マネジメントするってなんだろう | 凡人が箱根花柳界から#7
マネジメント、マネージャー、マネージする
きっと多くの働く大人たちにとって、どれも聞き慣れた身近な言葉だと思う。
「マネージする」は、英語のmanageだと「こなす」的な意味で使うことがある。
大変なことが起きて、なんとか『乗り切った(barely managed)』とか
課題などに対して、『こなすぞ、乗り越えるぞ(I’m gonna manage it)』的なニュアンス。
対して、名詞化されたマネジメント(management)は、
もっと「管理」とか「運営」「経営」という意味合いで使われることが多いだろう。
そして、おそらく
大なり小なり、チームや組織の誰かや何かと
関わりながら働く私たちは、日々いろいろなことのマネジメントをしたり、されたりしながら仕事をしている。
で、そんな身近で幅広いマネジメントやマネージすることについて
改めて考えることになったのが、松芳さんとのお話。
彼女が自身の置屋のマネージをする時に大切にしている、アメとムチの話はすごく好きだ。
私がアメを3個あげても、受け手は1個しかもらってないと思う。
私がムチを1つ打っても、受け手は3つ打たれたと思う。
自分が思っていることと、相手が思っていることは全然違うんだよ、ということ。
また、それぞれの人がもつニーズに合わせたそれぞれの対応をすることの大切さを語っていた。ちなみにそれは「カッコ書きで(だから私のニーズにも応えてね)ということ」だと笑っていたが、これもなかなか本質的だ。
つまり、すべての行いは自分に返ってくる、返ってくるとこまで想定して行なっている、ということだろう。それが彼女のマネジメントだ。
松芳さんは、こういう当たり前に見えてなかなか難しい大切なことを本当に大切にされている。とてもハッとさせられた。
インタビューのnoteには書かれていないが、
上述のマネジメントのコツ、みたいな話の終わりに、
まぁでも、女の子たちは「お母さん(松芳さん)にはこう言っておけば大丈夫」って逆にマネジメントされてるのかもだけどね
と松芳さんは笑いながら言っていた。
私が思うに、相手に「マネージさせてる」と思わせるマネージャーは素敵だ。昔の上司にそんなような人がいたが、上下に関わらずマネージする側とされる側が逆転している状況を作り出せる人はすごい。
「しょうがないなぁ」と思わせて周囲を巻き込める人
「この人のためなら」と心に働きかける人
「負けたくない!」と思わせ火を付けれる人
色んなマネジメントをしてる人が世の中にはいるが、そのマネージャーもまた周りの人や何かにマネージされている。
相手にマネジメントされていることに気づかれずにマネージする、というのもなかなかすごい技だが、
どちらがしてるか分からない状態というのは、尚更すごい気がしてる。
下からでも上からでも、中からでも外からでも、マネージしていいはずだ。
人は必ずしもマネジメントする側とされる側に分かれているわけではない
のだと思うから。
マネージにも、マネジメントにも、マネージャーにも
なんとかこなす、乗り越える精一杯なトーン
賢く適切に、要領よく管理するトーン
情緒深く、ハートでまとめ上げるトーン
他にもありとあらゆる意味合いのマネジメントがあるだろう。
あっていいのだと思う。
これからも、いろんなマネジメントの形が増えていって、
人と人、ものとものが豊かにつながり、支え合う世の中になっていけばいいなと願う。