ご縁がご縁を運んできて、光り輝くような言葉を聴く機会をいただきました。
重要無形文化財「琉球舞踊立方」(各個認定)保持者=人間国宝、琉球舞踊真踊流の宮城幸子さんが語ってくださったお話です。
ご縁が運んできてくれた機会
なんとなく海を見て暮らしたいと思い、向こう見ずで熱海に移り住んで一年半。ライターの仕事をいただいたのもご縁からでしたが、出会うはずもなかったような方々に出会い続けています。ひとつひとつの出会いが身に余るような幸運です。思えばずっと昔から、ご縁がご縁を繋いでいるような気がします。
仕事で記事を書くために取材させていただいたインタビューでしたが、終わったものとして私のなかでしまっておくにはあまりに大きすぎるものをいただいたので、ここに書くことにしました。
琉球舞踊公演のために熱海にいらっしゃった宮城幸子さん。18歳から踊りの世界に入り、90歳を迎えられた宮城さんの声はゆっくりと重く、優しいけれど中心に芯を据えたような声でした。
何度も何度も繰り返しおっしゃっていた「どぅーてーさーにうびりよー」という沖縄の言葉。「どぅーてー」は「身体」。「うびり」は「覚える」。「身体で覚えるんですよ」という意味だそうです。
そしてもうひとつ繰り返されていた「歩みに始まり歩みに終わる」という宮城さんのお師匠の言葉。
座ってお話しされている宮城さんの姿にも一本の線が通っているように見えました。体を使ってひとつひとつ「時」を置いていくような言葉の力強さに圧倒されました。まさに一歩一歩と歩むような。
宮城さんから聞いた言葉をただ置くだけでそれは伝わるのではないかと思い、まず冒頭に宮城さんからお聞きした言葉をほぼそのまま書かせていただきました。
それは強く鋭い光に照らされたような体験でした。何十年も自分の「歩み」を見つめつづける方に触れたことで、そこからの自身の日常が少し強くなるような。
そしてそれを誰かに読んでもらうことで、誰かの一歩が少しでも強く踏みしめられるようになればと思いました。
珠玉の言葉の数々をいただけたことに感謝しかなかったのに、宮城さんから最後にいただいた言葉は「感謝」でした。
昨日より今日。今日より明日。何よりも強いのに感謝で涙される宮城さんの優しさに触れ、言葉にならない想いを抱いた一日となりました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。