「世界人口のほぼ半数がスマホ中毒の兆候」という記事

今日はハロウィーンらしいです。
子供が小さい頃は、
お菓子をもらいに練り歩く行事に参加した記憶がありますが、
基本的にあまり私には縁遠い行事です。

渋谷では「ハチ公」が封鎖されたり、
路上飲酒禁止となったり、
いろいろ大変なようです。

まあ、そこら辺に近づくことはないので、
個人的にはどうでもいいですけど。

今日はネット中毒のお話です。

Nearly Half of Global Population Shows Signs of Smartphone Addiction, Lancet Commission Warns.
The epoch times.
10/28/2024.

人工知能(AI)が中毒性のあるアプリやアルゴリズムを加速させる中、世界の保健専門家は深刻化する危機について警鐘を鳴らしている。現在、世界中のスマートフォンユーザーのほぼ半数がインターネット依存症に悩まされており、最も大きなリスクに直面しているのは子供と十代の若者たちだ。
ランセット精神医学誌に寄稿した健康専門家連合によると、デジタル技術と社会問題はますます絡み合い、世界中で前例のない精神衛生上の課題を生み出している。 10月中旬に発表された「インターネットの問題のある使用(PUI: Problematic Usage of the Internet)に対する世界的対策に関するランセット精神医学委員会」と題された声明は、現在多くの人が世界的な流行と考えているインターネット依存症に対処するための証拠に基づく勧告を作成することを目的としている。

私も、
しょっちゅうスマホ触るのでネット中毒なんでしょうけど、
SNSはほぼ使用していません。
GAFAMとかに努める優秀な人にとっては、
10台の若者をネット中毒にするなんて簡単なんでしょうね。


声明というのは下記の論文(comment)のようです。
Global action on problematic usage of the internet: announcing a Lancet Psychiatry Commission.
The Lancet Psychiatry.
October 17, 2024

これによると、
世界の人口の約 7% がインターネット依存症の兆候を示しており、
特に若者の間で有病率の推定値は時間の経過とともに増加している。
とのこと。

安全性データの欠如
米国では、13歳から17歳までの子供と青少年の約95%がソーシャルメディアを利用しており、3分の1がこれらのプラットフォームを「ほぼ常に」使用していると報告しています。2023年の調査 によると、10代の若者はソーシャルメディアプラットフォームだけで1日平均5時間を費やしています
2023年の勧告で、米国公衆衛生局長官のヴィヴェック・ムルシー氏はこの傾向について懸念を表明した。「子供や青少年の間でソーシャルメディアが広く使用されているにもかかわらず、若者に対するソーシャルメディアの影響に関する堅牢な独立した安全性分析はまだ実施されていない。」

日本でのデータを調べると、
2023年時点でインターネット依存傾向の人の割合は7.4%、
年代別に見ると10代が最も高く、24.8%と過去最高の数値とのこと
「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告」
総務省。

インターネット依存症の一部はすでに精神障害として分類されている
同委員会は、危機を悪化させているいくつかの要因を特定した。その中には、「未成年者がインターネットに容易にアクセスできること、オンラインでの注目を促し誘導するためにテクノロジー企業が中毒性のあるデザインや操作的なアルゴリズムを使用していること、そしてそのようなデザインやアルゴリズムを強化する人工知能(AI)の力がますます増大していること」などがある。
この問題が臨床的に認識されたことは一歩ではあるが、ランセットの声明では、臨床サービス、公衆衛生の取り組み、政策立案など、さまざまな分野で「さらに多くの取り組みが必要」であると強調している。また、さまざまな形態の中毒性のあるオンラインコンテンツや活動がもたらす課題に対処するために、薬物やギャンブルに対して確立された既存の「規制枠組み」を再検討する必要性も強調している。
TikTok のユーザーごとに AI によって作成されるパーソナライズされた「For You」ストリームは、この問題の典型例であり、プラットフォーム依存症の主な原因として特定されています。

特に未成年は、
洗脳されやすいでしょうし、
これからさらにAIが進歩すると、
どんどんネット中毒の子供は増えそうです。
TikTokは使ったことないですけど、
なんか怖いですね。

しかし、ソーシャルメディアは問題の一部に過ぎず、ランセット委員会は、オンライン上のギャンブル障害やゲーム障害も含める必要があると記しており、「これらは主に中毒行動による障害として、また二次的に衝動制御障害として分類されている」。
メンタルヘルスのコミュニティは、これらの問題を正式に認識し始めています。国際疾病分類 (ICD-11) では、現在、問題のあるビデオ ゲームのプレイを精神障害として分類しています。さらに、オンライン ギャンブル、ゲーム、強迫的な性行為に関連する障害も認識されるようになり、これらのテクノロジーの依存性を反映しています。

ICD-11では、
ゲーム行動症(gaming disorder)という疾患があらたに分類されました。
臨床症状として、
・ゲームのコントロールができない。
・他の生活上の関心事や日常の活動よりゲームを選ぶほどゲームを優先する。
・問題が起きているがゲームを続ける、または、より多くゲームをする。
・人、家族、社会、教育、職業や他の重要な機能分野において著しい障害を引き起こしている(重症度)
としています。



世界的な対応と今後の行動
委員会は、行動健康、公共政策、インターネット使用障害の悪影響を個人的に経験した人々の専門家からなる国際的な学際的チームを結成することを計画している。
「国際レベルで十代の若者のPUIのリスクを検出し防止するためのネットワーク研究への最近の投資、大規模言語モデルの進歩、そして米国、ヨーロッパ、アジアでオンラインの安全性に対処しAIを規制するための進行中の立法の試みが相まって、この取り組みは時宜を得たものとなっている」と声明は指摘した。
同委員会は、その最終目標は、テクノロジーの使用に関連する集団レベルの悪影響を軽減しながら、証拠に基づくケアの開発を導く枠組みを作ることだと述べた。同委員会は、市民の自由と危害の防止とのバランスを取りながら、予防的および治療的介入の開発に重点を置くつもりである。


もう少し、
インターネット依存症について補足です。
How to Beat Internet Addiction.
MGH.
2019/8/7.

インターネット依存症とは何ですか?
インターネット依存症とは、インターネットの利用を制限したり、避けたり、インターネットに費やす時間の長さを制御したりする頻度を徐々に(時間の経過とともに)制御できなくなることです。これにはモバイル アプリも含まれます。
インターネット依存症の十代の若者は、オンラインになるとエンドルフィン(快感を引き起こす脳内化学物質)が放出されます。そのため、オンラインで過ごす時間を制御したり制限したりすることが非常に難しくなります。

エンドルフィンは、
高揚や鎮痛、抗ストレス作用を持つ、
「脳内麻薬」という物質です。
もはや若者には、
学校以外でのネット使用を禁止したほうがいいのでは?

インターネット依存症の影響
インターネット依存症は、友人や家族との現実の関係を阻害するという点で、他の種類の依存症と似ています。現実の関係から離れている時間は、実際の人々との社交スキルを練習していないため、社交的にぎこちなくなる可能性があります。
インターネット依存症は次のような原因にもなります:
不眠症(よく眠れない)
・シャワーを浴びなかったり、個人の衛生管理を怠ったりする
・定期的に食事を摂らない
頭痛と腰痛
・長時間画面を見ることによるドライアイ
手根管症候群(手や腕のしびれやチクチク感)

不眠症、寝不足、ドライアイで
悩んでいる人は多いのでは?
法的に規制するのは困難でしょうし、
(Magnificent 7には勝てないでしょう)
学校や家での粘り強い教育で、
若者だけでも(自主的な)規制を勧める必要があります。

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