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体験記事「アプリ Be My Eyes - Helping blind see」
今回は視覚障がいの方をサポートするアプリ、「Be My Eyes(以下、ビーマイアイズ)」について紹介していきたいと思います。
ビーマイアイズとは
ビーマイアイズ、直訳すると「私の眼になって」ですね。ビーマイアイズのホームページでは以下のように説明されています。
ビーマイアイズは視覚障がい者や低視力者のために作られました。 このアプリは、視覚障がい者と低視力者と目の見えるボランティアのグローバルなコミュニティで構成されています。 ビーマイアイズは、テクノロジーの力と人々の絆を活用して視覚障がい者の人々の「目」になります。 リアルタイムのビデオ通話を通じて、ボランティアは、視覚障がい者と低視力者に、色を合わせることから、ライトが点灯しているかどうかを確認すること、夕食を準備することに至るまで、視覚的支援を提供します。 このアプリはiOSとAndroidのどちらにも無料でお使いいただけます。
(Be My Eyesより)
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要するに、スマホのカメラを使って、視覚障がいの方が困ったときに、登録したボランティアが眼の代わりになってサポートするというアプリです。
iOS版はこちらから、Android版はこちらからダウンロードできます。
どんなことに役立つの?
眼鏡やコンタクトレンズを使われている方は、それを外して寝て起きてからの世界を思い出すとイメージが湧くかもしれません。
見えない方は限られた見る力(全く見えない人もいていますし、視力が低い、視野が狭いなど人によって異なります)で見る他は、触覚や聴覚や嗅覚を頼りに行動しています。
見えないが故に困ることは沢山あります。
見えない人が指で読む文字、点字はありますが、全てのモノに点字がある訳ではありません。また全ての視覚障がいの方が点字を読めるわけではありません。
描いてある文字を読み上げる装置やアプリ、カメラに映ったモノが何かを教えてくれる機器やアプリはありますが、高価であったり、精度がまだまだなのが現状です。
ビーマイアイズのホームページには、以下の例が紹介されていました。
1. 無くしたものや落としたものを見つける
2. 写真、絵や他の芸術作品を説明してもらう
3. 色を確かめたり色合わせをする
4. ラベルの表示を見る
5. コンピュータの操作を行う
6. 食料品の買い物をする
7. 食品の消費期限を確認する
8. 新しい環境や初めての場所に慣れる
9. 品物を区別する
10. 交通機関の到着や出発の確認する
これら以外にも、誰かに眼の代わりになってもらうこと助かることが沢山あるのです。
ビーマイアイズの使い方
視覚障がい者または低視力者のユーザーである場合、このアプリをダウンロードして登録することで、いつでもあなたを支援する用意ができているボランティアのグローバルネットワークと繋がり、支援を求めることができます。アプリをダウンロードして、居住地と言語を登録すれば準備オッケーです。
180以上の言語で100万人を超えるボランティアが、視聴障がい者や低視力者の視覚援助を提供しています。 ビーマイアイズのサービスはインターネットへの接続さえあれば、無料でお使いいただけます。 必要に応じて、いつでも何度でも電話をかけることができます。 電話の持続時間や回数に制限はありません。 ボランティアの参加者が多いため、ほとんどのコールが30秒以内に応答されます。
(Be My Eyesより)
知り合いの全盲の方は、夜遅くに使用したときはハワイ在住の日本人の方と繋がったそうです。正に世界中のボランティアが対応しているんですね。
目の見えるボランティアの場合も、居住地と言語を登録すれば準備オッケーです。
いろんなタイミングでリクエストがくるので対応するだけです。倍率が高いみたいでなかなか対応できないのですが。
アプリでは通話に応答するための練習もできます。…英語だけですが笑。
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(画像は記者撮影より)
応答した後の対応はビデオ通話と同じです。
視覚障がいの方からの問い合わせに、カメラに映る映像をもとに依頼に応えるよう言葉で説明し、対応してください。
僕のボランティア体験
登録して1年半程になるのですが、実は3回しか応答したことがありません(その後、応答回数は増えています)。
通知がきてすぐに反応しているつもりですが、「他のボランティアが対応しました」となりなかなか対応できません笑。コールは何十回と鳴り、対応ボタンを押しているのですが…なかなか倍率が高いようです。登録ボランティア300万人は伊達ではないようです。
ちなみに1回目は、どれがどのドレッシングか見分けて欲しいという依頼でした。キューピーなどビンや蓋に「どれ」という点字がついている商品はありますが、何味かの点字はついていないのです。
2回目は、繁華街で信号の判断ができないので青信号になったら教えてほしいという依頼でした。視覚障がいの方は、並行する車の発信音や周囲の人の動きなども信号機の識別に活用されています。音響信号機があればいいのですが、近隣住民への配慮から、夜間は音が鳴らないことが多いのです。
3回目は、主婦の方から、子どもの靴下のペアと上下の衣服の組み合わせを見てほしいというものでした。触っても色はわからないですし、色の組み合わせって難しいですよね。僕の色の組み合わせセンスが悪くなければいいんですが笑。
4回目はギフトボックスの中身が何かというもので、石鹸やボディソープ、バスソルトなどの解説をしました。
5回目は大量のペットボトルの中身の仕分けで、アップルティーやオレンジティー、ルイボスティー、ハイビスカスティーなどの種類をお伝えしました。
しばらく間が空いて久しぶりの6回目は手元にあったゴミ袋の容量や枚数をお伝えしました。
またしばらく空いての7回目は撮影した動画がきちんと撮れているかどうかの確認でした。撮影したものが画面に写っているかどうか、位置調整するのはなかなか難しいですよね。
久しぶりの8回目は、携帯電話の画面に映った番号を読み上げてくださいという依頼でした。携帯の画面全部がなかなかこちらのカメラ画像に写らず、また携帯の画面がすぐに真っ暗になってしまい、なかなかスムーズにお伝えできませんでした。
9回目はボトルのパッケージを見て、何かをお伝えしました。赤だしの濃縮お味噌汁なんてあるんですね。丁寧にあいさついただき、恐縮してしまいました。最近は娘が気になって「パパ誰と話してるの?」と尋ねてきます笑。
10回目はパソコンのキーボードからインサートキーを探して欲しいという依頼。右から左に探すも見つからず…最終的にテンキーの0の下に小さく「ins」と書かれていたのを無事に発見できました。
11回目は冷凍食品?のパッケージを識別して欲しいという依頼。紅鮭の塩焼きと鯖の煮付けを仕分けしました。
12回目はラジオのメニュー画面についての確認で、左キーを押して端でストップするのか?という相談でした。左右や上下のキーを押しても結局はストップせずに次の段やページに移ってしまうようでなかなか使いにくい感じ…別のモードからメニューを押しても前回操作していた場所から再開…音声読み上げもないようで難しいですね…と確認して終わりました。部屋でも靴箱でも物理的な端までいけば、そこからいくつ目なのかを覚えておけば辿り着けるものですが、端のない電化製品ディスプレイの操作で音声の読み上げもないと、なかなか難しいですよね。
お互いに名乗る必要はないので、気を使いすぎることもなく気軽に対応できるのも利点ですよね。
自分が無理でも、世界中にボランティアが300万人もいると思うと、他の誰かに任せても大丈夫と思えます。
盲学校で働く僕からすれば、視覚障がいの方が日常の中で困っている具体的な場面を知ることができて有り難い面もあります。
まとめ
ビーマイアイズの説明いかがでしたか。
有料で同じようなサービスはありますが、世界中の人がちょっとだけ自分のできることで困っている人を助けるこの仕組みをとてもいいなぁと思います。
この記事を読んだ視覚障がいの方は、気軽に登録して活用されたらいいんじゃないかと思いますし、見えている方は気軽にできるときにだけできるボランティアくらいの感覚で登録されてもいいんじゃないかなと思います。
必要なサポートをできる人ができる範囲ですること、もちろん制度的なサポートは必要で求めていがないといけないけれど、今できる隙間をみんなの思いやりで埋めていけたら、いろんなことの在り方が変わってくるのかなぁ。
もしよければ、登録してみてはどうでしょうか。
iOS版はこちらから、Android版はこちらからダウンロードできます。
表紙の画像は、AppStoreより引用しました。