3 DCG統合型ツール「Modo」の開発終了はblenderのせいなのか?
こんにちは、榊正宗です。3Dモデリングソフト四天王の一角が堕ちた様です😭
Modoなどの3Dソフトの開発終了が話題になると、必ずと言っていいほど「Blenderのせいだ」という意見が飛び交いますよね。でも、このテーマ、ちょっと整理して考えてみる必要があると思うんです。
まず、開発が終了するソフトウェアには、実は共通点があるんですよ。それは、多くの場合、かなり高性能であるということ。具体的には、特定の開発者や少人数のチームが緻密に調整した複雑なコードで構築されているんです。これがなぜ問題になるかと言うと、こうしたソフトは、その開発者が抜けると、維持やメンテナンスが極めて難しくなるんです。結果として、開発が継続できなくなるケースが多いんですよね。
例を挙げると、Softimage、Fireworks、Retas Studio、Flash、messiahStudio、Animation:Master(…は一応更新されてる?)。これらも、一部の天才や小規模チームによって生み出された高性能なソフトですが、同じような運命を辿っています。
Blenderについてですが、高性能と言える部分も確かにあります。ただし、その設計は頻繁に見直されていて、結果としてユーザーにとって「使いにくい」と感じる場面が少なくありません。それでもBlenderが今も生き残っているのは、オープンソースで開発されているからなんです。この仕組みがすごいのは、開発コストを抑えつつ、アドオンを通じて多様な開発者が参加できる環境を作っている点。誰かが抜けても、別の開発者がその穴を埋められるため、プロジェクト全体が止まることはないんですよ。
ただ、一方でソフトウェア業界には、特定の個人や小規模チームでしか維持できない、いわゆるピーキーなソフトも存在します。こうしたソフトは、一度シェアを失ったり、買収で主要な開発者が離れたりすると、その瞬間に開発が止まってしまうんですよね。
だから、Modoの開発停止をBlenderのシェア拡大のせいだけにするのはちょっと違う気がします。もちろん、Blenderの影響がなかったとは言いません。でも本質的には、「Modoがあまりに高性能であったがゆえに開発停止に至った」という見方もできるんじゃないでしょうか。
この話、ただの技術論だけじゃないんですよ。天才的な開発者がいなくなれば、そのソフトはどうなるのか?維持できる環境をどう作るのか?そういう部分を考えるきっかけにもなるんじゃないかと思います。
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