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自己紹介

【略歴など】
 簡単に自己紹介します。とはいえ、ここに書けることは多くありません。アメリカ滞在歴計8年、現在は日本在住、一応家庭人。インターネット空間ではときに「マスゴミ」と揶揄される既存メディア勤務。若手ではありませんが、論説を張るほどの大ベテランでもありません。修士(法学)。英検1級(こっそり記述)。

【noteに書き殴り始めた理由】
 怒りです。

 ロシアによるウクライナ侵攻は大きな衝撃でした。米同時テロやイラク戦争など、これまでも国際政治の転換点はありましたが、ここまで大義の欠片もないあからさまなむき出しの国家権力による暴力行使は珍しい。

 イラク戦争だって侵略じゃないか、そう反論される方もいらっしゃるでしょう。その通りかもしれません。

 しかし、当時のブッシュ(子)政権に領土的野心は皆無で、ブッシュ大統領は「イラクはアメリカの土地だ」などとは思ってもいませんでした。米国は既存の国際法の法理で説明をつけようと試み、やはりそれは失敗に終わったようには見えますが、国際秩序を壊そうと意図していたわけでもありません。

 結果としてイラク戦後も、国家主権と領土の一体性の尊重、武力による威嚇ないし行使による一方的現状変更の否認という今の国際秩序を支える根本原理は、そのまま完全に、正当なものとして認められています。

 今回のウクライナ侵攻は違う。民主的選挙を経て発足した隣国の政権を一方的にネオナチ呼ばわりし、無効な尚早の承認によってその隣国の内政に干渉し、「ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟はロシアへの直接の脅威になる」などと主張して武力行使に訴える。

 NATOがロシアを攻撃しようとしたことなどありませんから、自衛権を持ち出して今回の侵略を正当化することなど不可能です。ウクライナ東部に新たに出来上がった友邦を集団的自衛権で守るという理屈も、そもそも「友邦」自体がロシアの傀儡で国家主体として認知されていませんから、成立しません。

 自陣営と敵対陣営間の緩衝地帯として勢力圏の維持が必要だとするロシアの安全保障上の懸念も一考に値する、という論調もあります。地政学ないしリアリズムからの発想と言えるでしょう。

 これについても、ロシア国家の存続がNATOによって脅かされているなどという現状認識は誤りです。百歩譲って、西側がプーチン政権に対する支持を掘り崩すプロパガンダを展開しているという見方を肯定したとしても、それは武力行使とはまったく違う次元の話であり、プロパガンダと体制転覆を狙った間接侵略は別物です。

 さらに、リアリズムで国際情勢を語るのならば、今回のロシアの行為が世界情勢、とりわけアジア太平洋地域に及ぼす悪影響を強く意識せざるを得ないはずです。既存の国際法を無視した力による現状変更に少しでも正当性を認めたら、他にも同じような行為で現状変更を行おうと考える勢力が出てくる公算が大きくなる。

 どこのことをお話しているかもうお分かりですね。日本にとっても対岸の火事ではないのです。

 今回のロシアによる侵略により、国際社会はこれまではとは異質の時代に突入したのではないかと懸念しています。大国による武力行使の閾値が格段に低くなり、各国は自らを守るために軍備増強に走らざるを得なくなる。

 事実、ドイツは国防費の大幅増を決定しました。他の欧州の国もそうするでしょうし、日本も同様でしょう。中国もこうした動きを見て、軍事強国化にまい進する歩みを速めるかもしれません。

 私はこうした状況に強い憤りと危機感を抱いています。けれども、メディアの一員としてこうした思いを仕事に投影することは現に慎まねばなりません。

 既存メディアの報道の枠内でも、おかしいことはおかしいと指摘できます。しかし、ナマの感情としての憤りは表現できませんし、してはならないと思っています。

 これが、noteで毒を吐き始めたきっかけです。

 日々たまっていく憤りを何らかの形でアウトプットしないと、精神汚染は進むばかり。そして同時に、ロシアの侵略の結果を既成事実として認めないために、ロシアの侵略を失敗させるために、小さな小さな反逆の声を上げたい。

 日本語でやっても無駄かもしれません。それでも何もしないよりはましなはずです。

 記事中では怒りをなるべくブラックユーモアに包むようにしておりますが、えげつない言葉に辟易する方もいらっしゃるでしょう。米欧では政治ニュースをどぎついブラックユーモアで表現することがあります。

 一連の記事群も、そういう風刺の一種と捉えていただければ幸いです。

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