ペーパードライバーが巨大車用品展に行った話⑦……遅くなりました(土下座)
初詣からの帰り道、ペーパードライバーを脱するべくハンドルを握るも、険しい山道に突っ込んでしまった私
びびり倒し、運転を放棄した
運転した時間は15分ほどだったかもしれない。大阪に戻るまでには3時間以上かかる
しかし、無理をしなくてよかったとも思う
その後、山をいくつも越えていくなかで、山頂付近には道の端に少々雪が残っていたのだ
それに、私は自慢ではないが
自分に期待して生きていない!
目標のハードルは低い!
……えへん!
つまり、私は15分のドライブで十分やりきったと感じていた
そして、満足をした私は持参したせんべいをばりばりかじり目をつむった
運転している人に申し訳ないから、起きていよう、とかいう気持ちも微塵もない。だって私は、仕事をしたもの!
肩を叩かれ目を覚ますと、どこかの駐車場に車が止まっていた。車が沢山止まっていて、カラフルな旗がたくさん
積み上がったタイヤも見える
素朴な南紀の冬の山道からはかけ離れた賑やかさに面食らう
師匠は「車が汚れたから、掃除道具を買う」と言った
こうして、私は巨大な車用品店に乗り込むことになったのだ
立場上、商品が映るとややこしいので写真を使えないのだけれど、とにかく、とにかく、横にも縦にも大きくてびっくり
ピカピカの車のホイールが天井近くまで積み上がっているのも、デザインの豊富さにも驚きで声が出た
車のシートに、ライトと言った大きなものから、ステッカーや香りつき消臭剤、ハンドルカバーといった個性を出すものまで、ありとあらゆるものが広大な店内に溢れていた
もちろんお掃除コーナーも充実
窓用・ボディ用・室内用と細かく別れたウェットシートがあり、師匠はうきうきと全て購入していた
車を拭きながら師匠は言った
車はたのしいね、と
私ははっとした
車を楽しいものだと捉えたことはなかった。
生きるために必要な術としか考えたことがなかった
きっとみんな自分の車を愛しているのだ。だから、車を綺麗にして、カスタムして、自分だけの愛車に磨きを掛けるのだ
おとなの贅沢な遊びだね
私もいつか自分の車をもったらそう思えるのかも。
ただ、車は凶器にもなり得る。それを天秤にかけると、私にはまだまだおとなの贅沢は早いかもしれない
私のペーパードライバー歴はまだまだ続きそう
【あとがき】
このお話、覚えていただいてたでしょうか…。
私の日記のようなエッセイのような駄文によくもまあ目を通してくださる、優しさでできているバファ○ンのようなみなさんなら、きっと許してくれるはずと思い書きました。
いつも読んでくださってありがとうございます。