体験記事「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA」
以前アールブリュットの記事でも紹介した、滋賀県にあるボーダレス・アートミュージアムNO-MAへ念願叶って行ってきました。
開催中の展覧会は奇しくも「アール・ブリュット-日本人と自然-BEYOND」。
(画像はボーダレス・アートミュージアムNO-MAより)
ボーダレス・アートミュージアムNO-MAと旧増田邸、まちや倶楽部の3カ所で展示会が行われていました。それぞれの場所ごとに気になった作品を紹介していきます。
ボーダレス・アートミュージアムNO-MA
町屋の和の雰囲気の中で見学します。
箱いっぱいの紙飾りを毎日運んで持ち帰る教え子を思い出す。この方の部屋は箱で溢れかえっているみたい。
キャンパスに貼り付けられた細かい紐やレースや毛糸が重なりあう立体感に惹かれます。
ポップな感じのポストカード。コレは欲しい…売ってなかったのが残念。釣りに行きたい気持ちからイメージが膨らんで、ついには宇宙で釣りをされてます。何が釣れるんやろ。
自分はこういう細かいものの重なりが好きみたいです。近づいて細かい模様に目を凝らす。草間彌生さんみたいなカラフルなドットがたくさん。
蔵の中は鶴川さんの個展スペースみたいになってます。
独創的なオブジェのような、崩壊したビル群かカッパドキアようなのは、ペンの上部から先端までセロテープをグルグル巻きつけたもの。セロテープどのくらい使ったんやろう?ともったいない精神が顔を出しちゃいます笑。
この展示会のキービジュアルにもなっている作品群。赤いドットと線や文字からなる独特の世界観。2枚目の作品が、谷川俊太郎さんの絵本『もこもこもこ』みたいで、「もこ」っていう擬音語が聞こえてくる。「ちからうどん」の文字を見つけてほっこりしました。
旧増田邸
元々は靴屋だったそうで、ボランティアのおじちゃんが解説してくれました。
なんにでもビニールテープを巻いた作品。靴や鳥の剥製や木彫りの熊など。あとは瓶の中に布を詰め込んだ作品。高橋さんの日誌も読めます。
どの作品にも「ますやまかずお」のお名前がクレジットされています。ポップな感じの作品が気に入りました。
間近で見るとボールペンの細かい線がよくわかり、あえて塗ったり塗らなかったりがあることに気付く。
上の作品は眺めていると、顔はないはずなのに、なぜかボッティチェリの『ビーナスの誕生』が浮かんでくる不思議。
(画像はきくドラより)
森川さんは文字を書いた後にまるで隙間を埋めるかのように○を描くのだそう。
セロハンテープと黒マジックでつくられた眼鏡。眼鏡好きとしては見逃せません。15分ほどで完成し、数千本はあるそう。そして高丸さんはつくった眼鏡を掛けて過ごすそう。高丸さんのお顔を見たことないのになぜか想像してしまう笑。
まちや倶楽部
パンを持って手すりにそって反時計回りに回る。ザクザク藁を踏む音が室内に響く。お皿やオーブンにパンをタッチするとオーディオドラマが流れる。私とお母さんとゴルフ猿(頭からプロゴルファー猿の映像が離れない笑)とパンをめぐるまるで不思議の国のアリスのような訳の分からない物語。触れる工夫もあらました。
なんだかストーリーが耳から離れず、最後まで聞き、ついでにまちや倶楽部内のTREE CAFEさんとのコラボ商品、しらすと大葉とマヨネーズのオープンサンドもテイクアウトしてしまいました。
他の気になった作品も紹介。
出口に行くと失恋してしまうやん笑。鈴村さんは旧日本道路公団オリジナルの書体「公団文字」がパソコンのフォントになかったことから、独自に文字の制作を始められたそうです。
高さを調整してじっくり鑑賞できます。目の前で向き合い、しばらく眺めていると、上の方の黒い部分が蜘蛛の糸を掴む腕のように見えてきた。彼は無事抜け出せるのか?
飛行機への愛が伝わってくる。子どもたちの作品展で並ぶ電車の作品を思い返す。
まとめ
最初は初めてのアール・ブリュットということで若干身構えていましたが…なんだか働いている支援学校の作品展のような雰囲気で緊張もほぐれ、楽しんで鑑賞できました。
「これだ!」とビビッときてじっくり観た作品もありますし、そうでない作品もあります。でも有名な美術館の展覧会なんかに行っても僕はそんな鑑賞スタイルなんですよね。作品との距離が近いので本当にじっくり観られるのが良かったです。
3ヶ所とも近江八幡の街中に自然と馴染んでいる感じで、まちや倶楽部の中にある雑貨屋さんで買い物をしていたときも店員さんと「なかなか見応えある展示でしたよねー」とお話しました。
そしてnoteの画像に説明文を付けられるようになったので、VoiceOverなどのアクセシビリティ機能で読み上げられるようにと思い僕なりの解説をつけてみました。もちろん『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』を意識してます笑。
楽しい展示会でした。おすすめですよー。
また機会があれば訪問したいです。
ボーダレス・アートミュージアムNO-MAさんは、TwitterやYouTubeでも展示会などの情報を発信されています。ぜひそちらもご覧ください。
表紙の画像は記者が撮影した、ボーダレス・アートミュージアムNO-MAの写真です。