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岡本太郎展@中之島美術館


ねこが侵略しにきたのか

快晴の中之島美術館にて

画期的な展覧会だった

美術館といえば、一言も発してはいけない
自分の足音でさえ忍びなくなるほど、静謐な空間

しかし、
岡本太郎展はちがった

赤ちゃんは怖いと泣き叫び、

子供たちは興奮して走り、

大人たちはひそひそと会話しながら楽しそうに絵を見る

勿論、静かに見る人もいるけれど、足取りは力強い
足音なんて、なんのその

といった感じだ


岡本太郎氏自身、
「これは、〇〇というすごい画家が描いた絵だ、心して観なければ」
という恭しさを嫌っていたそうだし

絵を見て「やなかんじ」と言って帰った女性がいた、という話に喜んだというエピソードもある

「芸術は、綺麗じゃいけない」

その彼の言葉に集約される通り、
生々しく、暑苦しく、賑やかな空間だった

全ての作品が撮影可能というところも、そういう意味なのだろうか

『作家』
『明日の神話』
民俗学からインスピレーションした土偶

どの作品も、おどろおどろしいのだが、
どこか茶目っ気を感じるのは私だけだろうか

中でも、私が一番すきだったのは、『ノン』という作品だった

可愛らしい怪獣が、NOを突きつけている
その手が嫌に人間らしい、そして優しげ

手と手を触れ合わせたくなった

実物はもっと迫力があるから、ぜひご覧になってほしいと思う

そして、私が一番どぎつい印象を受けたのが、
最後の作品

『雷神』(未完)

画面いっぱいにほとばしる生命感

なんと、この絵が、岡本太郎氏の最後の作品

数えきれないほどの作品を作り続け、老いる体なら抵抗し、なおも自らの情熱をキャンバスに飛び出しそうなほど塗りつける

こんなじいちゃんズルすぎ…
かっこよすぎ…

そして、未完て…
まだ、やる気でしたのね

エネルギーを得られるどころか、
自分の無力さを叩きつけられる2時間だった


(ああ、他局協賛の展覧会について書いたら怒られるかもなあ)

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