教材紹介【きもち】「わたしの好きなものリスト」
今回は僕が年度始めによく取り組む「わたしの好きなものリスト」を紹介します。
新年度、自己紹介…は何度も繰り返して大人も子どももネタがつきできますよね。何度も決まりきった自己紹介するのがめんどくさい子もたくさんいます。
そこで職場の先輩から学んだわたしの好きなものリストをすると違った角度でお互いのことを知ることができるのでおすすめです。
好きなものリストって??
好きなものリストはいろんな項目についての自分の好きなものをまとめたリストをつくる取り組みです。まずはワークシートの各項目に答えてもらいます。
ワークシートに書いている説明はこんな感じです。
子どもたちが「ええっ〜?!」と驚くくらいたくさんの項目を用意します。
項目だけだと味気ないので…僕自身の回答を載せておきます笑。
色:エメラルドグリーン
花:コスモス(Mr.Children「花言葉」から)
動物:キリン(首が長くてまつ毛がチャーミングだから)
恐竜:トリケラトプス(刃牙トリケラトプス拳ンンン)
魚:デメニギス(頭が透明の謎深海魚)
虫:ニホンミツバチ(はちみつ美味しい)
植物:バオバブの木(星の王子さま)
季節:春秋(暑いのも寒いのもキライ)
天気:ややくもりの晴れ
スポーツ:バスケットボール(小中高9年間坊主頭で頑張った)
スポーツチーム:阪神タイガース(熱狂的ファンのじいちゃんと甲子園で観戦したのが思い出)
職業(仕事):教員(小学生の頃はゲームプログラマーになりたかった)
家事(お手伝い):大掃除の窓ふき(完璧にキレイにできると気持ちいい)
場所:書斎(大量の本と謎小物とモネの絵に囲まれる)、お風呂(半身浴好き)
時間:書斎で本を読んでいる時間
におい:バニラ
髪型:長めのロング(異性)
アイテム:ストール
ブランド:アーバンリサーチ、ジャーナルスタンダード(でも40代の服装を目指さないと)
テーマパーク:ディズニーランド(やっぱり夢の国)、福井県立恐竜博物館(子どもと発掘したシダ植物の化石が宝物)
行事:修学旅行(企画と引率は大変なんだけれど…)
教科:社会(日本史、世界史、倫理)
先生:中3担任の美術の先生(背伸びした受験を後押ししてくれた)
食べもの:ラーメン、焼きおにぎり、しゃぶしゃぶ(おろしポン酢が最高)
野菜:オクラ(醤油マヨであえる)
果物:メロン(キャッチ・マイ・ハート!ベリーメロン!)、スイカ(毎年ふるさと納税で尾花沢のスイカをいただいてる)
おにぎりの具:ツナマヨ、こんぶ、しゃけ
寿司ネタ:炙りチーズサーモン
ラーメン:魚介醤油系、家系
中華まん:ピザまん
飲みもの:コカ・コーラ(ペプシではない。瓶のコカ・コーラが1番おいしい)
お菓子:満月ポン、ミレービスケット
ポテトチップスの味:のりしお(湖池屋よりカルビー派)
ケーキ:タルト、ザッハトルテ
かき氷:ブルーハワイ(味は全部同じなのにね)
お祭り:ラ・トマティーナ(スペインのトマト祭り)
屋台:たません、ベビーカステラ
芸能人:特になし
お笑い芸人:笑い飯(奈良歴史民族博物館)、サンドウィッチマン
歌、曲:車輪の唄、スノースマイル、有心論、青いベンチ、名もなき詩、Million Films、Funny Bunny、雲は白リンゴは赤、COLORS、ハルカ
歌手:BUMP OF CHICKEN、RADWIMPS、フレデリック、YOASOBI、SKRYU
声優:野沢雅子
YouTuber:特になし
俳優:宮﨑あおい
画家:クロード・モネ(睡蓮が大好き、早くモネ展行きたい)
テレビ番組:ピタゴラスイッチ、ザ!鉄腕!DASH!!
映画:THE FIRST SLAM DUNK、ただ、君を愛してる
ジブリ映画:耳をすませば(「おまえを乗せて……坂道のぼるって……決めたんだ!」)
ディズニー映画:アナと雪の女王(娘が小さい頃好きで何度もDVDを観たのが思い出)
本:星の王子さま(「心で見なければものごとはよく見えないってこと。 大切なことは目に見えないんだ。」)
作家:村上春樹、伊坂幸太郎、吉田篤弘、中村文則、北村薫
絵本:ケチャップマン、うんちっち、えのないえほん
小説:ダンス・ダンス・ダンス、海辺のカフカ、夜長姫と耳男、終末のフール、小説ワンダフルライフ
雑誌:週刊少年ジャンプ
漫画:スラムダンク、ジョジョの奇妙な冒険、刃牙、よつばと!、ハチミツとクローバー、虹ヶ原ホログラフ
アニメ:新世紀エヴァンゲリオン
ゲーム機:ゲームボーイ
ゲーム(ソフト、アプリ):ファイナルファンタジータクティクス、FFシリーズ、ドラクエシリーズ、サガ・フロンティア2、MOTHER2
カードゲーム:トランプのブラックジャック
キャラクター:桜木花道
ポケモン:スターミー(初代の頃から愛用「サイコキネシス」)
妖怪:がしゃどくろ
乗りもの:新幹線(コーヒーとスジャータ)
電車:東北新幹線E5系はやぶさ
駅:新宿駅ダンジョン
路線:特になし
自動車:ミニクーパー
国:日本
都道府県:北海道
旅行先:タヒチ(新婚旅行先)
歴史上の人物:南方熊楠
ことわざ:人生万事塞翁が馬
四字熟語:四面楚歌
名言:「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」(ユリウス・カエサル)
漢字:淋(寂しいより淋しいと書きたい)
数字:50,000、√2
公式:E=mc²
その他
ただの僕の自己紹介みたいになってしまいましたね笑。
子どもたちの中に恐竜博士や虫博士、鉄道博士、ラーメン博士、イルカ博士みたいな子がいるなら、ぜひそれに関連する項目を追加しましょう。
みんなの好きなものクイズ
わたしの好きなものリストの取り組みをした後は、許可をとった上でみんなの答えを一覧表にして貼り出します(Googleフォームを使ったら一覧表作成に便利かもと書きながら思いました…普段は手打ちしているので)。
そして次の時間にみんなの好きなものについてのクイズをすることを予告し、一覧表を見たり、友だちとお互いの好きなものについて話したりしておくように伝えます。
さて、僕はその間にせっせとクイズづくりに励みます。子どもたちが特に好きな項目で選んだものや、複数人が同じ答えになっているような項目を題材にします。
実物の画像や動画、音楽があると盛り上がります。ここでは紹介できませんが、ヒントとして曲を流したり、正解の画像や動画を映したりしています。
正解だけでなく、他の子が好きなものも一緒に確認します。例えばおにぎりの具なら、「正解は③こんぶだけれど、Dさんはエビマヨが好きで、Eさんはしゃけで、メガネ先生はここには載っていないツナマヨだよ」みたいな感じです。
特に好きなものをみんなで共有することで、その子のキャラクターが確立されるというか、その子と会話するきっかけが生まれます。好きなものについて語るときってみんな生き生きしますもんね。野球好きの先生には恒例の昨日のプロ野球の話題を振るみたいなイメージです。
またお互いに好きなものが同じなら、それが共通の話題になるかもしれません。
そんな風にこの先の子どもたちの関わりにつなげられたらと思って、自己紹介代わりの好きなものリストの取り組みをしています。
自分と他者の違いを認識する
もう一つねらいにしているのは「自分と他者の違いを認識すること」です。
当たり前の話ですが、みんなそれぞれ好きなものは違います。好きなおにぎりの具も、ポテトチップスの味も、動物も、同じこともあれば違うこともあります。でも全部が自分と同じ人はいません。
自分が大好きな鉄道や恐竜や妖怪ウォッチをみんなが好きとは限らないですし、なんなら全く興味ない人の方が多いかもしれません(もちろん、みんなと同じとか違うとかと、自分の好きなものは関係ないのですが)。
支援学校には、自分以外の視点や考え方をイメージするのが苦手な子がたくさんいます。
なので、友だちの好きなものリストを眺めたり、クイズを通して自分と他者の違いを体感してもらうのです。僕自身も「みんなそれぞれ好きなものはもちろん、嫌いなものも、いろんなものへの考え方やきもちも違うこと」を繰り返し伝えます。
そうやって自分と他者の違いを知ることは、友だちなど他者のきもちを考えることにつながります。それに相手のきもちを考えるためには、相手のことを知ることが欠かせません。
こんな自分の好きなものを伝える工夫もありますよ
別の記事でも紹介しましたが、子どもたちの好きなものにはすごいパワーがあります。
僕は教材づくりや子どもたちとの関わりにその子の好きなものをよく使います。そのためにも、好きなものリストで子どもたちの好きなものを知っておくのは役に立ちます。
たくさんの好きなものを使って自己紹介する取り組みをされている同僚の方もいます。ヨシタケシンスケさんの『ぼくのニセモノをつくるには』の1ページのようなイメージです。
(画像はえほんポケットより)
『偏愛マップ(斎藤孝)』という本もおすすめです。
自分の好きなものを語ることで人との距離がグッと縮まるんです。子どもたちだけでなく、職場の大人同士でするのもおすすめですよ。
(画像はほっこりブランディングより)
まとめ
「わたしの好きなものリスト」についての紹介どうでしたか?これだけたくさんの項目、なかなか思い浮かばずに「ない」や「わからない」が多くなる子もいます。でも重ねていくことで自信をもって答えられる項目が増えていきます。
相手のことを知ることは、コミュニケーションのきっかけにも、トラブルの芽を減らすことにも、相手のきもちを考えることにもつながります。記事の中で紹介したように、好きなものにはすごいパワーもあります。
子どもたちにも、また大人同士でもオススメです。前に同じ学年の先生方にやってもらったときも、お互いの思わぬ共通点が見つかって話題が広がりました。
またお互いの違いを知ることにもつながるツールでもあります。よく「自分がされて嫌なことを友だちにしないように」という指導がありますが、それだけでは不十分なんです。中には「僕は○○をされても別に嫌じゃないよ」と言う(実際に感じている)子もいます。そうではなく、前提としてみんなそれぞれ考え方や感じ方が違うということを押さえた上で、「相手が嫌と思うかどうかを想像して、相手が嫌だと思うことはしないようにしようね」と話さないと伝わらないんです。
そんないろんなことを考えるきっかけにもなるすきなことリスト。実際にやってみると面白いので、よければぜひ活用してください。
表紙の画像はBOOTHより引用した好きなことリストコマンドの写真です。