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英語の第五文型(SVOC)

英文法では、英文の語句が:

[主語(S)] [他動詞(V.t)] [目的語(O)] [補語(C)]

の順に並んでいるものを、第五文型(SVOC)と名付けています。(「V.t」は 「transitive verb」の意。)

語句の間に「助動詞」「修飾語(M)」が入ることも、もちろんあります。

第五文型(SVOC)に分類される英文の中の動詞は全て他動詞です。

因みに、第一文型(SV)、第二文型(SVC)、第三文型(SVO)、第四文型(SVOO)ついては『英語の「基本5文型」説明の記事集 』から記事を辿ってください。

ここからは、第一文型(SV)と第二文型(SVC)と第三文型(SVO)と第四文型(SVOO) をご理解していただいたと想像した上で、話をすすめていきますので、ご了承ください。

さて、第五文型(SVOC)を再度確認致します。

英文の語句が:

[主語(S)] [他動詞(V.t)] [目的語(O)] [補語(C)]

の順に並んでいるものを第五文型(SVOC)に分類します。

1.「補語(C)」とは?

第五文型(SVOC)を理解するには「補語(C)」の概念を理解しておく必要があります。再度確認しておきます。

「補語(C)」の「C」は「Complement」の頭文字で「補うもの」という意味ですが、文法用語では「補語」と呼びます。

「補語(C)」は「主語(S)」と「目的語(O)」に「どんなモノであるか」「どんな状態であるか」などの情報を与える語と言えます。

「補語(C)」の部分には:
「名詞(a friend、a catなど)」
「代名詞(me、youなど)」
「動名詞(drinking、eatingなど)」
「不定詞の名詞的用法(to eat、to drinkなど)」←諸説あり???
「形容詞(cute、angryなど)」
「現在分詞(eating、drinkingなど)」
「過去分詞(eaten、drunkなど)」
「副詞(home、upなど)」←諸説あり
「前置詞句(on the table、in the classroomなど)」←諸説あり
「名詞節(that he went home、a boy who is playing baseball now、 whether she is coming here or notなど)」

を置くことができます。

通常「主語(S)」と「補語(O)」の間には以下の関係が成り立ちます。

"「主語(S)」は「補語(C)(具体的なモノ・コト/状態」である。"

より簡単に言えば、

「主語(S)= 補語(C)」

の関係が成り立ちます。

また、通常「目的語(O)」と「補語(C)」の間にも以下の関係が成り立ちます。

"「目的語(O)」は「補語(C)(具体的なモノ・コト/状態」である。"

より簡単に言えば、

「目的語(O)= 補語(C)」

の関係が成り立ちます。

第五文型(SVOC)を理解するには、後者の理解が必須となります。

2. 第五文型(SVOC)の英文の他動詞

第五文型(SVOC)に分類される英文の中の他動詞は以下のようなものです。

よく見られるものを10個ほどあげると:

call(~と呼ぶ)
find(わかる、見つける)
have(~させる)
hear(聞こえる)
keep(~の状態にする)
leave(~の状態にする)
let(~させる) make(~の状態にする / ~させる) see(見る)
smell(臭う)

などです。

3.「call」と「make」と「find」の第五文型(SVOC)

先に挙げた他動詞の中でも「call」と「make」と「find」は第五文型(SVOC)の説明に用いられる他動詞の超代表格で「call」と「make」と「find」なしでは第五 文型(SVOC)を語ることはできません。

ですから、まず「call」と「make」と「find」のある第五文型(SVOC)を見て、この文型がどのようなものであるかを知ってください。

その前に、第五文型を理解する時は、動詞の後を一旦区切って、

「主語(S)」は「動詞(V)」/ 「目的語(O)」は「補語(C)」である

という感じで行くと分かりやすいかなと思います。

では、「call」のある例文を見てみましょう。

You can call me Hiro.
You can call / me Hiro.
(直訳:あなたは呼べる、私がヒロであると。→ ヒロと呼んでください。)

上記の英文では:

「You」は
意味:あなた
品詞:主格代名詞
機能:主語(S)

「can call」は
意味:呼ぶことができる
品詞:助動詞+動詞(V)
機能:動詞(V)

「me」は
意味:私
品詞:目的格代名詞
機能:目的語(O)

「Hiro」は
意味:ヒロ
品詞:固有名詞
機能:補語(C)

です。

そして、

me = Hiro

の関係が成り立っています。

次に、「make」のある例文を見てみましょう。

You always make me happy.
You always make / me happy
(直訳:あなたはいつも作る、私が幸せである状態を。→ 君はいつも僕を幸せにしてくれる。)

「You」は
意味:あなた
品詞:主格代名詞
機能:主語(S)

「always」は
意味:いつも
品詞:副詞
機能:修飾語(M)

「make」は
意味:~の状態にする
品詞:動詞(V)
機能:動詞(V)

「me」は
意味:わたし
品詞:目的格代名詞
機能:目的語(O)

「happy」は
意味:幸せ
品詞:形容詞
機能:補語(C)

です。

そして、

me = happy

の関係が成り立っています。

最後に、「find」のある例文を見てみましょう。

He found English interesting.
He found / English interesting
(彼はわかった / 気付いた / 発見した、英語は面白いと。→ 彼は英語は面白いと気付いた。)

「He」は
意味:彼
品詞:主格代名詞
機能:主語(S)

「found」は
意味:見つけた、発見した、気付いた、わかった
品詞:動詞(V)
機能:動詞(V)

「English 」は
意味:英語
品詞:名詞
機能:目的語(O)

「interesting」は
意味:おもしろい
品詞:形容詞
機能:補語(C)

です。

そして、

English = interesting

の関係が成り立っています。

4.「第五文型(SVOC)」例文集

では、「補語(C)」に来る品詞ごとによく見かける第五文型(SVOC)を紹介しますので、理解を深めましょう。

ここからは:

主語(S)は [◯◯]
動詞(V)は <◯◯>
目的語(O)は (◯◯)
補語(C)は "◯◯"
修飾語(M)は {◯◯}

で括りますので、ご了承下さい。

また、第五文型(SVOC)の説明では、括った要素は一塊として扱います。

ですから、括った要素の中に、二重に「修飾語(M)」や「目的語(O)」が存在する場合は、「 {◯◯}」や「(◯◯)」はつけませんので、ご了承下さい。

5.「補語(C)」が「名詞」の第五文型(SVOC)

That movie made him a star.
[{That} movie] <made> (him) "{a} star".
(直訳:その映画は作った、彼がスターである状態を。→ その映画は彼をスターにした。)

him=astar

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I named my dog Mochi.
[I] <named> (my dog) "Mochi".
(直訳:私は名付けた、自分の犬はモチであると。→ 犬にモチと名付けた。)

my dog = Mochi

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People elected Mr. Tanaka governor.
[People] <elected> (Tanaka) "governor".
(直訳:人々は選んだ、山田さんが知事であると。→ 人々は山田さんを知事に選んだ。)

Mr. Yamada = governor (「補語(C)」が役職や身分を表す時は無冠詞)

6.「補語(C)」が「形容詞」の第五文型(SVOC)

He made me angry.
[He] <made> (me) "angry".
(直訳:彼は作った、私が怒っている状態を。→ 彼は私を怒らせた。)

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We need to keep the window open.
[We] <need to keep> (the window) "open".
(直訳:私達は維持する必要がある、窓が開いている状態を。→ 私達は窓を開けたままにしておく必要がある。)

☆このopenは形容詞

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Leave me alone.
<Leave> (me) "alone".
(直訳:放っておいて、私が一人である状態を。→ そっとしといて!/ 私にかまわないで!)

☆この文は命令形

7.「補語(C)」が「現在分詞」の第五文型(SVOC)

You should not keep the engine running.
[You] <should not keep> (the engine) "running".
(直訳:あなたは維持するべきじゃない、エンジンがかかっている状態を。→ エンジンをかけっぱなしにすべきじゃない。)
☆この「run」は「機械を操作する」の意

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I found myself lying in my bedroom.
[I] <found> (myself) "lying in my bedroom".
(直訳:私は発見した/気付いた、自分自身がベッドに横になっている状態を。→ 気がつくと私は自分の寝室で寝ていた。)

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She noticed him looking at the mirror.
[She] <noticed> (him) "looking at the mirror".
(直訳:彼女は気が付いた、彼が鑑を見ているのを。→ 彼女は彼が鏡を見ているのに気が付いた。)

8.「補語(C)」が「過去分詞」の第五文型(SVOC)

We must keep the door closed.
[We] <must keep> (the door) "closed".
(私達は維持しなきゃいけない、ドアが閉められている状態を。→ ドアを閉めたままにしておかなきゃいけない。)

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He found the book hidden in the box.
[He] <found> (the book) "hidden in the box".
(直訳:彼はわかった/気付いた、本が箱の中隠されていることを。→ 彼は本が箱の中に隠されていることを知った。)

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I need to get my homework done by tomorrow.
[I] <must get> (my homework) "done by tomorrow"
(直訳:私は得なけれならない、宿題が明日までにされる状態を。→ 明日までに宿題をしなきゃいけない。)

9.「補語(C)」が「不定詞の名詞的用法」の第五文型 (SVOC) ← 諸説あり???

I want you to die.
[I] <want> (you) "to die".
(直訳:私は欲する、あなたが死ぬことを。→ お前に死んでほしい。)

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I must remind him to call me tomorrow.
[I] <must remind> (him) "to call me tomorrow".
(私は思い出させなければならない、彼が明日私に電話することを。→ 彼に明日電話するように念をおさなきゃ。)

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The Internet enables us to communicate more easily with each other.
[{The} Internet] <enables> (us) "to communicate more easily with each other ".
(直訳:インターネットは可能にする、私達が互いにもっと容易く情報交換することを。→ インターネットは私達がもっと気軽に連絡をとりあうことを可能にする。)

★ 私自身はこの構文は第四文型(SVOO)に近いんじゃないかなあと考えておりま す。これに関しては別に記事に致します。

10.「補語(C)」が「副詞」の第五文型(SVOC) ← 諸説あり

Don't leave the TV on.
<Don't leave> ({the} TV) "on".
(直訳:放っておくな、テレビがついている状態を。→ テレビをつけっぱなしにするな。)

☆この「on」は「副詞」
☆この文は否定の命令形

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I will let some fresh air in.
[I] <willlet>({somefresh}air)"in".
(直訳:私は許可する/許す、新鮮な空気が入ることを。→ 新鮮な空気を中に入れた。)

☆この「in」は「副詞」
☆「I will let in some fresh.」も可能

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The flight attendant let the passengers through.
[{The flight} attendant] <let> ({the}passengers) "through".
(直訳:その客室乗務員は許可した、乗客達が通り抜けるのを。→ その客室乗務員は乗客達を通らせた。)

☆この「through」は副詞

11.「補語(C)」が「前置詞句」の第五文型(SVOC) ← 諸説あり

I must keep my skin in good shape.
[I] <must keep> <{my} skin> "in good shape".
(直訳:私は維持しなければいけない、肌が良い調子であることを。→ お肌を良い状態に保たないといけない。)

12.「補語(C)」が「名詞節」の第五文型(SVOC)

You have made me what I am.
[You] <have made> (me) "what I am".
(直訳:あなたが作った、私が何者であるかを。→ あなたのおかげで、今の私がある。)

13.「補語(C)」が「原形不定詞」の第五文型 (SVOC) PART1 - 知覚動詞編

I saw the accident happen.
[I] <saw> (the accident) "happen".
(直訳:私は見た、事故が起こるのを。→ 私は事故を目撃した。)

オマケ1:「補語(C)」が「現在分詞」の場合
I saw my friend standing there.
[I] <saw> (my friend) "standing there".
(直訳:私は見た、友達がそこに立っているのを。→ 私は友達がそこに立っているのを見た。)

オマケ2:「補語(C)」が「過去分詞」の場合
We saw the dog killed.
We] <saw> (the dog) "killed".
(直訳:私は見た。その犬が殺されるのを。→ 私はその犬が殺されるのを見た。)

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I heard somebody scream outside.
[I] <heard> (somebody) "scream outside".
(直訳:私は聞こえた、誰かが外で叫ぶのを。→ 誰かがそとで叫ぶのが聞こえた。)

オマケ1:「補語(C)」が「現在分詞」の場合
I heard my friend singing an English song.
[I] <heard> (my friend) "singing an English song".
(直訳:私は聞こえた、友達が英語の歌を歌っているのを。→ 友達が英語の歌を歌っているのを聞いた。)

オマケ2:「補語(C)」が「過去分詞」の場合
I heard my name called.
[I] <heard> (my name) "called".
(直訳:私は聞こえた、私の名前が呼ばれるのを。→ 私は自分の名前が呼ばれるのが聞こえた。)

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I felt something touch my foot.
[I] <felt> (my cat) "touch my foot".
(直訳:私は感じた、猫が私の足元に触れるのを。→ 猫が足元に触れるのを感じた。)

オマケ1:「補語(C)」が「現在分詞」の場合
I can feel my face getting red.
[I] <can feel> (my face) "getting red".
(直訳:私は感じることができる、顔が赤くなってくるのを。→ 顔が赤くなってくるのを感じる。)

オマケ2:「補語(C)」が「過去分詞」の場合
I felt myself lifted up into the air.
[I] <felt> (myself) "lifted up into the air".
(直訳:私は感じた、自分自身が空中に持ち上げられるのを。→ 体が宙に浮いた。)

14.「補語(C)」が「原形不定詞」の第五文型 (SVOC) PART2 - 使役の意味で使われる編

My mother makes me study English every day.
[My mother] <makes> (me) "study English every day".
(直訳:母は作る、私が毎日英語を勉強することを。→ 母は私に毎日英語を勉強させる。)
☆「make X do = Xに/を~させる」という使役表現(強制的)

オマケ:「補語(C)」が「過去分詞」の場合
I cannot make myself understood in English.
[I] <cannot make> (myself) "understood in English".
(直訳:私は作ることができない、私自身が英語で理解されることを。→ 英語が通じない。)

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My father let me drive his new car.
[My father] <let> (me) "drive his new car".
(直訳:父は許可した、私が彼の新しい車を運転することを。→ 父は新車を運転させてくれた。)
☆「let X do = Xに/を~させる」という使役表現(許可)

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The teacher had the students read the textbook aloud.
[The teacher] <had> (the students) "read the textbook aloud".
(直訳:その先生は持った、学生達が声を出して教科書を読むことを。→ 先生は学生達に声を出して教科書を読ませた。)
☆「have X do = Xに/を~させる」という使役表現(やや強制的) ☆「~してもらう」とも訳せる。 ☆「have」は「補語(C)」の部分に「形容詞」「過去分詞」「副詞」が置け、意味 も多岐に渡るので、別の記事で取り上げます。

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オマケ:「get」の使役表現
I will get my friend to do my homework.
[I] <will get> (my friend) "to do my homework".
(直訳:私は得る、友達が私の宿題をすることを。→ 友達に宿題をやらせる。)
☆「get X to do = Xに/を~させる」という使役表現(ゆるい強制)
☆「~してもらう」と訳す方が多い

以上で第五文型(SVOC)の説明は終了です。

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