教材紹介【生活/SST】「こんな時どうする?」
「授業で学んだことを生活の中で活用してほしい…というか、生活につながる内容を学習に取り入れたい」そんな風に思いながら、日々授業づくりに取り組んでいます。
今回はそんな生活につながる学習に活用できる教材「こんな時どうする?」を紹介します。
無料でダウンロードできる「やんちゃワークス」さんの教材です。
サイトではこんな感じで紹介されています。
と、まずは実物を見てみましょう。
(画像はやんちゃワークより)
こんな問いかけと、それぞれに黄色の信号機とトラックのイラストが掲載されているシンプルなプリントです。
お題は「ともだちの消しゴムをなくしてしまった」「停電になって電気がつかない」「のどがいたくてせきが出る」「地震がきた」「こうえんであそんでいたら、あつくてのどがかわいた」など生活の中のいろんな場面が取り上げられています。
僕自身は授業の中で生活に関連する内容を取り上げるようにしています。
人体について学ぶときは、消化と関連させて栄養バランスやうんちで健康をチェック、免疫と関連させて風邪や負傷時の対処法、どの科を受診したらいいか、問診票の書き方など
公共の施設について学ぶときは、例えば警察の役割だけでなく、自分たちの暮らしとどう関連しているか、「どんなときに警察に相談したらいいのか」を考えるなど
防犯学習では、断る、大きな声を出す、逃げるなどの実際の場面で役にたつ行動をロールプレイで練習するなも
防災学習では、具体的な避難行動を練習する、校内や自宅内での危険箇所とその対策を確認する、避難時の具体的集合場所(⚫︎⚫︎公園の遊具の近くなど)やハザードマップで確認した危険な場所を家庭で共有するなど
憲法や法律について学ぶときには、「こども六法すごろく」で生活に関わる具体的な法律を知る、こどもの権利条約で自分に認められている具体的な権利を知るなど
いろんな情報を解説して聞くだけでは、YouTubeやインスタ、TikTokで流れてくるショート動画を見ているのと大差ないかもしれません。
でも、この「こんなときどうする?」のような問いかけを活用することで、学んでいる内容を子どもたちの自分ごとにすることができます。
「なぜ学ぶのか」「なぜそうすべきなのか」を学ぶ子どもたち自身がわかっているか、納得しているかどうかはとても大事なポイントです。
子どもたちが「それは役立ちそうだな」とニーズを感じて、自分ごととして取り組むなら、きっとその内容は深く刻まれ、その先で子どもたちを助けてくれるのだと思います。
また、どうすればいいのかを考える、複数の選択肢の中から自分の答えを選ぶ中で、例えば「落ちていた百円を拾うのは犯罪になるってこども六法すごろくで習ったよな」のように、そうすべき理由を考えたり、これまで学んだ内容とリンクして考えたりできるようになっていくのです。
もう1つの大事な視点は選択肢を増やすことです。僕の関わる子どもたちの中には、「いつでもこうすべき」やこのやり方しか知らないなど、取る行動の選択肢が少ない子たちがたくさんいます。
困った場面になればすぐ逃げる、あるいは怒る
友だちとの上手な関わり方がわからずイタズラしたりからかったりしかできない
真面目で何事にも手が抜けず、頑張りすぎて疲れてしまう
そんな子たちにとって、「こんなときどうする?」のような課題を通して、「どうすればいいのか」を考え、自分だけでなく周りの大人や友だちの意見を聞くことは、自分の行動を振り返ったり、選択肢を増やしたり、より適切な代替手段を考えていくことにつながるかもしれません。
そんな感じで「こんな時どうする?」活用してみてはいかがでしょうか。
ちなみにやんちゃワークスさんの教材に「こんなとき なんていう?」や「こんな時、どうやって断る?」もあります。
(画像はやんちゃワークより)
(画像はやんちゃワークより)
こちらもいろんな場面で「どう伝えたらいいのか」を具体的に考える、生活の中で活用できる教材です。
もちろんそれ以外にも様々な種類の課題別プリントデータが無料でダウンロードできます。やんちゃワークさんのホームページも是非覗いてみてください。
表紙の画像はやんちゃワークより引用した「こんな時どうする?」のプリント画像です。