12月6日、心温まる聖ニコラウスの日。
12月に入り気温もぐっと下がり、ドイツはもうすっかり冬です。
日本でもいろいろなアドベントカレンダーを見かけるようになり、「アドベント」という言葉を耳にする機会が増えましたよね。
クリスマス前の4週間のアドベントの時期は、みんなでクッキーを焼いて一緒に食べたり、キャンドルやライトを灯してゆったり過ごしたり、外は寒いけれど、心がぽかぽかになる期間です。
ドイツでは、12月6日は聖ニコラウスの日と言って、特に子どもたちとってはプレゼントがもらえるわくわくの日。
特に今年は息子が保育園に通い出してから初めての聖ニコラウスの日だったので、私にとっても嬉しいことがたくさんの一日になりました。
聖ニコラウスって??
今から何百年も前のこと。
両親からたくさんの財産を相続した、ニコラウスという裕福な男の人がいました。ある晩、ニコラウスが外を歩いていると、仕事もなく貧しく、3人の娘の結婚費用も、食料を買うお金さえもない父親の嘆きを聞きました。ニコラウスはこの父親と娘たちを助けることに決め、すぐさま家に帰り、袋に金貨を詰め、苦しんでいる父親と娘の家に急いで戻りました。ニコラウスは、開いている窓の隙間から金貨の入った袋を投げ入れました。金貨が床に落ちカチャカチャと鳴った音を聞き、袋を見つけた父親は、袋の中の金貨を見てたいそう驚きました。「この金貨が私たちの物であるなら、食料も調達できるし一番上の娘の結婚費用にも十分だ!誰が私たちにこんな豪華な贈り物をしてくれたのだろうか?」
次の日の夜4人が寝ていると、ニコラウスはまた窓の隙間から小さな袋を投げ入れました。その中には豪華な装飾品が詰まっていました。「これでまた食料が買えるし、2人目の娘の結婚費用も出せる。一体誰がこんなことをしてくれるのだろうか?」
次の日の夜、父親は寝ずにこっそり隠れていました。すると窓からまた小さな袋が投げ入れられました。その中には宝石が!父親はすぐに家を飛び出し、ニコラウスを捕まえ、ひざまづいてニコラウスに感謝の気持ちを伝えました。
ニコラウスはその後も多くの困っている人たちを助け続けました。司教として奉献された聖ニコラウスとその心優しい行為は今でも語り継がれています。
朝目が覚めたら!家でのニコラウス🎁
キリスト教圏の他の国の習慣は分かりませんが、ドイツでは、夜中にニコラウスがこっそりうちにやって来て、ブーツの中にみかんやナッツやお菓子などの小さなプレゼントを入れておいてくれます。
いい子にしてたこどもたち、そして前日にブーツをきれいに磨いておいたこどもたちのところにニコラウスが来てくれると言われています。
もう16年も前のこと、私のドイツで初めてのニコラウスはドイツ人家族のところにホームステイをしていたとき。
優しいホストファミリーが、私のブーツにもみかんやくるみを入れておいてくれました。聖ニコラウスの日の習慣を知らず、朝起きて急いで語学学校に行こうとしていた私は、ブーツに食べ物が入っていることに、
「靴に直接食べ物を入れるの??😳」(もちろんみかんは皮のまま、くるみも殻のままですが。)
と衝撃を受けたのを覚えています。
ドイツで生まれ育った夫はニコラウスの習慣とともに育ったものの、日にちの感覚に欠けているので(そもそも今日が何日で何曜日か把握していないので、誕生日も記念日も忘れがち😅)、これまで私のブーツにニコラウスがプレゼントを入れてくれたことはホームステイ以来なく、まぁ私はキリスト教徒でもないしね。。。と、今年も期待していなかったのですが。。。
なんと今年は私のブーツにもニコラウスが!!😍
父親になって2年、息子にニコラウスの習慣をと、がんばってくれたのでしょう。
私の用意していたお菓子やプレゼントも息子と夫の靴に加えて、朝はみんなで大喜びしました!
去年はまだあまり理解できてなかった息子も、今年は自分の靴にプレゼントが入っているのを見てびっくり!とても嬉しそうにしていました。
プロテスタント系の保育園でのニコラウス🎁
私の息子はプロテスタント系の保育園に通っています。夫も私もプロテスタント教徒ではないのですが、その辺りはとてもゆるく、信仰に関係なく受け入れてもらえています。私たちの上の階に住んでいる仲良し家族におすすめしてもらった、うちから徒歩10分の保育園で、園長先生も保育士さんたちも他の保護者の方たちもみんなとても優しくてアットホームで、この保育園に出会えて本当に感謝しています。
この日は朝からみんなで保育園に隣接している教会へ。保育士さんたちの間でも風邪が流行っていて人手不足で、私はちょうど時間があったので付き添うことに。
教会で、園長先生と保育士さんたちと年長さんたちが、聖ニコラウスの劇を披露してくれました。こどもたちが飽きないよう参加型で、私も楽しく鑑賞させてもらいました。
聖ニコラウスのお話にはいろいろなバージョンがあるようですが、上に書いたものは、この劇の内容を日本語に訳したもの。
劇が終わってみんなで保育園に戻ると。。。
こどもたちみんなの上履きの中にニコラウスからのプレゼントが!!✨
残念ながら写真はないのですが、それぞれの名前が書かれた袋にサンタさんのチョコレートと動物の絵が描かれているマグネットが入っていました。
みんなで何の動物のマグネットをもらったのか見せ合って和気あいあい。。。かと思いきや、小さなケンカが始まり、「そんなことすると来年からもうニコラウス来てくれないんだよ!」と、かわいらしい言い合いに♥
仕事先でのニコラウス🎁
保育園でのニコラウスを楽しんだ後、仕事へ。
すると、デスクの上にはサンタさんのチョコレートが!
ボスが前日一番最後までオフィスに残り、みんなのために用意してくれたみたいです。
こんな小さな気遣いにも心がぽっと温まります♥
スーパーマーケットでのニコラウス🎁
以前このような記事を投稿したのですが、
このスーパーマーケットでも、ニコラウスのプレゼントがありました。
先月末に夫と息子と買い物に行ったときに、レジでもらったこちら。
色を塗って名前と番地を書いて11月30日までにスーパーマーケットに持って行くと、聖ニコラウスの日にプレゼントがもらえるというキャンペーン。
仕事が終わって息子を保育園に迎えに行く途中で受け取りに行きました。スーパーマーケットに着いて、受け取りコーナーを探すものの見つからず、店員さんに訪ねると、「レジのすぐ横ですよ。」と教えてもらっても見つけられず、また別の店員さんにも訪ねると、「ここの突き当りですよ。」と。それでもまだ見つけられず、もうひとりの店員さんにも聞いてやっと見つけたのが、こちら。
テーブルか棚に置かれているかと思いきや、さすがドイツ。倉庫用のラックに無造作に並べられていました。そして、アルファベット順でも番地順でもなく、「この中から探してくださいねー。」とのこと。
本当はこどもと一緒に受け取りに行かないといけなかったみたいなのですが、そこは目を瞑ってくれて、私ひとりでも受け取ることができました。
ブーツの中身はこちら。
サンタクロースのチョコレートと、りんごとオレンジとみかん。よく見ると、りんごにもサンタクロースの顔のシールが。
店員さんたちががんばって詰めてくれたんですね。ありがたいキャンペーンです。
夕方自宅に帰ったら!またまたニコラウス🎁
そして、保育園に息子を迎えに行って一緒に帰宅すると、またまた嬉しいサプライズが待っていました!✨
ドアの前に、雪だるまのチョコレートが!
きっと上の階の家族がこっそり置いてくれたんだと思います。小さいけれど、嬉しくて心温まるサプライズでした。来年は私たちもサプライズのお返しをしようと思います。
ちなみに、ドアにかかっているリースは、近所のファミリーセンターの参加無料のイベントで作ったもの。アドベントの時期はいろいろな場所で催し物や出来事がたくさんで本当にわくわくします。
私たちの今年の聖ニコラウスの日は、こんな風に嬉しい楽しい一日になりました。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました⭐