書籍・記事の感想

はじめに

このタイトルの内容は、英語勉強を兼ねた読書に基づくまとめです

タイトル:ABDURRAHMAN TANYOLAÇ: THE LIFE AND MEMOIRS OF A LATE OTTOMAN GOVERNOR

Living in the Ottoman Landsという本に載っている論文(?)です。この書籍は、オスマン帝国時代のアイデンティティや統治方法、西洋化の影響などが紹介されています。

ABDURRAHMAN TANYOLAÇは人物名で、彼はオスマン帝国の上流階級の出身でした。1866年に生まれ、当時の高等教育を受けて、諸々な役職をこなした後に、1924年で引退します。1923年、オスマン帝国はトルコ共和国として再出発しています。この人物は、まさに母国が根本から変質する時代に生きたのでした。

タイトルにあるMemoirsは回顧録、回想録、紀要とも訳されます。自分の孫や子孫に向けた内容となっており、彼の回顧録(原著はアラビア語で書かれているらしい)をベースにして、この論文の筆者は登場する地名や人名に関する考察をしています。

人名:部族(家)の名前と出身地や民族名などを盛り込んだ、長い名前が特徴。また名前を変える事もあったらしいです。
(個人的な思考:ローマ帝国時代には、占領した地名などを盛り込んだ長ーい名前があったので、もりもり長くする事は良いことだったのかも?)

地名:オスマン帝国の占領前と後で、地域によっては、地名を変化させている場合があります。キリスト教に影響された地名"~教会"や、異民族風の地名を薄めるように"オスマン化"され、定着していったようです。元々の地名についても、回顧録では由来が紹介されているっぽいです。

名前という存在が、オスマン帝国ではアイデンティティの重要な要素であったと言っています。
(個人的な思考:日本でもそうだと思う。民族名はつけないけれど。そこら辺は、他文化を他宗教ごと、まるっと取り込んでた帝国的な事情だと思う)

トルコ共和国となったオスマン帝国の元高官(回顧録の筆者)は、共和国建国の父には、複雑な心境を持っていたようです。
(個人的な思考:そりゃそうでしょうね。この心境は、幕末から明治になった時の士族階級と似たようなモノだと思う)

個人的な思考のまとめ:
多種多様な異文化、異民族を統治してきた帝国側の視点を垣間見た気がする。回顧録の筆者の赴任先は、現在では異国ばかり。今は戦場となっているエリアも多い。同じ国としてまとまり、統治されていた時代を思うと、ただ平和でさえあれば良いとは思わないけれど、ちょっと言葉が出ない。


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