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「テオ・ヤンセン展」 構想のきっかけとは? 生命体というのは、本当だった!
先日のつぶやきでは楽しすぎて、何も詳細を載せていませんでした。。
テオ・ヤンセンてなんのこと?という方もいらっしゃると思います。
今日は改めて、「テオ・ヤンセン展」を振り返りたいと思います!
○テオ・ヤンセンの経歴
テオ・ヤンセンさんは、オランダ人アーティスト。もともと工科大学で物理学を学び、27歳の時に画家に転向。
1990年42歳の時、ストランドビーストの制作を始める。
2009年には、アジア初の展覧会を日比谷パティオで開催。
*STRANDBEEST: ストランドビースト
オランダ語で、砂浜を意味する”Strand”と生命体を意味する”Beest”の2語を繋げたテオ・ヤンセン自身による造語。テオが創る”生物”の総称。
「ストランドビースト」とは、「砂浜の生命体」という造語。
○背景として、オランダの国土と環境破壊問題について
オランダの正式名称は、「ネーデルランド(Nederland)」
ネーデルランドとは「低地の国」という意味です。
国土面積は4万平方キロメートル。
ほとんどの土地が海抜200メートルで、その1/4が海面より低く干拓地になっています。
そのような土地で暮らすために、14世紀以降、陸から水をポンプで排出するために風舎が造られます。少しずつ農地や暮らす場所が増えていきます。
しかし、1953年に北海の洪水を引き起こした大きな嵐によって多くの市民が犠牲になり、デルタ計画というプロジェクトが始まります。
デルタ計画(デルタけいかく)またはデルタ整備計画(デルタせいびけいかく、オランダ語:Deltawerken デルタウェルケン)は、オランダのライン川河口の三角州(デルタ)を高潮から守るために作られたダム・堤防・水門・閘門などの一連の治水構造物建設およびその計画である。
そして低地の国、オランダで1番高い土地は、海岸に広がる砂丘地帯。
砂丘は海に対して自然の防波堤になっています。
しかし、世界的に海面上昇が問題になり1901〜2010年の約100年間で19cm海面が上昇しました。
オランダも海面上昇により、波に海岸線が削られています。オランダにとって、砂丘がなくなるのは死活問題なのです。
オランダ政府は2011年、新たにサンドモーターという計画を始めています。
○ ストランドビーストの始まり
察しの良い方はピンときたかもしれません。
テオ・ヤンセンさんは、海面上昇による砂丘地帯の消滅に危機感を抱き、ストランドビーストを思いついたそうです。
風力で砂浜を歩き回りながら砂を押したり積み上げたりすることで岸に自然の堤防を築く生き物、というのが当初の構想でした。
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○ ようやく、展覧会の内容について
当日は、静岡県立美術館に隣接している芝生広場で、実際にストランドビーストを動かしていました。
海岸と違い風が吹いていないため、スタッフが紐で引っ張る人力によって、動いています。
カーブをうまく曲がらなくて、止まってしまうことも。
とはいえ、みんな興味深々でした。特に子ども達は後を追っていましたよ〜
展覧会前に気分も上がります!
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○ いよいよ展覧会へ
ここからは、展示内容で写真多めとなりますので、有料にさせていただきます。
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