電車でのほっこりな出会い ✾ ドイツ生まれのゲーム「おばけキャッチ」
もう10年ほど前、ドイツの小さな町ハレで学生だった頃のお話。
ドイツの特急列車ICEで移動中。節約生活をしていたので、席の予約もしていなくて、通路にも人がぎゅうぎゅうに立っている満席の電車のデッキに立っていました。
長い移動時間、イライラしている人たちの間でため息が出そうになっていると、お母さんらしい女の人と男の子が隣の車両から歩いてきました。
男の子は乗り口の段になっているところを見ると、
「ママ、ここすわれるね!ここにいよう!」
と、嬉しそう。
お母さんも、
「いいね、じゃあここにいようか。」
と、ふたりは楽しそうにデッキに座りました。
ぎゅうぎゅうイライラの中、その様子を見ただけで、とってもほっこりして、一瞬で気持ちが和むのを感じました。
しばらく楽しそうにおしゃべりしたり絵本を読んだりしていたふたり。ふと男の子がカバンから小さな箱を取り出し、
「ママ、これであそぼうよ!」
何かな、と気になってふたりの様子を見ていた私に、男の子が、
「いっしょにあそぶ?」
と話しかけてくれました。
「いいの?ルール分からないから教えてくれる?」と私。
「もちろん!」
と男の子。
それがこちら。
ドイツ生まれのこのカードゲーム。日本では『おばけキャッチ』という名前で販売されているみたいです。
https://mobius-games.co.jp/Zoch/GeistersBlitz.html
中に入っているのは、絵の描かれたカードと、おばけ、ソファ、瓶、本、ねずみのコマ。
一瞬で見極める判断力と素早い瞬発力が必要な楽しいゲームです。
ルールはとてもシンプル。
①すべてのコマを並べて、すべてのカードを裏向きにして山にします。
②ひとりずつ順番に(ドイツのボードゲームやカードゲームではだいたい一番年齢が下のプレイヤーから始めます)山からカードを1枚めくって、そのカードに合うコマを一番早くキャッチできたプレイヤーがそのカードをもらえます。
*どのコマをキャッチするのか、2種類のパターンがあります。
パターン1:カードにコマと同じ「色」と「形」のものが書かれていた場合、それを取ります。
(上の写真では、一番左のカード以外の3枚がこのパターン。左から2番めのカードでは「グレー」の「ねずみ」、他の2枚では「緑」の「瓶」がコマと一致しています。)
パターン2:カードにコマと「色」も「形」も同じのものが書かれていない場合、「色、形」両方が使われていないものを取ります。
(上の写真では、一番左のカードがこのパターン。おばけもソファも色がコマと異なります。実際にはこのパターンの方が多いです。)
どのカードも対応するコマはひとつだけ。間違えてじったら、手持ちのカードを1枚、正解したプレイヤーに渡します。
③山のカードがなくなったらゲーム終了。1番多くカードを集めたプレイヤーの勝ち!
ルールを説明してもらってまずは一回練習。
シンプルだけど、ややこしい!
なかなか手が出なかったり間違ったりで、大笑い。
そのうち私も慣れてきて、対等に戦えるようになりました!
遊んでいるうちにすっかり仲良しになって、おしゃべりしていると、あっという間に彼らの降りる駅に到着。
「楽しかったよ、ありがとう!」
とお別れ。
その後も電車はまだまだ満席で私はひとりデッキに立っていましたが、目的地まで嬉しくてわくわくした気持ちでいられました。
電車が満席じゃなかったら、席を予約していたら、きっとなかった素敵な出会い。
ハレに帰ってすぐにこのゲームを買って友達と遊びました。
今もこのゲームで遊ぶ度にあの親子のことを思い出してほっこりします。
みなさんはどんなゲームが好きですか?
子どもから大人までみんなで楽しめる『おばけキャッチ』。
みなさんもぜひ試してみてください☻
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