AI絵師は無断学習パラダイスで、絵描きはただ単に成果物を学習されるだけ
おはようございます。榊正宗です。
AI絵師と絵描きの関係について、「寄生だ」「共存なんて嘘だ」といった感情的な表現で断じるのは、少し短絡的に思います。
絵描きもAIを使えば良いんですよ!
AIの活用次第では、絵描きにとって多くのメリットがあることを、少し考えてみませんか?
たとえば、AIを使えば、自動着色やラフからのクリンナップ作業が簡単にできるようになります。これだけでも作業負担が大幅に減るんです。それに加えて、自分のスタイルをAIに学習させれば、AIを使っても「自分らしさ」を失わないまま、もっと効率よく作品を仕上げられます。実際、背景やキャラクターの体をAIに任せて、顔だけ手描きに集中すれば、作家としての個性をしっかり残しつつ、生産性を大きく向上させることが可能です。
これを考えると、アニメ制作の現場が良い例になります。アニメでは、背景は背景美術の専門家が、キャラクターの動きは動画マンが、そしてキャラの顔や要所を作画監督が仕上げるという分業体制が一般的です。同じことを個人レベルで、AIを「デジタルアシスタント」として活用することで実現できるわけです。実際に、漫画家がアシスタントを雇うような感覚でAIを使えば、少人数でも高クオリティの作品が生み出せる可能性が広がるんです。
一方で、「AIが絵描きを食い物にするだけじゃないか」という懸念も理解できます。ただ、特にアニメ業界の現状を見てみると、AIがもたらすのは脅威だけではありません。国内アニメ制作は現在、約90%が海外依存です。この状況を打破して、国内での制作量を増やすためには、AIを活用した効率化が急務と言えます。これが実現すれば、国内のクリエイターがもっと活躍できる場を確保することにもつながります。
もちろん、AIの進化にはリスクもあるでしょう。ですが、そればかりを恐れて可能性を見過ごすのはもったいない話です。AIは「脅威」ではなく「ツール」として利用できるもの。絵描きがAIを上手に取り入れれば、より自分らしい作品作りに集中できるし、制作効率もぐんと上がるはずです。未来は、AIをどう使うかで大きく変わるんじゃないでしょうか?