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ドラマティックなり | 凡人が箱根花柳界から#6
凡人が花柳界に触れ、感じことや学んだことをつらつらとシェア。
箱根の花柳界を生きる人たちを、あなたもきっと好きになる。
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「事実は小説よりも奇なり」
私が昔、びっくりしたことがあって
「ねーすごいんだよ!こんなことがね」と母に話を聞いてもらうと、よく返ってきた言葉だ。
たしかに生きていると、不思議な出来事に出くわす。
その大小を問わず、偶然に偶然が重なった実際のエピソードたちに出会うと「あ〜人生って面白いな〜」と感じさせられる。
現実世界で起きるワクワクに気づかされるので、私はこのことわざが好きだった。
真昼さんのお話を聞きながら、そのことを思い出した。
誰もがその人だけのストーリーを持っていて、
いろんな思いを重ねて今日を生きている。だから人々は皆それぞれなりのドラマティックな人生を送っているものだと思うのだが、花柳界という私にとっての非日常を生きてきた彼女たちの日常は、私にはより劇的に見えてしまう。
みなさんは家出をしたことがあるだろうか。
プチくらいなら、意外と誰でもあるものなのかもしれないが
私にとっては「家出」って映画や漫画の中だけで起きることだ。しかも大抵家出をするのは、その物語の主人公。
彼らは、置かれた生活や環境、世の中に対して不満を感じ、
変化や希望を求めて飛び出していく。私には、たとえ強い不満があったとしても、きっと投げ出せるほどの勇気はなかっただろう。
それが、真昼さんときたら何度も繰り返していたと言うから驚きだ。
特定の何かが不満だったわけではないが、きっと
目に見えない、言葉にならない何かから逃げ出したかったのだろう。
出て行った家の鍵を取り替えられたり、再会した母親が芸者で、そのあと再会した義理の母親も芸者だったり、自分が売れっ子芸者だったのに家出しちゃったり、なんとも劇的なエピソードが連続する。
おてんばで、周囲をハラハラさせたりしながらも、勇気があって、
行動ができる。感謝の気持ちを大切にしていて、頑張り屋さんなのでみんなを巻き込んで何かを達成していく。苦労を表に出さない、ひたむきさに見ている人は惹きつけられ、健気さに共感を覚える。
真昼さんのお話を聞いていると、
美しい映画でも観ているような気持ちになる。
「自慢するようなことはないですが」と謙遜しながらインタビューに応じてくれた真昼さん。
普段お仕事で接していると、お淑やかで組合の役員さんの中でも、癒し系の女性なのだが、かなり波乱万丈な人生を送ってこられたことにきゅんとした。
また一人、箱根の花柳界にすてきな人をみつけた。
こういった、たくさんの主人公達のことをもっと多くの人に知って欲しいと思っている。彼女たちの生きてきた日常を、その美しさを、これまでそれに触れたことのなかった人に届けたていきたい。
事実は小説よりも「ドラマティック」なり。