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可愛いだけじゃない。マーケット感覚抜群の陶芸家  『鹿児島睦 まいにち展』


鹿児島睦さんの『まいにち展』に行ってきました。
今まで、作品や商品を可愛いな〜と、思っているだけでしたが、今回展覧会に行って、鹿児島睦さんのことを知ることができました。
おぼろげに何かを読んだことがある程度だったので、発見の連続でした!

○  マーケット感覚がある

インテリア会社のNICで働いて、接客をしていたそうです。
その後、ザ・コンランショップでディスプレイと、マネジメントの仕事を。

NICという会社は知りませんでしたが、ザ・コンランショップは世界中の洗練された家具や雑貨を売っていて、アートと生活を結びつけるお店というイメージです。
お値段もそれなりにするので、雑貨しか買ったことありません、、!

そんなお店で働いていたというだけで、センスが良く、高品質なものを見る目があることが分かります。
また、マネジメントの仕事もしていたそうなので、売るという目線で物事を捉えていたことも分かりますね。
世界中のものを取り扱っていたというのも強いですね。

そんな経歴があっての退社のち、陶芸家としての活動を始めたそうです。
アーティスト感覚だけではなく、マーケット感覚がある作家なんでしょうね。

と、ぼんやり考えながら、展示を楽しんで来ました!

○ とにかく可愛い〜

会場は撮影可でした。ただ、作品が剥き出しで展示されているので、以下のことは控えてください。とチケット売り場で案内されました。
⚫︎作品の上から撮影することは✖️
⚫︎ 作品に近づきすぎることは✖️

無防備な展示にドキドキしながら、ピン!ときた作品にそーっと近づきスマホを向けて撮影しました。

ここから先は展示内容についてと、写真が続きますので、有料記事とさせていただきます。

入り口には、巨大なミッフィーちゃんがお出迎え

わくわくしながら、展示スペースに行くと、
●「あさごはん」コーナー

柔らかく色づかいと、お花モチーフのオブジェ

色地・下絵付け

絵柄部分の白い素地を残しながら、顔料 で色を塗る。図案のアウトラインを際立 たせるために削りを施している。

下絵付け
白い素地に様々な顔料を使って絵付けしている。

木漏れ日の映像の下に並ぶお皿たち

映像と作品を一枚の写真にしようと、しゃがんだら、側面の模様に目がいきました。
上から絵柄だけを見ていたら気づかなかった!

●「ひるごはん」コーナー

犬がかわいいオーバル皿


ひつじに目がいく


酒井駒子さんのよるくまに似てる〜


全体像。ずらりと並びます。

ひるごはん の作品はパキッとした色味が多いですね。

染付・蝋抜き

溶かした蝋でマスキングを施してから青の呉須で染め、施釉して焼成すると、蝋引きした以外 の部分が青く染付される。

●「 ばんごはん」コーナー

圧巻です。

黒地の作品が並びますね。カラフルな印象を受けます。

黒地・下絵付け

白い素地に複数の顔料で絵付けをしたあと、描いた絵柄を縁取るように黒い顔料を施す。

その他、国内外のコラボレーション作品が展示されていました。

気になったのが、こちらのイイホシユミコさんとのコラボのプロダクト。
マットな色合いとツルッとした質感、シンプルで料理を引き立てるスッキリ感が特徴のイイホシユミコさんのプロダクトが、鹿児島睦さんの絵柄によって、さりげない凹凸ができ、陰影が生まれています。

この青緑色に惹かれました。

また、鹿児島睦さんが影響を受けたものを展示しているコーナーがありました。
昔のおもちゃや、奥様の作品などが素敵でした。その中でも気になったのがこちらのお皿。

繊細さと大胆さの同居。黒い実が立体的なのも面白い。


エントランスのライブペインティング作品


普遍的なモチーフということですね〜

ミュージアムショップも楽しかったです!
皆さん思い思いにお買い物を楽しんでいましたよ。

ボデガのカップかな?良く使うサイズなので、衝動買い

○ 戦略的なモチーフ選び

今回、記事を書くにあたり、鹿児島睦さんについて調べたら、面白い記事を見つけました。
インテリアショップ IDEEによる鹿児島睦さんへのインタビュー記事です。

気にしているのは、「境界上のものを作る」ということ。女性と男性の境界、年配の人と子どもの境界、日本人と外国人の境界。極端に偏りのない、みんなが好きになってくれるものを作りたいと思っています。人の心に訴えかけるというと大袈裟ですが、人を喜ばせるという視点が抜け落ちてないかは、いつも考えています。

上記サイトより

大人が描いた絵本のようにも見えるし、こどもの絵のようにも見える。
日本っぽくもあり、ヨーロッパや東欧の昔のおもちゃの雰囲気もあり。

よく植物や動物が好きなのですか?と聞かれます。別に嫌いじゃないですが、一番好きなわけでもない。植物や動物の柄を描くのは、それを嫌いな人が少ないからです。自分が好きなお皿を作れと言われたら、ろくろで真っ白なお皿を作ると思います。だけどそれは、ほかの作家がたくさんいいものを作っているので、僕の仕事じゃない。

上記サイトより

嫌いな人がいないから、植物や動物のモチーフを選んでいる。というのは、びっくりしました。
多くの人に受け入れられるという視点を重視しているんですね〜
独りよがりな作品づくりをしていない、客観的な視点があるのが、鹿児島睦さんの作品が人気になった理由なのだと分かります。

やっぱり回り道は必要な道なんだな。

○ 佐野美術館も、素晴らしい建築物

今回、静岡県三島市の佐野美術館の会期中に行きました。
私は知らなかったのですが、建築業界で働いている夫が、静岡県出身の長谷川逸子さんの設計だと教えてくれました。
夫は興奮気味で館内を散策し、手すりなどの細部に唸っていました。
かっこいい建物でしたよ〜
建築好きの方におすすめの美術館です!

2度美味しい美術展でした!

最後までお読みくださりありがとうございました。

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