知らないでいられることの貧しさ/高知東生『土竜』
以前から読者の感想ツイートを目にしていて楽しみにしていた高知東生著『土竜』を読む。その中の「シクラメン」が衝撃だった。
昭和の高知の匂い、土地の記憶、性と暴力、戦争や空襲といった歴史背景…それらが何層にも絡みあって、物語/小説を読むことの面白さが更新されるような読書体験だったな
過去も歴史も戦争も知らない、その人の事情や背景も知らない、なにも知らず想像もできずに蔑んで嗤ってしまえることの貧しさ、愚かさ
嘲笑・侮蔑には都合のいい対象、この世界の多数はそういう存在によって生かさ