キャリア支援最前線の2人に聞く! ライフイベントと両立するキャリアの築き方
※ホームページで掲載していた過去ブログ記事(2020/5/15)の再掲です。記事内容や肩書は当時のものです。ご了承下さい。
こんにちは!meetcareer(ミートキャリア)です。
「自分に合った働き方が出来る社会」をビジョンに掲げるmeetcareer(ミートキャリア)では、ライフステージに合った働き方を選択しながらキャリア形成をしたいと考える方たちに向けて、参考となるようなイベントを随時開催しています。
『withwork』の松栄友希さん×キャリアアドバイザーえさきまりなさん×ミートキャリア代表きたむら
先月末には、ママパパの転職支援サービス『withwork』を運営するXTalent株式会社執行役員の松栄友希さん、キャリアアドバイザーとしてTwitterで人気のえさきまりなさんをお迎えし、オンラインイベント「ライフイベントと両立するキャリアの築き方や、自分にあった働き方を見つけるには?」を開催しました。(平日夜の開催のため、寝かしつけ中や後に耳だけ参加くださった方も多数!ご参加ありがとうございました!)
今回はこのイベントレポートとして、松栄さん、えさきさんからのアドバイス集をお届けします。いまこの時期だからこそ、私たちができることは…? キャリア支援最前線のお2人の話は、ぜひメモしておきたい金言がいっぱいでしたよ!
<登壇者プロフィル>
XTalent株式会社 執行役員
松栄 友希 さん
2007年神戸大学卒業。株式会社キャリアデザインセンターにてデザイン、ライティングを経験後、広告宣伝を担当。その後化粧品会社の商品企画、PRを経て、2011年株式会社リブセンス入社。既存事業のグロース、2つの新規事業を立ち上げを経験。「転職ドラフト」のProduct Manager。2019年 XTalent株式会社に執行役員として入社。「withwork」運営。5歳男の子2歳女の子の2児の母。ハイクラス×ママパパの転職サービス「withwork」はこちら。
キャリアアドバイザー
えさき まりな さん
2007年短期大学を卒業後、大手自動車会社で事務職、美容カウンセラー・SVなど2度の転職を経て、2016年より株式会社キャリアデザインセンターへ入社。「type転職エージェント」にて女性や若手求職者のキャリアチェンジを支援する現役のキャリアアドバイザー。twitterやvoicyでは「#キャリアアドバイザーの本音」のハッシュタグで採用や転職の裏側を発信。個別のキャリア相談、イベント登壇、キャリアコラムの執筆などSNSを中心にマルチな活動で採用・転職の支援をしている。
meetcareer 代表
喜多村 若菜
神戸大学卒業後、アクセンチュア株式会社に新卒入社。
子育て中の働き方のニーズに対し、選択肢が少なすぎることに疑問を持ち、もっと選択肢を増やしたいと25歳で株式会社fruorを起業。2019年11月、meetcareer正式サービス開始。キャリアカウンセリング事業を通じて、育児中の方たちを中心にキャリアの悩みや課題解決サポートを行っている。
当日は「①ライフイベントとキャリアの両立」「②これからの女性の転職」の2つのテーマに分けて、meetcareer(ミートキャリア)きたむらの進行のもと、パネルディスカッションを行いました。その後、参加者から質問にもお答えしました。
ここでは一問一答形式のアドバイス集としてご紹介します!
テーマ①ライフイベントとキャリアの両立
産後は仕事のやり方が大きく変わる
でもキャリアを育てることを諦める必要はない
――――結婚、出産などライフイベントの変化時、仕事やキャリアには影響はあった?どういう工夫で乗り越えた?
――――(松栄さん)私の場合、結婚ではほぼ何も変わっていません。多少規則正しい生活になったというくらい笑。でも、出産はかなり変わりました。産前も産後も新規事業立ち上げの責任者ポジションだったのですが、産前は20時、21時まで仕事していてたのを、産後は「16時半で帰る」と決めました。
となると、キャリアを保つためには半分の時間で仕事しなきゃいけない。今までの仕事のやり方では時間が足りないので、取捨選択をし、権限移譲をし、チームの作り方も変えました。会社にいる時間はアウトプットとチームとのコミュニ―ケーションに充て、家での子どもの寝かしつけ時間は考える仕事に充てています。
また、私が社内で2人目の育休復帰社員だったこともあり、会社に相談して時短可能期間を3歳から10歳まで延長してもらったり、リモート可能にしてもらったりと、会社ごと変えていきました。
産後、仕事のやり方は大きく変わりましたが、キャリアを育てていくという感覚には変化はなかったし、諦める必要はない。時短でもキャリアは積んでいけている感覚はあります。
キャパを広げ、しなやかでタフな心を養おう
ITスキルやマネー知識、若い世代との交流も大事
――――30代、40代の女性がキャリアを考える上でやっておいた方が良いことは?
――――(えさきさん)私はいま33歳で30代にこれをやっておこうと考えていることはたくさんありますが、4つご提案したいと思います。
1つはキャパシティを広げておくこと。私は結婚してまだ子どもがいないのですが、今の生活+子ども+親の介護を想像したときに、手が足りないのは明らか。 想定をしておくことは大事です。
2つ目は、しなやかでタフな心養うこと。べき論から解放される習慣をつける。世の中や周りの目を気にしすぎず、自分たちが新しい価値観を作るんだとしなやかにいけたらいいと思います。
3つ目にITとマネーリテラシーを身に着けること。男性より女性は長生きするので、旦那さんに経済的に依存しないためにも!
4つ目、若い世代と交流を持っておくこと。私も新卒の子とか若い世代から学ぶこと多いので、吸収する機会を作っています。
★えさきさんオススメのマネーリテラシー情報源:私の場合、保険の契約をするために保険窓口に行った際、専門家の方に積み立てNISAや投資信託の話をしてもらいました。その他は、無料セミナーに参加したり、自分で興味持って勉強したり。今はFPの資格を取りたくて勉強始めました。
経歴だけでなく、心をなぞる自己分析を
不満は言語化し、会社と交渉してみて
――――自分に合った働き方を見つけるにはどうしたら良い?
――――(松栄さん)自分を強化すること、環境をちゃんと探すことの2つだと思います。自分を強化するには、自己分析+強くするの2ステップがあります。自己分析は経験やスキルベースで考えがちですが、できることとやりたいことを分けて考えると良い。
夢を100個書き出したら、自分の価値観が見えてきます。経歴をなぞるだけでなく、心をなぞるんです。強くするとは、自分の専門性を作ること。コロナの影響でIT化は急激に進むので、ITスキルは上げるのが圧倒的にオススメです。
2つ目の環境探しですが、実は子育てしながらでも圧倒的に働きやすい会社ってあるんです。だから、しっかり情報を取りに行くこと。「この業界は想像つかない」と諦めたり、毛嫌いしたりせずに探してみることです。
★松栄さんオススメのITスキルアップ情報源:私はがっつり開発部隊に居たので、一番のおススメは無料で聴ける動画サイト「ドットインストール」https://dotinstall.com/です。エクセルの関数とか各種ITツールの使いこなし方は、解説しているブログがお勧めです。本よりもWeb記事で最新情報をキャッチアップすることが大事です。
――――(えさきさん)転職ありきの話ではないのですが、2つあります。1つはロールモデル探しをやめること。よく求職者の方から「今の職場には理想の先輩がいないのでイメージわきません」と聞きますが、私もいないんですよ。価値観も会社の体制も変わっていくので、自分がファーストペンギンになって作っていけばいい。私はこういう働き方したいんです、と手を挙げていけばいいんです。私の会社でも、今は時短勤務の方が課長昇進したり、副業もOK、リモートもOKとなったりと、以前に比べて働き方が柔軟になりました。
2つ目は言語化する、交渉すること。今の職場に不満があって転職を考えている方の多くが今の会社と交渉していなかったりします。会社に言ってみたら、変わることもある。どうしたいのかをしっかり言語化して恐れずに上司に交渉してみると良いと思います。
テーマ②これからの女性の転職
成果で評価されるジョブ型の時代に
専門性でたたかう転職市場になる
――――女性の転職市場、5年前、今、5年後どうなる?
――――(松栄さん)社会的にジェンダーギャップが話題になったり、女性の管理職登用に興味を持つ経営者も増えており、ここ数年で時短でも転職できるようになりました。今後コロナの影響がある程度は長期化することを考えると、今までのようなメンバーシップ型(長時間会社にいる方が評価される)からジョブ型(成果で評価される)に変わっていくと予想されます。
今コロナでリモートワーク化が進んでいますが、5年後にはリモートワークは当たり前に、パパもママも一緒に夕食を食べるのが普通になる時代になると思います。すると、ママだけが夕方までに仕事を終わらせなければならないという価値観はなくなっていく。子どがいてもいなくても、男性でも独身でも、同じように同じ時間に終わるのが当たり前になる。女性やママであることはビハインドになりにくいので、成果や専門性でたたかう転職市場になると思います。
――――(えさきさん)私が10年前に新卒で会社に入った当時は産休育休が取れない会社もあったし、有給は捨てるのが当たり前の時代でした。でも今は、育休が取れない会社のほうが珍しいし、有給取得は義務化され、今後リモート導入企業も増え、女性も男性も働きやすくなります。今は履歴書に扶養家族などを書く欄があるけど、これも変化が出てくる気がします。あと、正社員至上主義も変わるのでは?今後は派遣や契約社員で働くことの価値が上がったり、パラレルキャリアがスタンダートになるのではないかと思います。
テーマ③meetcareerユーザーからの質問
職歴書の更新や会社の外で稼ぐ経験を
リモート下でのストレスマネジメントも大事
――――いろんなことが自粛ムードの今、転職を踏まえて仕事以外で取り組んだ方が良いことは?
――――(えさきさん)1つは職務経歴書を更新すること。自分の志向やキャリアの棚卸にもなるので、私は転職するしないにかかわらず四半期ごとに更新しています。いざ転職活動を始めるときに腰が重くなる原因って、職歴書ができていないことだと思うんです。2つ目は「どうなりたいのか」という自分の未来志向を言語化すること。最初は愚痴でもいいし、トイレにノート置いて書きなぐるとかでもいい(笑)。言語化して上司や同僚、旦那さんに伝えてみる事が大事です。3つ目は会社に頼らずにお金を稼ぐ経験をすること。メルカリ、bosyu、ココナラ…お勧めです。
(松栄さん)あと2つ付け加えさせてもらうとすれば、メンタルコントロールを学ぶこと。リモートワークが進むとうまくコミュニケーションとれず孤独感を感じる人もいます。アンガーマネージメントやコーピング、ストレスマネジメントなどの本を読んで行動科学や対処法を知っておくと、今の自分の状態が客観視できます。
もう1つは意識的に興味のアンテナを広げること。外出自粛で何でもオンラインになると、知りたい情報しか入手しない状況になります。街に出ると「今こういうの流行ってるんだ」とか「こんな話があるんだ」とか、興味のなかったことも発見できますが、オンラインだと情報が限られてしまうんですよね。
「あわよくば転職」はやめておこう
転職決意しているなら現職を辞めずに動く
―――今の時期に、転職活動や独立をすることはどう思いますか?
―――(えさきさん)目的のない「あわよくば転職」はやめておけ…ですが、早かれ遅かれ転職したいと決意している人は動いてもいいと思います。今後2、3年は売り手市場には戻らないと思うので、その時の自分の年齢を考えたときに転職を決意できそうならい待ってもいいのですが、転職を決意しているなら今から動かれた方がいいです。
―――(松栄さん)えさきさんに完全に同意です。求人が戻るのは経済が戻ったさらに後なので、転職したいと思うならやるべきです。ただ、先に現職を辞めない方がいい。転職活動も長期化するので、現職を辞めずに転職活動をすることをお勧めします。独立も同じです。
自己認識と他者認識のずれを補正する
長所を1つに決めすぎない
―――自己分析って結局何をやればいいの?
―――(えさきさん)長所を1つに決めすぎず、長所は5個10個と挙げて、振り幅を広げておくと良いと思います。特定職種に固執し過ぎるのは良くない。例えば栄養士の資格を持っている方が「私は栄養士の資格を取るためにものすごく努力したから、絶対にこの資格を活かさなければならない」「給食センターの仕事以外で」とこだわった場合、一般企業で栄養士資格を活かせる仕事はそう多くないんです。
(松栄さん)①やりたいこととやれること、できないことと苦手なこと―この4つを分けて考えること。②自分のタイプを把握すること。例えば「地道にコツコツが得意」という性格と、「何もないカオスからまとめるのが好き」という好きな仕事のタイプから考えた方がいいです。③自己認識と他者認識のずれを補正すること。仲がいい人や、多くの方の自己分析を聞いているキャリアカウンセラー等に相談してみることをお勧めします。
キャリアの棚卸や強みの整理をしたいときは
今できることとして「職歴書のアップデートをしましょう」というお話がありましが、ご自身のキャリアの棚卸や強みの整理をしたいとき、誰かと壁打ちしたいときは、ぜひmeetcareer(ミートキャリア)にご相談ください。プロのキャリアサポーター(カウンセラー)が皆さんのキャリア実現のため伴走をします!