【エッセイ】失われた福をコンビニで買った話
最近プチ不運が続いている。
テレビが臨終したり
駅の階段から転げ落ちたり
携帯が臨終したり
気取ったカフェで鼻血を噴き出したり…等
一つひとつは大したことはないが、ここ数日で立て続けに起こっている。
(汚いものを、申し訳ない。モザイクかければよかった)
中々珍しいことなので、いい話の種ができた、とウケ狙いで喋った。
私が予想したのは「竹上ちゃんは、おっちょこちょいね〜」的なささいな笑い話になる流れだった。
が、違った。
心配された…。
なにか良くない流れができているだとか
大殺界かもとか
霊が何か言っている、とか
どうやら、スピリチュアル的な問題があるようだ。
ウケるのを期待していた私は拍子抜けしたが、何分霊的なものには疎いし、占いも行ったことがないものだから、訳のわからなさにその分怖さを感じる。。。
そんな中、姉御的なスタイリストさんが、驚きの提案をした。
「粗塩で体を擦り、酒で流すと、いい気がする」
…想像するだけで皮膚がひりついた。
荒療治だ。荒療治すぎる。
だが、盛り塩わ清め酒というものもあるから、言っていることはおかしくはないのだろう。
現に、スタイリストの姉御はたまに実践してるらしい。
想像通り、痛くて冷たいとのことだった。
いい気分には、なるらしい。
それで運が良くなればいいと、実践も考えたのだが、もし私に霊的なものがついているとしたら、そいつは私に似て、軟弱者で陰気臭いに違いない。
そんな奴が、荒療治をして素直に退散してくれるとは思わない。
きっと根に持って、もっと働いてやろうと思うだろう。
こいつがトイレに入る時は、いつもトイレットペーパー最後の数センチにしてやろう、とか
納豆のタレ、いつもぶちまけさせてやろうとか、そんな不運に見舞われ続けたら堪らない。
心苦しいが、その荒療治は断念した。
決して、逃げたわけじゃないからね。
かといって何も対策をしないのも良くないと悩んだが、今日はなんと、節分だ。
アイツに、頼ることにした。
恵方巻き!(コンビニ産)
食べるのは子供の時以来だ。
家族みんなで食べた記憶を思い起こし、ほろりと泣きそうになる。
さて、
今年は北北西を向いて食べるといいということで、アプリで恵方を調べ(恵方巻き専用のアプリがあって感動!)、コンビニ産の恵方巻きにかぶりついた。
目を閉じてお願い事をしながら無言で食べ切るといい、とWikipediaに書いてあったので、その通りにした。
目を瞑って食べる時間は普段ないことで、楽しかったし、味もより美味しく感じる。
幸運もちゃんと祈った。
コンビニ産といえど、恵方巻きは恵方巻きだ。
きっと、福が来るに違いない。
最後の一口を酒で流し込み、満ち足りた私。
これから、福が、くるのだ。
目を開けると、驚きの光景が。
服の上に、うなぎときゅうりと干瓢が散乱している。
私のふくが!!!
思わず叫んだ。