との間に関連は認められなかった。本研究は選択バイアスが存在する可能性がある。標本数が少ないこと、検査適応の偏り、あるいは睡眠検査の種類(在宅睡眠時無呼吸検査)の制限により、客観的な睡眠の質または量の測定ができなかったためと考えられる。
研究結果は、患者のQOL、日中の機能、医学的健康状態への影響を考慮すると、PASCにおける睡眠障害の同定の重要性が強調された。結果は、リスク層別化に役立つとともに、構造的人種差別と社会経済的不平等の寄与を明らかにする必要性を強調した。

この手の研究でつきものですが、
バイアス(偏り)があるので更なる研究が必要とのことです。

前回、コロナ後遺症とMRIの論文も紹介しましたが、
(改善に繋がるかはわかりませんが、)
いろいろとアイデアを出す人はいて、
少しずつ研究はすすんでるようです。

「なんだかよくわからないけど、○○ー〇飲むと後遺症が減る!」とかよりも、こういう論文は科学的で興味があります。

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