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摩訶不思議な錯視の世界

人間の目で見る世界は常に変わらない完全なモノそんな風に思っている方もたくさんいるのかもしれません。

でも摩訶不思議な錯視の世界を覗いてみると…実はそうではないかと?と思うかもしれません。


幾何学的な錯視(長さ/形の錯視)

1.ミュラーリヤー錯視

とっても有名な錯視で、同じ長さの横線のはずが、両端にある矢印の向きによって長さが異なって見えるというものです。

(画像はMenicon Miruより)

②が1番長く見えませんか?実際は全部同じ長さなんです。

実際は長さが同じ

(画像はideaLumpより)

2.ツェルナー錯視

平行な横線に短い斜線を加えることで傾いて見えるという錯視です。斜線の角度が鈍角になるほど、より傾いて見えるそうです。

(画像は北岡明佳の錯視のページより)

(画像はWikipedia「ツェルナー錯視」より)

3.ミュンスターバーグ錯視・カフェウォール錯視

(画像はWikipedia「錯視」より)

平行線の両側に等間隔に同じ色の正方形を描く(上下互い違いになるようにする)と、平行なはずの線分が歪んで見える錯視です。カフェウォール錯視はその線分が灰色になったもので、より屈折度が高まります。

4.ヘリング錯視・ヴント錯視

並行な2本の直線が、斜線の影響で歪んで(膨らむ形に歪曲して)見えるのがヘリング錯視です。

(画像はSeleQtより)

(画像は心理学の教材より)

反対に内側に凹むように見えるのがヴント錯視です。

(画像はSeleQtより)

5.エーレンシュタイン錯視

(画像は321Webより)

何重にも円を描き、正方形を配置すると線が内側に歪んで見える錯視です。

6.オービンソン錯視

(画像は321Webより)

中心に向かう斜めの線を背景を入れることで遠近感が出て長方形と正方形が歪んで見える錯視です。

(画像はIllusion Forumより)

7.ポンゾ錯視

(画像はIllusionForumより)

(画像はWikipedia「ポンゾ錯視」より)

二つに交わる線分の間に平行線を入れると、上の平行線が長く見えるという錯視です。

8.オッペル・クント錯視

(画像はWikipediaより)

等間隔に3本の平行線A、B、Cがあり、AとBの間には何本もの平行線を引き、BとCの間には何も引かない。すると、AとBの間隔の方が広く見えるという錯視です。

9.ポッゲンドルフ錯視

(画像はIllusion Forumより)

(画像はWikipedia「ポゲンドルフ錯視」より)

斜線を描き、その間の形跡を別の図形で隠すと、その直線の始まりと終わりがずれて見える錯視です。

10.ポップル錯視・文字列傾斜錯視

(画像は錯視のカタログより)

平行に並べた図形の模様を均等に上下にずらすと、図形が傾いて見える錯視です。

この錯視は文字でも生じます(文字列傾斜錯視)。

下广卞廿十亠卉与本二上旦上二本与卉亠十廿卞广

Wikipedia「錯視」より

(画像は科学技術のアネクドートより)

11.斜塔錯視

(画像はWIREDより)

傾いた塔の写真を並べたとき、傾いている側の写真がより強く傾いて見える錯視です。上の2枚の写真は全く同じにも関わらず、右の方が傾いて見えます。

(画像は心理学ミュージアムより)

12.フレイザー錯視

(画像はIllusion Forumより)

中央を共有する複数の円の上に傾き錯視が現れるようにすることで、同心円が渦巻きのように見えるようになる錯視です。下の図を見ると渦巻きではなく同心円であることがよくわかります。

(画像はIllusion Forumより)

13.フィック錯視

同じ長さの図形は、縦にされたものの方が横にされたものより長く感じるという錯視です。T字型に長方形を組み合わせたものがよく例として紹介されます。

(画像はDcollectionより)

調べていたらフィック錯視などの錯視を利用した着こなし術なるものを発見しました。

14.ジャストロー錯視

(画像はITカウンセリングLabより)

(画像はSeleQtより)

上下に並べた2つの同じ扇形では、下(手前)の扇形が大きく見えるという錯視です。

15.上方距離過大の錯視

(画像はGRIより)

図形を数値上で上下に等分した場合、上の方の距離が広く感じる錯視です。中心に配置しただけでは下にずれているように見えるため、身近なデザインでは、図の右側のように調整として上に移動させることで視覚調整が行われています。

16.ヘルムホルツの正方形

(画像は321Webより)

線を縦に並べたものと横に並べたもの、どちらも同じサイズですが、縦に並べたストライプの方が横に広がって見えるという錯視です。

17.バイカラー錯視

(画像は321Webより)

線を縦に並べたものと横に並べたもの、どちらも同じサイズですが、縦に並べたストライプの方が横に広がって見えるという錯視です。ヘルムホルツの正方形に似ていますね。

ファッションの色の組み合わせでも使用されているそうです。

(画像は321Webより)

18.エビングハウス錯視

(画像はSeleQtより)

同じ大きさの図形でも、大きい物の周りに置かれると小さく、小さい物の周りに置かれると大きく見える錯視です。

19.デルブーフ錯視

(画像はWikipediaより)

合同なを描き、片方には外に大きな同心円、もう片方には外に小さな同心円を描くと、元の円の大きさが異なって見える錯視です。

20.カニッツァの三角形

(画像はWikipedia「カニッツァの三角形」より)

周辺の図形とともに、白い正三角形が知覚されるが、実際には中心の三角形は物理的に存在しないという錯視です。この浮かんで見える白い三角形は、周辺よりも明るく見えますが、実際には中心と周辺の明るさは同じです。

21.ネオンカラー拡散

(画像は錯視のカタログより)

明るさ(明暗)・色の錯視

1.チェッカーシャドウ錯視

(画像はSeleQtより)

市松模様の箱にあるAとBのマスはどちらも同じ灰色濃さですが、Aのマスの方が濃く見えるという錯視です。下の図を見ると同じ濃さというのがわかるはずです。

(画像はWikipedia「錯視」より)

2.ホワイト錯視

(画像はWikipedia「ホワイト効果」より)

同じ色が、周辺の領域によって異なる明るさに見える錯視です。上の図では、灰色の長方形は全て同じ明るさですが、暗い縞模様のなかにあるものはより明るく、明るい縞模様のなかにあるものはより暗く見えます。

他にもいろいろなバージョンがあります。

(画像は立命館大学より)

(画像は321Webより)

3.ムンカー錯視

(画像は321Webより)

ホワイト錯視に色をつけたもので、ストライプに合わせて色が変わって見えますが、全て同じ色です。

(画像は走れ!コブリーナより)

(画像は長崎市科学館より)

下の図の緑と青は実は同じ色です。これもムンカー錯視を応用したものです。

(画像はSeleQtより)

4.色の同化

(画像はWikipedia「錯視」より)

背景の色は全て同じであるが、元の色よりも線の色に似た傾向の色に見えるという錯視です。

5.白金と青黒のドレス

(画像は321Webより)

昔Twitterで「ドレスが白金か青黒かどちらに見えるか?」と話題になった画像ですね。

環境色に応じてどちらの色にも変わるため、当初に想定した環境色によってイメージする色が異なるそうです。

(画像は321Webより)

ドレスの販売元によると正解は青黒だそうです。

6.ベンハムのコマ

(画像は321Webより)

イギリスのおもちゃに由来するもので、白黒のコマを回転させると色が浮かんで見えるという錯視です。見る人によって色は赤、青、黄など異なって見えるそうです。

みなさんは何色に見えますか?

7.エーレンシュタイン錯視

(画像は321Webより)

集中線効果とも言われる、線先の集中部の色が周りの背景より明るく見える錯視です。

8.ハーマングリッド

(画像はWikipedia「ハーマングリッド」より)

正方形を格子状に並べた際の交差部の白背景に点が点滅するように浮き上がる錯視です。点滅する箇所は常に変化し、浮き上がる点は正方形の色によっても変化します。

この点滅は追いかけようとすると消えてしまい、また別のところに浮き出て見えます。

動いて見える錯視

1.オオウチ錯視

(画像はKoKaNetより)

画面を上下に揺らすと図が動いて見えます。

2.カメの回転

(画像はSeleQtより)

正方形が回転して見える錯視です。

3.蛇の回転錯視

(画像は基礎生物学研究所より)

渦巻きが回転して見える錯視です。


それ以外にもこちらに回転する錯視画像がたくさんあります。

その他の錯視

1.ウサギとアヒル

(画像はIllusion Forumより)

右を向いているアヒルのようにも見えるし、左を向いているウサギのようにも見える画像です。

このような図形は多義図形と言われ、「ルビンの杯」や「婦人と老婆」などが有名です。

ルビンの杯

(画像はITカウンセリングLabより)

婦人と老婆

(画像はIllusion Forumより)

2.アップまたはダウン

(画像はSeleQtより)

猫が階段を登っているようにも降りているようにも見える画像です。

3.インポッシブル・トライデント

(画像はSeleQtより)

片方の端に3つの円筒形の突起があるように見え、もう片方の端には不思議なことに2つの長方形の突起があるように見える、不可能な物体や判読できない図形(不可能図形)の絵です。

4.ペンローズの三角形

(画像はWikipedia「ペンローズの三角形」より)

こちらも実際の三次元上では再現できない不可能図形です。

(画像はITカウンセリングLabより)

5.ペンローズの階段

(画像はWikipedia「ペンローズの階段」より)

騙し絵で見たことがある方もあるかもしれません。こちらも永遠に登り続ける階段という不可能図形です。

6.クレーター錯視

(画像は321Webより)

同じ写真にも関わらず写真の向きを変えるだけで凹んで見えていたものが逆に凸に見えるようになる錯視です。光は上にあり、影は下にあるという先入観から凹んでいるものが凸になっているように錯覚するそうです。

(画像は321Webより)

7.隠れたダルメシアン

(画像はnoteより)

一見なにかわからないように見える画像ですが、「犬を見つけられますか?」と問われると、ダルメシアンが浮かんできます。

まとめ

視覚障がいと錯視は直接は関係ないのかもしれませんが、盲学校で見る仕組みについて話すときに導入としてマリオット盲点や錯視の話題を導入で使いました。

たまたま錯視についてのサイトを発見し、いろいろとまとめてみました。全部は紹介しきれなかったので、興味のある方は参考にしたサイトをぜひ見てみてください。

錯視の世界を覗いてみると、普段絶大的な信頼を置いている自分の見ている世界は、必ずしも正しいものではないということがわかります。

今回の記事がそんな見ることについて考えるきっかけの1つになれば嬉しいです。


参考にしたサイト

1.北岡明佳の錯視のページ

このサイトを忘れずに覚えておこうと思い、この記事を書きました。ぜひとも覗いてみてください。

2.錯視メモ「錯視の科学的研究とは」

3.SeleQt「思わずわが目を疑う目の錯覚26選。あなたは真相に気づけますか?」

4.321Web「錯視効果 32種類 色や図形の目の錯覚を画像で解説」



表紙の画像は、SeleQtより引用したエビングハウス錯視の画像です。