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NAFCAさんの誤解を招きそうな表現について解説しますね
[設問]
4.生成AIモデル開発における公正かつ自由な競争を維持・促進していく上で、課題は何ですか。
≪回答≫
現在の生成AIが持っているマイナスのイメージの払拭に尽きると考えます。
クリエイター全員が「反AI」というわけではありません。
権利者等が納得できる、クリーンなモデルの制作を求めているのです。
無差別にクローリングしたデータを元に作られている生成AIは、権利者等からの反発が強く、商用で使っていくことを、倫理的にも容認しがたいと考えます。
著作者人格権の侵害は、クリエイターの人権の侵害と同義です。
心無いユーザーや無断学習によってついてしまった生成AIへの悪印象を払拭するには、著作権者等が納得できるクリーンなモデルが開発され浸透していくこと、そして旧来の生成AIモデルを規制し、徹底的に駆逐していくことが必須であると考えます。
おはようございます。榊正宗です。
NAFCAさんの主張は概ね正当なものですが、誤解を招く部分があるので解説しますね。
まず、生成AIに悪印象がついている理由について考えたいのですが、それって本当に生成AIそのものが原因でしょうか?むしろ、大きな要因は「反AIキャンセルカルチャー」のような過剰な活動にあると思います。AI技術そのものではなく、偏った主張が先行して悪印象を広めているケースが多いと感じます。
それから、「クリーンなモデル」を求める声もよく聞きますが、その定義が曖昧すぎませんか?どこからがクリーンで、どこからが問題なのか、明確な線引きがないまま議論しているように見受けられます。さらに、無差別なデータ学習を全面的に否定する方向性には、根本的な問題があります。
そもそも人間の学習だって、あらゆる情報を見聞きすることで成立しているわけです。同じように、AIにも膨大なデータセットが必要不可欠です。もし本当に「クリーンなモデル」を目指すのであれば、例えばAIが安心して学習できる「AI専用図書館」のようなデータ環境を整備することが先ではないでしょうか?国が主導して、著作権者も安心できる仕組みを作るべきです。
むしろ、AIの性能を本気で引き上げたいのであれば、質の高い有料の著作物を積極的に学ばせる環境を整えることが急務だと思います。これって普通の図書館と同じように考えればいいんじゃないでしょうか?例えば、著作物を寄贈する際に対価を支払う仕組みを取り入れることで、権利者にも利益が還元される形にできるはずです。
こうした環境を整備すれば、著作物の権利を守りながら、AIも質の高いデータで学習できて、一石二鳥ですよね。AI図書館のようなものが現実になれば、今の行き詰まった議論に対して、新しい解決策を提示できると思いませんか?
また、画像認識モデルにおいては、リアルタイムで無差別に学習する機能も必要です。なぜなら、AIが著作物を出力結果から的確に除外するためには、何が著作物に該当するのかを学習し続けなければならないからです。「無断学習」の規制が進むと、この能力が損なわれてしまい、結果的に著作物を守るためのAI技術そのものを排除してしまうことになります。
無断学習を一律に禁止するというのは、一見権利者を守るように見えて、実際には権利者の首を絞める結果を招いているのではないでしょうか?AIが進化し、権利者を守るためのフィルタリング精度を向上させるには、学習を止めてはならないのです。これを理解した上で議論を進めるべきです。