第14話 分かれ道
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どのくらい長い間、怖さに身を浸していたことだろう。
呑み込まれないように、屈しないように牽制しつつも同時にすべてを体感しきる。
怖い怖い怖い、怖い怖い怖い…
「たのしーい!!」
ぷわぁっと、弾けるような歓声があがる。子供のような声だと思った。
その瞬間は唐突だった。
私の体の内側から、怖さの極から折り返した魂の喜びの声が聞こえてきて、思わず私もふふっとなった。
その日の午後、仕事中の旦那が電話に出られる時間を見計らって奈良に行きたい旨を伝える。
あまりにあっさりオッケーの返事をもらい、ありがとうと伝えるもやや拍子抜けしてしまった。
続けてまおちゃんにコンタクトを取る。
「初めまして、ひみと申します。奈良へのツアーまで六日しかありませんが、まだ参加可能でしょうか」
すぐにいただいた「大丈夫です」とのメールを受けて、羽田発大阪行きの飛行機を手配する。銀行に行き振り込みを済ませ、それからあきらの二日分のケアをまかなえる医療用品や食事関連の支度なども抜かりなくチェックしていく。
バタバタと手筈を整えて、ひと段落ついた時。
ふっと気が抜けた瞬間に、一体何が変化するのか、今まで何に対して恐れを抱いていたのかに気がついてしまって愕然となった。
この旅に行ったら、私、旦那と一緒にいられなくなるんだ。
全ての人やものはそれぞれ固有の周波数を出している。そしてその周波数、振動数にあまりに差があると、同じ時空間に一緒にいられなくなってしまう。
電車などで怒っている人に遭遇して、居心地悪く車輌を替えた経験のある方も多いだろう。
逆の意味でわかりやすい諺『類は友を呼ぶ』とはよく言ったもので、これは、周波数が近く波形、波長が合うから自然と集まるということを意味している。
私はこの旅で飛躍する。だって私の魂そのものが、高みを目指そうとしているのだから。
だけどそうなってしまったら、そうなってしまったら…
「おう、いいよ、行っておいで。」
ひみが行きたいなら行っておいでよ。奈良なんていいんじゃない?楽しんでおいで。
そう言って、あなたはスマホ越しに快諾してくれたけど、留めなくていいの?それでいいの?私行っちゃうんだよ。一緒にいられなくなるんだよ。
いつも私を優先してくれるあなただけど、今回ばかりは違うんだよ。
私たち、いずれ夫婦じゃなくなっちゃうんだよ…。
なぜ、そう断言できてしまったのかはわからない。
だけど答え合わせなんて必要がないほど、深く強い確信があった。
ちょっとだけ、留めてほしかったな。行くなって言ってほしかったな。
思い出される。
十年くらい前、精神世界系の本にあった、波長がずれるとパートナーが一緒にいられなくなるといった内容が会話に出た時旦那からこう言われている。
「俺にはわからない世界だけど、もしひみが先に高いところに行くことになったら。
……
その時は、俺のこと置いていっていいから。」
じんわりと滲んだ涙には、旦那の懐の深さに対する感謝と同時に、旦那その人を置いていってしまうことへの罪悪感がまだら模様に混じっていた。
written by ひみ
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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。
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実はこのあと出発までの間に健康診断がありまして、
行った病院の待合室に「漫画で読む日本史の人物」みたいな薄っぺらい本が何十冊とあったんだけどね。
並んでるいちばん端の、表紙の絵まで見えるのが空海。
となり一冊空けて、背表紙のみ誰だかわかるのがヤマトタケル。
空海とタケルの間が、今でも忘れないシャクシャイン笑
なぜ笑??
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