Stable Diffusion 3(SD3)のライセンスについて
こんにちは、榊正宗です。
Stable Diffusion 3(SD3)のリリースに伴い、Stability AIによるライセンス問題が大きな話題となっています。今回のライセンスは、AIコミュニティ全体に影響を与え、多くの議論を引き起こしています。その背景を詳しく見ていきましょう。
まず、SD3にはいくつかのライセンスオプションがあります。個人および研究用途に無料で提供される「非商用ライセンス」、月額20ドルで年間収益100万ドル未満のクリエイター向けに提供される「クリエータライセンス」、そして大企業向けの「エンタープライズライセンス」です。このクリエータライセンスでは、画像生成が月に6,000枚まで制限されています。
しかし、このライセンスに対してAIコミュニティからの反発が強まっています。特に、大手AIコミュニティハブであるCivitAIがSD3に基づくリソースの新規投稿を禁止するなど、ライセンスの不明瞭さが問題視されています。具体的には、Stability AIがSD3から派生したモデルや画像生成の利用に対して過度に制約をかけているとの懸念が広がっています。また、オープンソースの精神に反するという指摘もあり、これが今後のモデル開発や改善にどのように影響を与えるかが注目されています。
さらに、Stability AIの新しいライセンスモデルが、オープンソースコミュニティの貢献と関与に依存してきた従来の開発モデルにどのような影響を与えるかが問題視されています。ライセンスの制限により、コミュニティが独自にモデルを微調整し、改良する自由が奪われる可能性があるためです。
一方で、Stability AIはNvidiaやAMDと協力し、SD3を個人のPCでも動作可能なように最適化するなどの技術的進歩も見せています。しかし、ライセンス問題が解決されない限り、これらの技術的利点も十分に活用されない恐れがあります。
今後もこのライセンス問題がどのように展開するか、そしてそれがAI業界全体にどのような影響を与えるかを注視していく必要があります。わたしも引き続きこの問題について情報を収集し、皆さんにお伝えしていきます。
以上、榊正宗でした。